スキー上達に重要な『外向傾』『腰外れ』の違いは?260

前回の記事で

 

【外向傾】とはどのような形で、

必要かどうか意見が分かれる理由は

認識の違いがあるという事を

お伝えしました。

 

 

まだご覧になっていなければ

まずはこちらからどうぞ

 

【スキー上達に外向傾は必要?不必要?259】

 

 

この記事を読めば

外向傾に関してはもう大丈夫!!

・・・

・・・

・・・

 

といかないのが

スキーの複雑なところ。

 

 

なぜならタイトルにもあるように

外向傾と似たような形で

【腰外れ】という

スキー用語があるからです。

 

 

これらは外向傾と同じことなのか?

はたまた全く別物なのか?

 

 

ここら辺を区別しないと

また外向傾は必要か?

腰外れになるから

やめた方が良いのか?

といった意見の分かれる原因になります。

 

 

 

外向傾すると腰外れになる?

 

あなたは雪上で

 

 

『腰が外れている』

 

 

と言われたことはありますか?

 

 

 

外向傾をとると必ずと言っていいほど

セットでついてくるのが

この腰外れですね。

 

 

この腰外れとは一般的に

NG動作として指導の中では

注意の対象となります。

 

 

 

しかし腰外れという単語からして

頭と足の直線上から

腰が外れる事であれば

外向傾は間違えなく腰外れです。

 

 

 

腰外れが悪いとなると

腰を外さない限り

外向傾はとれませんので、

外向傾自体がダメとなってしまいます。

 

 

 

それとも外向傾は必要だから

腰外れも本当はOKなのか?

 

 

はたまた外向傾と腰外れは別物なのか?

 

これは腰外れ?

 

以前私が配信している動画でも

外向傾についての動きを説明した時に

『腰が外れている』

といったコメントが結構ありました。

 

 

逆にこの動作が大事!

これが出来ないとダメだよね!

これが基本です!

といったコメントもありますね。

 

※その動画はこちら⇓

 

 

 

もうこの時点で

腰外れなのか外向傾なのか?

それが良いものなのか悪いものなのか

意見が分かれているのが

よく分かります。

 

 

因みにエッジが立っていない

というものもありますが

この動画の動作を、

ブーツを履いて行ってもらえば

嫌でも勝手にエッジが立つので

今回は置いておきますね。

 

 

あくまでも股関節の動きに関連した

骨盤の位置や方向に注目してください。

 

 

話を戻しますと、

 

 

【外向傾は腰外れなのか?】

 

 

という部分が重要になってくるという事です。

 

 

 

この部分を明確にするためには

まずは腰外れの認識を

きちんとしておく必要があります。

 

 

 

どこからが腰外れ?

 

 

最初にお伝えしておくと

 

 

 

そもそもこの角度を超えれば腰外れ

というのは存在しません!

 

 

 

ですから先ほどお伝えした通り

外向傾も

腰外れと言ってしまえば

腰外れです。

 

 

 

ただスキー界において

全ての外向傾が

腰外れと言われているわけではなく

一般的に腰外れと言われるケースは

ある程度決まっています。

 

 

今回は代表的な3つの腰外れの認識を

お伝えしますね。

 

 

①内脚に乗ってしまう

 

まず腰外れと言われてしまうのが

この内脚に乗ってしまうケースです。

 

 

本来外向傾は、

遠心力に耐えるために

板を傾けて外脚にしっかり乗る動作です。

 

 

それなのにせっかく外向傾をとっても

内脚に乗ってしまっては

意味がないどころか、

X脚やシェーレンといった

エラーを引き起こす

原因にもなってしまいます。

 

 

 

外向傾はどうしても

身体の軸から

腰を内側に入れる必要がある為

その際内側に行きすぎてしまい

内脚に乗ってしまいます。

 

 

そうなると外向傾というよりは

腰が外れているという指摘が入ります。

 

 

 

②タイミングが早い

 

ターンの局面をよく時計の時間で表しますが、

ターン前半と呼ばれる

1時、2時(右ターン)

11時、10時(左ターン)

の局面で外向傾の姿勢を取ると

腰が外れているという表現がされます。

 

 

先ほどお伝えした通り

外向傾とはターン後半に

最も外脚に外力が加わる時に

行いたい動作です。

 

 

ですがその必要性がない

ターン前半の局面で

行ってしまうと、

内脚に乗りやすい、

身体が遅れやすい、

というエラーに繋がるケースが多いです。

 

 

詳しくはこちらの動画を見ると

分かりやすいと思います。

 

 

同じ動作でもタイミング一つで

良い動作とエラー動作になるので

難しいですね。

 

 

③ターンの進行方向と身体の向きが合っていない

 

 

外脚に乗る以外に

外向傾をとる理由に

次のターンへの繋げるため

というものがあります。

 

 

そもそも一番外力に耐えられるのは

ストレート軸といって

直立した状態です。

 

 

えっ、外向傾じゃないの?

と思われていますが違います。

 

 

実際止まる時に

外向傾を強く意識して作る人は

いないはずです。

 

 

 

ただ止まる時ならいいのですが、

ストレート軸でターンをしてしまうと

次のターンへむけて斜面の下方向(谷側)に

落ちて行けずに

斜面の上(山側)に身体が残ってしまいます。

 

 

つまりストレート軸だと

ターンが連続して行えないので、

しっかり外脚に乗りつつ

上半身は次のターンへの準備をする為に

外向傾が必要となってきます。

 

 

ただここで次に行きたい

進行方向よりも上体の向きが強すぎると

腰が外れているという

表現をされてしまいます。

 

 

 

例えばアルペンスキーで言えば

SL(スラローム)での細かいセットや

基礎スキーの小回りの様な

進行方向が下向きの場合は

外向傾姿勢が強くても

あまり腰が外れていると言われません。

 

(スキーレーシングマガジン誌)

 

一方、

SG(スーパージャイアントスラローム)や

DH(ダウンヒル)、

基礎スキーの大回りでは

進行方向が斜め横方向です。

 

 

その為、

下の画像の様に内傾角を大きくとった

ストレート軸に近い形なり、

上の画像の様な外向傾姿勢をとると

腰が外れていると表現されやすいです。

 

 

 

 

まとめ

 

この様に同じ外向傾でも、

ポジションや目的と合っているかどうかで

正しい外向傾なのか、

腰外れというエラー動作なのかに

分かれるという事です。

 

 

それゆえ

 

・外向傾は必要だ!

・外向傾はスキーの基本!

 

という意見もあれば

 

 

・外向傾はいらない!

・外向傾をすると腰外れになる!

 

 

といった反対意見も出てきます。

 

 

因みに何度もお伝えしていますが、

どちらの認識であれ、

その人が自分の思い描く滑りが出来ていれば

OKだと私は思います。

 

 

ただこの認識が食い違っているせいで

同じ指導や情報を得ても

全く違った解釈をして

スキー上達の妨げになってしまう事は

とても大きな問題です。

 

 

あなたはどのような認識なのか?

また指導者や、情報の発信元は

どちらの認識で言っているのか?

 

 

 

ここら辺をきちんと認識して

スキー上達につなげていってください。