まさかのSAJが!?スキーヤーの膝をX脚にして壊してしまう恐ろしいスキー界の常識とは?

 

前回の記事で、スキー界のエラーで多いX脚について
膝がいかにかわいそうなのかをお伝えしてきました(苦笑)

 

多くの一般スキーヤーが悩むスキーX脚は、解剖学的には直す事は不可能? #396

  最近小難しい話が続いたので、誰にでも共通していて 尚且つスキーにおいてとっても重要な内容をお伝えします!       それが      …

 

以前メルマガでも発信しましたが、
同じ悩み持つ方が多く、反響が大きかったです!

 

 

その際、戴いた感想の中で、
まさに今回のテーマとピッタリの内容のものがあったので、
今回ご紹介させて頂きます!

 

 

 

 

スキーヤーの膝を壊す常識をつくっているのは誰か?

 

 

その内容とは

 

かわいそうな膝関節を生み出す
日本スキー界の背景です!

 

戴いたメールの一部をシェアさせていただくと

 

___________

膝関節の話、改めて勉強になりました!

 

 

私は長年X脚に悩まされていましたが、いくら意識しても直らないのは
そもそも指導で膝を使えと言われて、自らX脚を生み出しているのだと
渡辺さんの発信と出会い昨年ようやく分かりました!

 

最初はもっと早くこの情報に出会いたかったと
後悔の気持ちも強かったですが、
今ではこのタイミングで知れて良かったと切りかえています。

 

 

本来であれば今回の様な関節の正しい動きや、
逆に行ってはいけない動作を伝えるべく
スキー教程があるのだと思うのですが、
SAJの指導者研修会の動画を見て
この様に間違った常識が植え付けられていくのだと改め感じました。

 

エッジングの部分ですが、明らかに行ってはいけない動作ですよね。

 

以前なら何とも思わなかったですが、
正しい理屈を知った今では指導者を育てる教科書自体が
間違っている事に恐怖を覚えます。

___________

 

 

という事で、このメールは
日本スキー連盟の指導者研修会の
理論講習動画の内容についてメールをいただきました。

 

 

このメールの内容にあるエッジングの部分とはこちらです。

 

 

 

 

まさにこの指導者講習会にあるエッジングは
前回紹介したNG動作をそのまま行ったものです!

 

 

 

この画像を見ていただくと分かるように
膝とつま先の向きが違っていますよね。

 

 

 

また、説明では内旋、外旋を用いて
エッジングをすると言っていました。

 

 

 

しかし脚部の純粋な内旋、外旋とは下の図にあるように
つま先と膝の向きがセットで動くものです。

 

 

 

もしくはつま先と膝の向きが正面のまま固定され、
骨盤の向きが変わるのも内旋外旋ですね!

 

 

この動画ではつま先と膝の向きが違ってくることから
内旋外旋と言うより、内転、外転のニュアンスが強いです。

 

 

 

 

足を地面につけたまま股関節を外転内転すると先ほどの画像様に、
つま先と膝の向きが合わない形になるので試してみてください!

 

 

股関節の動きは解剖学的な用語で聞くとちょっと小難しい話ですが、
この部分を整理しておかないと大変な事になります。

 

 

詳しくは以前動画でまとめたものがありますので
一度ご覧になる事をおすすめします!

 

 

戴いたメールで書かれている様に、スキーの指導者の為の教科書に
この様な動作がエッジングだと紹介されているのだから
X脚で悩むスキーヤーが多いのも仕方がないように思えます。

 

 

まずはここら辺をご自身できちんと整理して
せめてあなただけでも、膝に優しいスキーヤーになって下さいね!

 

 

 

なぜSAJスキー教程でも間違った膝の動きが推奨されるのか?

 

さてこの内容をメルマガでご紹介した際に、
多くの読者の方から

 

「なぜこのような間違った動作が、教程に平気で載ってしまうのか?」

 

「だれかこれを見て、おかしい!間違っている!
    という関係者はいないのか?」

 

 

といったものがありました。

 

 

確かにそのように感じるは良く分かるのですが、
多分この先も気づかないケースの方が多いと思います。

 

 

 

その理由とまさに関係するのが
SAJが公開しているこちらの動画です。

 

 

 

SAJ公認の女性ナショナルデモンストレーター4人の方がそれぞれ
オフトレを紹介する動画になっています!

 

さてさてどの部分に触れるかは、
すでに上記の動画サムネイル画像でお気づきかもしれません。

 

 

 

それが8:30辺りから始まるターンMAX姿勢です!
わかりやすいように右側2人を反転させて同じ向きにしました。

 

 

さてあなたは違いが分かるでしょうか?
なんとなく左側2人の方が、癖が無いように見えませんか?

 

 

 

例えば画像右側奥の選手の場合は
かなり膝が内側に入り込む形で
ターンMAX姿勢をとっています

同じく右側手前の選手もその傾向が見られますね!

 

一方で左側の2人の選手は、
外足、内足ともにキレイに足に対して
真っ直ぐのラインがとれていますよね!

 

 

 

もちろんアングルによって若干見え方の違いはあるものの、
右サイド2人と左サイド2人では
何か動作の種類が違うというのは分かるはずです。

 

 

 

もし足裏に地面があって
その面に対してスクワットをするのであれば
間違いなく左側の2人の方が
力が伝わるもしくは耐えられるかと思います。

 

ではこの両サイドの違いは、どの部分にあるでしょうか?
ここで膝を内側に入れていると思った場合は
気を付けてくださいね!

 

 

なぜならその考えは前回の記事でお伝えした
『かわいそうな膝関節』の考え方だからです!

 

 

 

正解は足首です!

 

 

股関節は両サイドとも曲がっていて
骨盤が外向傾をとれています。

 

 

大きな違いは足首の角度です!

 

 

右側2人に比べて左側2人の方が
足裏の角付け量が少ないですよね?

 

 

 

要は右側の2人は足首を内側に入れ込むような形で
陸上での角付け動作を行っているという事です。

 

 

 

ただ厄介な事にスキー界では、
陸上でこの様なターン姿勢をとる時に
角付けの為に足首を内側に入れて
足裏に空間がある状態の方が正しいと思われています!

 

 

しかし本来は、陸上でこの様な耐える姿勢をとる時は
足裏は地面に全てついている状態が正解です!

 

 

他のスポーツにおいても
耐えるシーンで足裏を浮かせているケースはありません。

 

 

 

 

実際あなたもその場で反復横跳びを行えば分かるかと思います。

 

 

因みにすごくマニアックな視点ですが、
この動画の9:45辺りから
左奥の選手の外足に注目してください!

 

 

 

最初は外足の足裏を離して角付けしていましたが
その後内足を上げた瞬間に本能的に耐えやすい
足裏をベタっとつけた状態に一瞬なります。

 

 

これが本来正しい反応なのですが、いけないと思ったのか
9:50にはチラッと外足を確認して、すぐ足裏を浮かせて足首を入れています(笑)

 

 

 

もちろん膝とつま先の向きが同じになる範囲なら
スキーを意識して足裏を浮かせてもいいのですが
実際その様な動作は陸上では必要ないです。

 

 

むしろ一般スキーヤーの方には
あまりお勧めしない動作でもあります。

 

 

しかしこのような話をお伝えすると
必ずと言って良いほど

 

 

「えっ!?じゃあ角付けはどうするんですか?」

 

 

といった疑問が返ってきます!

 

 

 

もし、あなたも足裏を離さないで
なぜ角付け動作が可能なのか分からない場合は
こちらの動画を確認してもらえれば理由が分かるはずです!

 

 

 

 

足裏を浮かそうがつけてようが、
この状態でブーツを履いたら全員角付け出来ているので!

 

 

さて色々と解説しましたが、ここまでを読んで
あなたはどのように感じたでしょうか?

 

 

ほとんどの場合、左側2人の方は正しい動きをしていて
右側2人はデモンストレーターなのに
間違った動きをしていると感じたかもしれません。

 

 

 

しかし実は違います!

 

 

 

右側2人の選手も
“結果的には”正しい動きをしているんです!

 

 

 

膝を壊す間違った角付け動作なのになぜトップ選手は推奨するのか?

 

 

なぜ膝が内側に入るまちがった動作をしているのに
右側2人は間違いではないというのか?

 

 

それは

 

 

 

この動作イメージを持っていても
実際の滑りになるとこの様な状態では滑らないから!

 

 

です!

 

 

当然ですが、2人とも日本のトップ選手ですので
実際の滑りで膝とつま先の向きが違ってねじられている様な
シルエットになっている事はありません

 

 

これは以前にオーストリアメソッドの外向傾と
春原選手の記事の違いについて解説した時にも触れました!

 

紙面上では股関節を使って骨盤を
内側に移動させる感覚は×で
膝を内側に入れるイメージが○だとなっています。

 

 

 

でも実際の滑りと比較すると
×の動作の方を行っているのは
この様に並べると分かりやすいですよね!

 

 

でも〇の様な膝を入れるイメージでも
実際の滑りでは正しい動きになっているので
本人としては何も問題ないわけです。

 

 

実際にトップ選手達の中では
実際に起こっている現象と自分のイメージは違っている、
むしろ違っているからこそ、上手く出来る人は多いです!

 

以前にも

 

 

「スキー教程で間違った動作が出ても
 修正がかからない可能性が高い」

 

とお伝えしたのですが、そのイメージで滑っても(むしろ滑ったほうが)
上手くいくケースが多いという経緯からです!

 

 

まさに教程で紹介されていた動作と並べるとこんな感じですね!

 

 

 

まさに先ほどの記事と同じ様に、その場で行っている動作と
実際の滑りが違う事が分かりますよね!

 

 

 

それでも未だに股関節を使って
骨盤を内側に入れてくる練習をしていると

 

 

『外向傾が強い』

 

『腰外れている』

 

 

なんて怒られますが(笑)

 

 

 

さてここまでで、トップ選手達は
どのようなイメージを持っていようとも
実際の滑りは抜群に上手いので何も問題ないのは
お分かりいただけたと思います。

 

 

しかし問題がある人も存在します。

 

 

それが

 

 

 

真面目にきちんとそのまま
間違った動作を再現する
一般スキーヤーの方

 

 

 

です!

 

 

先ほどの画像を見ていただいてお分かりいただいた通り、
推奨されている動作をそのまま行えば
当然ですがX脚エラーになってしまいます。

 

 

 

つまり本当に言われた通りを再現出来てしまう人は
雪上だと大変な事になるわけです。

 

 

もしあなたも上記の内容をきちんとやるタイプでしたら
タイトルにもあるように選手は問題なくて
あなただけは間違いになります(汗)

 

 

 

この様に書くとなんだかやり切れない気持ちになるかもしれませんが、
インターネット、DVD、雑誌などで扱われる情報の多くは
その選手や指導者の“感覚、イメージ”に基づくものが殆どです!

(スキー教程がそれだとさすがに問題がでてきますが(汗))

 

 

そしてそれらの情報は、
あくまでも不特定多数に向けて公開されているものであり、
あなたに向けて発信されているものではありません!

 

 

 

ここが本当に重要で、多くのスキーヤーの方は
無意識的に自分に当てはまるものだと
『自分に向けた情報』として様々な情報を捉えがちです。

 

 

 

実際はあなたにむけた情報は
インターネット上に転がっていないので
自分で取捨選択する能力が問われます。

 

 

 

とは言ってもそれはかなりハードルが高い事です。

 

 

 

ですから以前からお伝えしているように
第三者からの『あなたの為のフィードバック(情報)』
が重要になるわけですね。

 

 

 

今回取り上げた膝の動きもそうですが、
スキー界にはそのまま取り入れると
スキー人生を壊しかねない情報が山ほど転がっています。

 

 

“あなたにとって”必要な情報かどうか
注意して取り込んでくださいね