スキーのコブ(不整地小回り)で板が素早く回ってくる方法は? 299
前回の記事で
コブ(不整地小回り)の滑り方で
早いタイミングで切り替えす事と
速い速度で板が切り替わる事を
混同しないように
気をつけてくださいとお伝えしました!
まだ読まれていない場合は
こちらから
スキーのコブ(不整地小回り)で使い分けたい“はやい”ターンの切り返え 298
スキーヤーが掲げる 目標の一つして よく挙げられるのが コブ斜面を滑りたい! というものです。 モーグル選手…
きっとコブに遅れてしまう人ほど
はやく切り替えたいという思いと
ゆっくり滑りたいという思いを
矛盾して抱えているはずです。
そこを解決する為に必要なのが
板を【速い】速度で
切り替えられる
という要素です。
板をクルッと速く
切り返せるのであれば
板が回らないでコブに入れないかも…
といって早いタイミングで
切り替えてしまう事も
少しは減るのではないでしょうか?
では肝心の
【板を速く切り返すには
どうすればいいのか?】
この部分もぜひ触れて欲しい
という声が多かったので
少し触れていきたいと思います。
なぜ板が速く動かないのか?
板を速い速度で切り返せない理由は
人それぞれですが、
まずお伝えしておきたいのは
早いタイミングで切り返すと
速く板が切り替えられない
という事です。
その理由は実際行ってもらうか、
上空からみた絵や映像があると
分かりやすいのですが、
早いタイミングで板を切り替えすと
板のテールが
一つ前のコブに引っかかる
からです。
機会があれば
他のスキーヤーの方に
邪魔にならないように
コブを歩いて確認してみてください。
通るラインによって
タイミングや感覚は様々ですが、
コブを吸収して
すぐに切り替えようとしても
板がまだコブを越えきれていない為
テールが引っ掛かるのが分るかと思います。
しかしもう身体としては
切り替えているので
板は回らないけど
身体は次の準備に行っている
という状態、
つまり
内倒
になります。
身体は次の方向に向かっているのに
板はまだ曲がってない…
↓
つまり板に加わる力がなくなる
↓
板にどうやって力を加える?
↓
身体はもう行っちゃっているから
脚を突っ張るしかない
↓
結果的にその動作によって
密脚が崩れる・・・
といった流れにはまっているケースは
少なくありません。
つまりトップ選手達が発信している
『早いタイミングで切り返さず
コブを待つ!』
という行為は
その方がカッコイイ!
待てるだけの技術力があるから
というのも勿論ですが、
そもそも待った方が
板が回しやすいので
コブが滑りやすい!
という事です。
なかなか文章ですと
イメージしづらいかもしれませんが、
要は
コブが【早い】タイミングで切り返すと
板が回るスペースがないから
板が【速く】切り替わらない
という事をまずは覚えておいてくださいね!
板を力で回そうとしても…
しかしコブが苦手な人にとっては
「本当に自分の板は回るのか?」
という恐怖感から
信用できなくて
早いタイミングで
切り返してしまうのも分かります。
ある程度
板を速く切り返せるという
自信と技術力は必要ですね。
では板が速く切りかわる為に
直接的に必要な動作について
お伝えしていきます。
板を切り返す
要は板を回すという行為ですが
板が回るには当然ですが
板に力が加わる必要があります。
そこで重要なのが
何の力を利用して
板が回すのか?
という部分です。
これはコブだけでなく
全ての滑り言える事ですが、
コブの場合特にやりがちなのが、
脚の力で板を動かそうとする
という行為です。
・脚の力で捻る
・脚を伸ばして押す
といった感じですね。
一見この2つは
コブではセオリーであり
基本動作として
よく言われている動作です。
しっかり脚部を捻り、
コブの溝に脚を伸ばしていく
・・・
・・・
・・・
実際トップ選手の滑りも
そのように見えますよね。
勿論上記の動きは
間違いではありません。
ただ本当にその意識をして
コブが滑れているのであれば
問題ありませんが、
そうはならないから
これだけコブに悩んでいるスキーヤーが
多いのではないでしょうか?
その動作自体の正しさと
あなたにとっての
正しいイメージや感覚は
全く別物としてとらえる場合も必要である
という事だけは
常に頭の片隅に置いといてくださいね!
板を回す為に本当に必要な力は?
では脚を捻る、伸ばして力を加える
といった動作をしても
板がキレイに回らない人は
どうすればいいのか?
先ほど話に戻りますが、
脚の力ではなく
別の力を板に加えなければならない
ということになります。
その力とは
体重、つまり身体の重さ
です!
人間が持つ大きなエネルギーの一つが
この体重です。
筋力でグッと力を加えるよりも
あなたという物体が
移動してぶつかるエネルギーの方が
はるかに簡単に大きな力が出せます。
そしてコブで板が速く回らない人の多くは
この身体の重さを板に伝える
という動作を忘れて
全く逆の動作を行います。
それがこれまでに
お伝えした内容にもある、
早く次のコブに行こうとする意識です。
板に体重を乗せたいのなら
次のコブに早く行こうとする意識は
逆だという事にお気づきでしょうか?
簡単に言ってしまえば
右外脚に体重を乗せたい時に
次のコブがある左側に
移動しようとしているようなものです。
板に体重を乗せる為に
では板が回る為の力を
伝えようと体重を乗せるには、
どうすればいいか?
それは
次のコブに早く行こうとせず、
ちゃんと今の入っているコブに
寄り添っていく
というイメージが必要です。
ちょうど2019年4月号の
スキーグラフィックの特集でも
井山啓介選手が
【コブはストックをつく方に
頭を寄せろ!】
という内容を発信しています。
まさに外脚側に
体重を寄せる動作ですね!
じつは後傾になって
コブに入れないと
思っている人の多くは
後傾よりもまず
内脚側に移動している
というのが原因
のケースが多いです。
この内容も同じ様に
スキーグラフィックの記事に
書かれています。
しかしこれのイメージが出来たとしても
実際に滑ると
出来ない人がほとんどです。
その理由はいくつもありますが、
最も大きい理由としては
ストックをつく側、
つまりコブの壁側に体重を
移動させていくと
壁に突っ込んだり
激突しそうで怖い
という事です。
本当はコブの壁から離れていく方が
よっぽとも怖い行為なのですが、
どうしても
壁に突っ込んでいくような感じがして
勇気がいりますよね。
その恐怖に負けると
次の様な負のスパイラルに
突入します。
怖いので次のコブ(内側)に
身体を移動させてしまう
↓
外脚側に体重が移動せず
板に力が加わらないので
板が回ってこない
↓
その為板が回るのが遅れて
コブに入れない
↓
コブに入れないから
もっと早く板を切り替えそう
(次のコブに行こう)
とする
↓
外脚側に体重が移動せず
・・・
・・・
・・・
といった感じです。
ですから
外脚側に体重を移動させて
板が回るという感覚は
コブを上手に滑る為には
非常に重要となるわけです。
その方法の一つが
井山啓介選手が推奨する
【頭をストックを着く方に寄せる】
という動作です。
(その他にもいろいろ手段がありますが)
もちろんその動作で改善する人と
しない人には分かれます。
なぜならその手前の様々な前提を
満たしているかどうかは
人によって違うからです。
ただ全体の方向性として
コブでも整地と同じように
外脚側に身体は寄せていく
という事だけは忘れないでくださいね!