スキーで疲れるのは筋力不足?ポジション?それとも・・・239
ポジションが悪いスキーヤーは筋トレを取り入れたくなる?
あなたは
筋トレしていますか?
もししているとしたら
その理由は何でしょうか?
筋トレを選択する
スキーヤーの多くは
滑っていて足の筋肉がすぐ疲れるから
筋トレをしています!
という方が多いです。
現に知人に私の仕事が
スキーヤーの方のオフトレーニングを
サポートしているというと
『やっぱりスキーは足腰使うから
筋トレとか、体幹とかするの?』
と必ず聞かれます。
使う筋肉が疲れるから鍛える
という発想は理にかなっているように
感じますよね。
スポーツジムに行って
スキーのためのトレーニングをお願いします!
と言えば、
間違いなく同じ発想で
下半身の筋トレメニューが
組まれると思います。
しかしその疲れる原因は筋力が弱いから
というのは安易に考えない方がいいです。
なぜなら、疲れる原因が
筋力が弱いからではなく
ポジションの悪さをカバーするために
無駄に筋肉を使っている
可能性があるからです。
これがポジションが悪いスキーヤーほど
筋トレを取り入れているケースが
多い理由です。
ポジションが悪いスキーヤーほど
脚の筋肉が疲れます。
本当に正しいとされるポジションは
身体を効率的に伝えることのできる
ポジションですので
筋肉への負担は少ないはずです。
現に上級者になるほど
余計な動きをせずになめらかに滑ってくるため
筋肉の活動は少ないです。
あなたがもし滑ると脚が疲れるのと同時に
ポジションの悪さも指摘されるようなら
筋肉よりもまず
ポジション修正のトレーニングを
お勧めします。
筋トレをしたら同じ量を滑っても
つかれなくなった!
というプラスイメージの裏側には
悪いポジションの代償として
かかっている負荷に
耐える力が強くなった
という真実が潜んでいるかもしれません。
そうなると悪いポジションでも滑れるので
疲れは感じないかもしれませんが
ポジション改善という技術的な進歩からは
遠のく恐れがあります。
ポジションはいいけど使っている筋肉が悪い?
悪いポジションの
代償となってかかる負荷に耐えているので
筋肉が疲れる可能性以外に
本当は使いたい筋肉の代わりに
使ってしまっていたり、
そこまで必要としていなのに
無意識に力んで使ってしまっている
可能性もあります。
ただこのような内容をお伝えしても
あなたが実際どのような状態なのか
いまいちわからないかと思います。
そこで今回は簡単なチェックを紹介します。
片足立ちになり、そのまま前方にジャンプして
また片足立ちで着地します。
右足で片足立ちしたら
そのままジャンプして右足で着地して
ピタッと止まるといった感じです。
要はケンケンですね。
距離はあまり必要ないので
軽く前方に飛んで
着地したらピタッと止まってくださいね。
(3秒ぐらいはその場でぐらつかずに
止まりたいです。)
このような単純な動作だけでも
多くのことが見えてきます。
そもそも片足立ちができない。
片足で着地ができない。
といったポジションやバランスの問題が
まずは出てきます。
できる方は着地の瞬間
どこの筋肉に一番負荷がかかるか
(使っている感覚があるか?)
意識して下さい。
どうですか?
多くのスキーヤーは
太ももの前側、ふくらはぎ、足首や足裏
という意見が多いです。
もしあなたが片足着地をした際、
太ももの前側を使う感覚があるなら
きっと滑っていても
太ももの前側が疲れてくるタイプです。
えっ、太ももの前側以外
どこ使う感覚があるの?
と思われるかもしれません。
それは・・・
お尻です!!
正確にはお尻の上の方ですね!
上手に身体が使えていると
お尻を使う感覚があります。
もちろんお尻だけを使っているわけでは
ありませんが、
『お尻使う感じあります?』
と聞かれたら、迷わず
『はいはい!お尻使ってます』
と言える方は
使えている可能性が高いです。
お尻を使う感覚が得られるということは
板に力を伝えるための正しいポジションと
身体の使い方をある程度マスターできている
証拠です。
これができているかどうかで
まず来シーズンの上達幅が決まってくるので
あなたも試してみてください。
因みに腰に来る方は
確実に腰の状態や使い方が悪いので
無理をしないで下さいね!
見た目は同じでも中身は違う
チェックテストの結果は
いかがでしたか?
片足立ちからジャンプして
片足着地するという動作は、
バランスがとれるかどうか?
という部分でしか判断されないケースが
ほとんどです。
しかし実際は
同じようにバランスが取れている人でも
使っている筋肉や感覚がまるで違う!!
というケースがあります。
これはうまい人のフォームを真似する際に
よく起きていますね。
一見見た目は同じように見えるけど、
(特に一瞬を切り抜いた静止画など)
使っている筋肉や力感、感覚といった
中身はまるで違っていて
それが結果的に板のたわみや走りなど
本質的な部分の差となって現れている
といった感じです。
実は今回お伝えしている
チェックテストの内容を
スクールに入った際に
指導されても全くつかめなかった
というサポートメンバーの方がいました。
インストラクターの方に、
『太ももの前側が疲れます』
と伝えると、
『そんなところが疲れるのはおかしい!
正しく板に乗れていたら
お尻や腿裏側が疲れるはずです!』
といわれて
いろんな雪上エクササイズを
試したそうです。
その結果は・・・・
全く分からない!!
しかしオフトレを通して
根本の正しい体の使い方が
できるようになると、
『やっとわかりました!
このことだったんですね!』
と、とても嬉しそうに仰ってました。
以前から
自然にできてしまっていることを
伝えるのは難しい!
と言っていますが
上手な方はお尻を使うことはできても
・なぜ自分お尻がつかえているのか?
・前腿を使ってしまう人は何が違うのか?
・どうすればお尻を使えるようになるのか?
・そもそもなぜお尻側を使えた方がいいのか?
といった部分が明確に分かっていません。
ですから前腿ではなくお尻を使うんだよ!
という【指摘】はできても
どうすればそれができるようになるのか
【指導】をすることが難しいのです。
そもそもそういった部分が分かってくると
板に乗るという感覚が
分からない人、知らない人に
『もっと板に乗ってきて!』
という指導は入らないはずです。
(乗るという感覚が分かる、
または共通認識がある場合はOKですが)
話がそれましたが、
あなたがもし筋力不足が
スキー上達の妨げになっていると
感ている場合は、
・ポジションの悪さが原因ではないか?
・使っている筋肉(身体の使い方)が
間違っていないか?
という点にも意識を向けてみてください。