スキーに必要な吸収動作について 155

スキーにおいて板に力を伝えるのと

同じくらい重要なものが

雪面からの力を吸収することです。

 

 

特にコブ斜面や春スキーの悪雪などを

スムーズに滑る為には

この吸収動作はとても重要になってきます。

 

 

さてこの吸収動作ですが

たとえばあなたはコブ斜面を滑る際に

どのような意識で吸収しているでしょうか?

 

 

 

多くの方が自らの意志で

脚の曲げ伸ばしを行い

吸収しているかと思います。

 

 

 

自らの意志以外に

どうやって吸収するの?

 

 

と思うかもしれませんが、

実は吸収動作には様々な方法があります。

 

 

その一つに

相手の力を利用した

無意識的な吸収動作です。

 

 

例えば掌を相手に向けて

腕を伸ばします。

 

そして相手にその腕を押してもらいます。

 

 

当然吸収動作をしないと

後ろに倒れてしまいますので

吸収動作を行ってください。

 

 

そうするとほとんどの方が

相手の押すタイミングに合わせて

自らの意志で引いて吸収動作を行います。

 

 

ただこれでは相手とのタイミングが合わなかったり

引く力加減を間違えると上手く吸収できません。

 

 

今度は伸ばした腕の力を適度に抜いておきます。

そうすると相手が押せばその力で

自然に腕が曲がり、相手が力を抜けば自然に

腕はまた伸びます。

 

 

これは自分の腕をバネの様にしていると

イメージしてもらえれば分かりやすいです。

 

 

バネは自らは曲がりませんよね?

 

 

ある一定の力で伸びようとしていて、

その力よりかかる力が強ければ縮むし、

弱ければ伸びます。

 

 

それを腕で再現しているという事です。

 

 

ようは必要最低限の力だけを入れておき

後は相手の力具合で無意識的に吸収動作を行うので

吸収のタイミングを間違えたり、

吸収しすぎることが少なくなります。

 

 

スキーの場合は相手の力とは

雪面からの力です。

 

 

自分の意志で脚を引いて伸ばしてとするというより、

雪面からの力に押されて脚が曲げ伸ばしさせられるという感覚です。

 

 

 

この無意識的な吸収動作をどうすれば行えるのか?

 

 

これはトレーニングで身につけるしかありません。

 

特に身体が固い方や、

身体の部分的な力のコントロールができない方は

まず無意識的な吸収動作はできません。

 

結局は根本的なフィジカルの部分が大事という事です。

 

 

勿論自らの意志で意識的に

吸収する必要がある場面もあります。

 

 

 

ようは沢山の吸収動作のバリエーションを持っておいて

それを最善の割合で使う事が大事なのです。

 

 

 

『柳に雪折れなし』

 

 

という言葉をご存知でしょうか?

 

強風に吹かれて巨大な大木が倒れることはありますが

しなやかに風になびく柳は折れません

 

 

 

かっちりと固める大木のような身体だけではなく

柳のようなしなやかな身体も目指してください。