スキーバッジテストテクニカル、クラウン検定の急斜面小回りで、暴走しない為に見落としがちな必須要素とは? #386
前回の記事では、渡部浩司さんの動画を参考に
自分の身体の動きと板の動きの判断基準について、解説してきました。
スキーが上達する人が持っている【板基準】の感覚を手に入れるには? #385
前回の記事で、自分の滑りを判断する上でよく利用されている 3つのチェック要素である ①指導者や仲間内など第3者からのフィードバック ②ビデオで撮って見…
この動画に限らず今の時代、
貴重な情報は山の様に転がっています!
しかしだからと言って、
スキーが上達するスキーヤーが増えるかというと
そうではありません。
このように貴重な情報があったとしても
『情報の価値は受け手によって決まる』
という言葉があるように、
その情報の価値を決める“受け手”が重要になるわけです。
今回もこのような部分が、よく分かるご質問が来たので、
シェアさせて頂きます。
…
…
っとその前に、
一応
『情報の価値は受け手によって決まる』
について簡単に解説です。
例えば、
『人気アイドルグループ乃木坂46の●●ちゃんが
朝行っているルーティン(モーニングルーティン)』
という情報があります。
(例えが最近の流行を適当に混ぜた感じですいませんw)
さてあなたはこの情報に、
どのような価値を感じるでしょうか?
きっとそのアイドルの子の大ファンからしたら
「超貴重!!」
「めっちゃ価値ある!」
と思うはずです。
ただそこの子に興味がない人からすれば
「どうでもいい」
という無価値な情報になります。
その一方で
『元アルペン・レーサー、マルセル・ヒルシャー選手が
現役時代行っていたコンディショニングのルーティン』
は、どうでしょうか?
私にとってはとても貴重であり、興奮します(笑)
ただスキーをやらない人にとっては
「だれそれ?」
といった形の、どうでもいい無価値の情報ですよね?
このような例は、情報は受け手によって決まる分かりやすい例です。
今回は分かりやすくする為に、
ある意味極論のような形で違うジャンルを並べましたが、
同じジャンルで、同じ目的(スキーが上手くなりたい!)でも当てはまります。
簡単に言ってしまえば
「この情報には価値がある!」
ではなく
「この情報に価値を見出せる!」
という表現の方が正しいわけです。
さて、『情報の価値は受け手によって決まる』
という考え方が何となくわかったところで本題です!
以前何人かの方から、似たような質問が来ました。
それが
【ターン前半のずらし】
についての動画です。
簡単に質問をまとめると、
「山側にずらす質の高いズラシは
どうやってやるのですか?」
といった内容ですね!
そのご質問の元となるのがこちらの動画です。
有名スキーヤー、ムラキンさんこと村上祐介さんが
急斜面小回りを解説しています。
とっても分かりやすく参考になる動画ですが、
こちらの動画だけでなく村上さんが一貫して
視聴者の方にお伝えしているのが
小回りのターン前半は
“山側に”
という内容です。
これは本当に重要なポイントである一方で、
物理原則に逆らうような動きであり、
難しいと感じるスキーヤーも多いかと思います。
(その一方でターン前半は
谷側にという指導者もいますしねw)
ではあなたはこの動画を見て
どの部分に一番注目したでしょうか?
以前メールマガジンの方で同じ質問をした時に
いただいた感想をご紹介すると
「ターン前半のズラシの重要性」
「どうやって山にずらす?」
「エッジをかけ方」
といった
【ターン前半】
に対する部分でした。
これを聞いて
「いやいや渡辺さん、この動画は
ターン前半のズラシの重要性を解説しているんだから
当たり前じゃないですか?」
と思われたかもしれません。
もちろんそこも重要なのですが、
それと同じくらい重要な内容が、この動画には隠れており、
そこに価値を見出せたかが今回の記事のメインテーマです!
あなたはスキー急斜面小回りの2つ目のポイントに気づけたか?
この動画のタイトルは
【急斜面ショートターンを安定確実演じきるたったふたつの方法】
ですよね?
もう一度大事なので言いますが“ふたつの方法”です!
しかし多くの場合、その一つであるターン前半の山側へのズレにしか目が行きません。
動画をよく見ると、急斜面小回りは
『まずはフォールラインに対して
板を90°まで使い切る』
という説明が最初に入ります。
「実際滑っている時は90°まで使い切ってない」
という部分に、注目を置いた方もいましたね。
そこも大事なポイントですが
もっともっと基本的で重要な部分があります。
それが2:41辺りのこのシーン!
もう分りましたか?
はい
_______________
股関節からの外向傾
_______________
です!
言われてみれば、やりすぎなくらい鋭く入っているのが
お分かりいただけるでしょうか?
このターン後半の形である、やりすぎとも思える
外向傾の形に注目できるスキーヤーは、ほとんどいません。
なぜならそもそもターン後半の外向傾の形が
重要だというフィルターで、スキーを見ていないからです!
また、あまりにも自然すぎて、
自分でもまねすれば出来ると思えてしまう人も多いです。
しかし実際はこの様に股関節をきれいに使って
これでもかというくらいの外向傾をとれる
一般スキーヤーはほぼいません。
また、動画の様な股関節からの外向傾が、ただとれるだけでもダメで
きちんと左右に切り替えられる事が重要です!
そこら辺はこちらの動画で詳しく解説しているので
興味がある場合はどうぞ
↓
つまり前半のズラシの事を考える前段階の
ターン後半の外向傾に、目が行っているかどうかという話です。
かけっこで言ったら
「位置について用意」の格好が出来ていないのに
「ドンッ!」とした後の足の運び方ばかり気にしている様なイメージですね。
そしてそしてスキー界には
もう一つ厄介な問題があります。
スキーで重要な外向傾は練習すらされない?
もし先ほどお伝えした股関節から外向傾が
作れないとしたらあなたはどうしますか?
当たり前ですが練習すると思います。
動画のシーンは“静止”した状態でのターン後半ですので、
まずはこの動画の様に、静止状態でターン後半作れるか確認です!
(正直これは陸上のトレーニングの領域)
次に静止した状態でとれるのだとしたら、
ターンの中でとっていきます。
その場合いきなり流れよくターン前半から
ターン後半まで繋がれば良いのですが、
大抵はそんなに上手くはいきません。
そこでターン前半から意識して
このターン後半の外向傾をとりに行こうと練習すると
…
…
…
…
はいもうお分かりですね!
_______________
ターン前半からの
股関節の外向傾は腰外れ!
_______________
というエラー動作と認識され
そこは練習させてもらえません。
また、チームやスクールに入っていない、
一緒に練習する仲間もいない、
という環境であってもあなた自身の脳が
『これはエラーではないのか?』
という認識を持っていたらアウトです。
もちろんSKIER`sLABでメルマガ読者限定でご紹介している
【動画講座】
にご参加いただいているのであれば、
ここら辺は徹底解説して上達のロードマップをお伝えしているので
大丈夫だと思います。
しかしほとんどのスキーヤーの方は
このいずれかの壁によって上達を阻まれます。
そうなると
ターン後半の正しい形が作れないけど、
その練習はさせてもらえない…
といった沼の中から抜け出せない状態になってしまいます。
明らかに先ほどお伝えしたシーンの様な、
外向傾の形でターン前半入ってきたら
「ターン前半から外向傾強すぎです!」
「腰外れてますよ!」
「ターン前半は長い軸で、真上から板に乗ってきて!」
といった指導やアドバイスが降り注ぎますね(苦笑)
そして厄介な事に、その内容自体は
決して間違いではないという事です。
あくまでも“順序”や“段階”によって
正しいか間違いかは決まるので。
今回は
・ターン前半のズラシの前段階(外向傾)がきちんと出来ますか?
・また、その情報がきちんと動画を通して
あなたに入っていましたか?
といった内容でした!
この様に情報は受け手によって
その価値を大きく変えてしまいます。
また次回は別の質問が来ているので
そこを解説していきます!
今回も同じくどう見えるかによって
情報の価値が変わるので楽しみにしていてください!