スキー上達につながらないブーツに対する3つの勘違い 226
スキーは道具を扱うスポーツなので
当然道具によって上達の効率も
大きく変わってきます。
特にブーツに関しては
様々なこだわりを持っている
スキーヤーの方が多いと思います。
よく私も、
・どのようなチューンナップを
した方がいいのか?
・インソールをどのようなものを
使った方がいいのか?
といった質問を受けます。
正直言ってしまえば、
ブーツの専門家ではないので
テクノロジー的な部分に関しては
その道のプロに聞いた方が確実です。
ただ確実に言えるのは
自分の足がきちんとはいるように
ブーツのチューンナップは
した方がいいいです。
硬いレーシングモデルの様な
エキスパートレベルのものはなおさらです。
ただブーツチューンをすれば
パフォーマンスが上がり、
スキーが上達するかというと
そうとは言い切れません。
今回は特に質問の多いブーツについて
よく勘違いされている部分を
トレーナーという少し違った観点から
3つご紹介します。
また違った視点からブーツについて
考えてみて下さい。
勘違い① カント調整でシルエットを直す
ブーツをチューンナップする目的の一つに
カント調整をしてX脚などの
シルエットを直したい
というものがあります。
確かにブーツのセッティングが
足に合っていないせいで、
滑りのパフォーマンスに
関わってくることがあります。
滑っていてX脚のシルエットになってしまうので
カント調整をした方がいいですか?
とよく聞かれますが、
本当にブーツが原因の場合は
間違いなくした方がいいです。
本当にブーツが原因ならです。
あなたがもし
ブーツチューンをした経験があるなら
思い返してみて下さい。
ブーツをチューンナップした瞬間
滑りが変わったでしょうか?
もし変わったのなら
ブーツだけが原因です。
でも確かに滑りやすくなったけど
滑りのシルエット自体はあまり変わっていない
というのであれば原因は別にあります。
他の原因解決には取り組まず
ひたすらブーツにこだわっている方は
珍しくありません。
勘違い② ブーツチューンをすれば身体が良い状態になる
ブーツチューンをすると
足が当たらずに履けてるし、
板に対しても真っ直ぐ立てる
様になります。
しかしあくまでもそれは
あなたの身体に合わせているのであって、
あなたの身体自体が改善されて
良くなったわけではありません。
もしあなたの身体の状態が悪いのであれば
その悪い状態に合わせてチューンします。
根本は悪いままなのです。
さらにブーツがきちんとチューンされているか
確かめるポジションは立っている状態が基本です。
しかしスキーをしていて真っ直ぐ真上に
立っている状態シーンは
あまりありません。
内側に傾いたり、
ひねり動作をしたり、
ブーツを履いて様々な動きをします。
立った状態が真っ直ぐになれば
その他の動作も正常になるのでしょうか?
③ インソールを入れればパフォーマンスが上がる
今やブーツとセットで考えられるのが
インソールです。
インソールを入れることにより
足裏が整って、雪上パフォーマンスが
上がるとされています。
果たして本当にそうでしょうか?
先ほどブーツチューンの時も
お伝えしましたが、
インソールも足の裏が悪い状態に合わせます。
いまは一人一人の足に合わせるのではなく、
理想の型があり、
その型に足を合わせるタイプのものも
多くあります。
でも結局が足裏の機能が悪い足を
その型に合わせているのは変わりません。
インソールは確かに正しい足の状態に
整えてくれるかもしれません。
しかし見方を変えれば
そのインソールがなければ
正しく足を使えない方向に進んでいる
とも言えます。
そもそもインソールの売りは
悪い状態の足をサポートすることです。
悪い状態をサポートしてもらい続けた足が
その後どうなるのか?
という部分にあまり注目されていないのは
恐ろしいことです。
さいごに
いかがだったでしょうか?
今回はブーツに関する勘違いの
代表的なものを3つご紹介しました。
勘違いしないでほしいのは
ブーツのチューンナップも
インソールもスキーにとっては非常に重要です。
私もきちんとブーツをチューンナップしてもらい
非常に履きやすいです。
ただあくまでも自分の出せる
パフォーマンスをフルに発揮するために
重要なのです。
根本的に自分の身体のパフォーマンスが
悪い場合には滑りは変わりません。
しかしブーツにはこだわる方は多くても
自分の身体の状態にこだわる方は
少ないように思えます。
もしブーツは最高の状態で
根本的な身体が悪い状態なら、
悪い動きをきちんと出せる状態になっている
という事です。
決してブーツが最高の状態になれば
身体も最高の状態になるわけでは
ありません。
ですからブーツチューンやインソールを変えても
あまり滑りのパフォーマンスが変わらない
スキーヤーの方が多いのです。
道具は最高にいいのに・・・
という状態にならないように
気を付けて下さい。