スキーブーツの中はどうなっている?勘違いだらけの足裏荷重点を整理するための3つの核心ポイントを徹底解説! #400

 

あなたはスキーを滑っている時に、自分の足元がどうなっているか正確に意識できていますか?

 

足の指は曲げますか?伸ばしますか?

足首は緊張させますか?緩めますか?

足裏はどこに荷重していますか?

 

スキー界には、驚くほど多様な、時には真逆とも言える技術論が溢れています。 いま挙げたような足元に関する技術論も、指導者やメソッドによって実に様々な意見があります。そして、この足元の問題が厄介なのは、『スキーブーツを履いているので、実際どうなっているのか見て確認できない』という点です。

 

「見えない場所」だからこそ、多くのスキーヤーが感覚の迷路に迷い込み、何シーズンも同じエラーを繰り返してしまいます。そこで今回は、スキーにおいて非常に重要となる「足裏荷重点」の問題について、上達を阻む「勘違い」を解き明かしながら、3つのポイントで徹底解説していきます!

 

 

① スキーにおいて構造上の「正しい足裏荷重点」はどこ?

 

この足元問題でまず私たちが考えたい要素、それが「足裏の荷重点」です。

なぜならスキーというスポーツは、スキー板に対して効率的に力を伝えて、板が仕事をしてくれることが、上手い・下手といった技術レベルを決定づけているからです。

「あの人はスキー板は殆ど仕事させていないけど、筋力は強いからスキーは上手いよね!」という人は、まずいませんよね(笑)。その逆で、「あの人は筋力はそれほどないけれど、スキー板に仕事をさせることが抜群に上手いから、スキーは上手いよね!」というケースは、上達の現場ではよくある話です。

このように、まずスキー板に力を伝えることを最優先に考えていきたい理由はシンプルです。しかし意外にも、多くのスキーヤーの方は自分がバランスをとりやすい場所といったように、自分を基準として足元を考えてしまっています。

しかも、そのバランスをとるという意識が、『その場で動かずにじっとしていられる』といった静的なバランスのイメージであることも、問題を厄介にしています。

 

雪上は常に動く世界です。止まっている時の感覚ではなく、板に力を加えるためのポイントはどこか?という目的から、きちんと逆算された順序で考えていきましょう!

 

 

物理的な真実:釘を打つ場所から考える

では、肝心のスキー板に最も効率的に力を加えられる足裏のポイントはどこか? 考え方はとってもシンプルです!

下記の画像のように、足型の骨をハンマーのように持って釘を打つとき、あなたはどの部分で釘を打ちますか?

 

当然ですが、持っている骨(スネの骨)の真下が、一番力が伝わります!

 

『母指球に乗る』という指導がよくありますが、その場合この画像の様に、骨のラインから外れた前方で釘を打とうとしているようなものです。

 

またその逆で『踵に乗る』という指導もありませね。ただ踵に乗るとなると今度はこの様に、骨のラインから外れた後方で釘を打とうとしているような状態になってしまいます。

 

どちらも、持っている骨の真下ではないため、せっかくの力が逃げてしまいますよね。

 

スネの骨(脛骨)の正体は「内くるぶし」にある

さて、この手に持っている骨とはどこの骨かというと、当然ですが「スネの骨」です。 そして意外と知られていないのですが、スネの骨(脛骨)の末端とは、実は『内くるぶし』なのです!

その一方で『外くるぶし』は、腓骨というスネの骨を支えるように付いている細い骨の先です。 つまり、スネの骨の真下とは、外くるぶしよりは内くるぶしに近い、くるぶしの下辺り』だということです。

細かい話をすれば、緑の➡の様に内くるぶしの真下そのものでもないのですが、まずは「くるぶしの下辺りなのね」と理解していればOKです。

因みに世の中に販売されている様々な足型模型のどのメーカーも、だいたいくるぶし下部分に支え棒がついているのは、それが物理的な支点だからです。

この様に、足裏の荷重点には「母指球」「くるぶしの下」「踵」「足裏全体」「土踏まず」など色々な意見がありますが、構造上は”くるぶしの下である』と、まずは理解できれば合格点です!

因みにここら辺詳しく知りたい場合は、こちらの動画で解説しておりますのでご覧になってみてください!

 

なぜ「構造上」という言葉をあえて使うのか?

なぜあえて「構造上は」と言ったのか。それは、バランスをとるためであれば足裏全体や母指球を意識した方が良い局面もありますし、足首のバネを使って走ったりジャンプしたりするなら当然荷重点は母指球になるからです。

ただ、構造上の正解を知っていて応用を言っているのと、そういった事実を知らずに「母指球だ!」「土踏まずだ!」と言っている人とでは、上達の領域がまるで違います。多くの一般スキーヤーの方は、まずはこの『構造上の荷重点』を意識することをおススメします。

なぜなら、母指球に乗るから後傾ポジションになっていたり、土踏まずに乗るから下記の画像の様な、土踏まずが潰れたエラー状態(回内足・外反足

になっていたりと、足にエラーが出るケースが非常に多いからです。悩んだら、まずは『足裏荷重点はくるぶし下』ということを覚えておきましょう!

 

 

② スキー界にはびこる「足裏荷重点」と「前後ポジション」の誤解

荷重点の前提を整理したところで、次なるステップに入ります。 先ほどサラッと、「母指球に乗るから後傾ポジションになる」とお伝えしました。

一般的には、「何を言ってるの?逆でしょ!つま先に乗るから前傾でしょ!」と思う内容です。 しかし、あなたがもしSKIER's LABを通じて正しい足首の使い方を学んでいるとしたら、「あぁ!はいはい!あの事ですよね!」と納得する非常に重要な部分です。

未だに9割以上のスキーヤーの方は、以下のように誤解しています。

つま先、母指球 = ポジション前傾

くるぶし下、踵 = ポジション後傾

「踵に乗ったら後ろにひっくり返る、後傾になります……」といった感じですね。 しかし、この時点でそもそもの考え方が間違っているので、足の指や荷重点、足首の緊張感などを色々と考えても、あまり意味がありません。

 

トップ選手が語る「荷重点とポジションの真実」

以前、講座メンバーさんから「レジェンドも動画内で全く同じことを言っていました!」というご報告をいただきました。それが、渡辺一樹さんのYoutubeでインタビューを受けていた柏木義之選手の動画です。

渡辺一樹さんが柏木選手に「ターン中って結構前に乗ってますか?」という質問をしましたが、柏木選手の回答は、

「踵荷重をキープしながらの前傾」

でした。この時点で、先ほどお伝えした『つま先=前傾踵=後傾という領域で滑っていないことがお分かりいただけるかと思います。柏木選手は、**『踵 = ポジション前傾』という、全く違う領域で滑っているということです。

質問を受けた時、柏木選手は答える手前で「前には……」と言いかけて、一瞬止まっていますよね?これは、前には乗っていないと言うと前傾がないと勘違いされるし、前ですと言うと踵荷重ではないとこれまた誤解されるからだと思います。

このようにトップ選手たちは、一般スキーヤーの方が感じている感覚とは全くの別の領域にいます。この部分を解決しなければ、何を意識しても見当違いになってしまいます。

本当に正しい動作ができている人は、柏木選手みたいに「踵荷重で前傾」という領域が分かるからです。

 

宮本武蔵『五輪の書』と「領域」の話

この領域の話をする時の大先生が私には存在します。それが宮本武蔵先生です。 なぜ宮本武蔵先生は、五輪の書に

「つま先を浮かせて、踵を踏むべし」と書いたのか?

踵側に乗ると後傾ポジションになる領域の人と、ならない人の領域の人がいる。 この違いを深掘りすると非常に長くなりますが、とにかく「踵側荷重で前傾」という領域が存在することは覚えておいてください。

 

③ 一般スキーヤーの多くが意識できていない「ポジションの基準点」

いよいよ最後の3つ目のポイントに入っていきます。 このポイントは、今回の足裏荷重点に関して「盲点」とも言える非常に重要なポイント、 『ポジションの基準点』です!

と言われてもいまいちピンとこないかと思うので、ちゃんと解説していきますね。 あなたが足裏の荷重点を調整する時に、何を基準として調整するでしょうか?

多くの場合、無意識に「足元」を基準点として、自分が動いて調整しているかと思います。 例えば、荷重点を前側に移動させたければ、自分の身体を前に運ぶように動くはずです。

もちろんこの動作自体は間違いではないのですが、もう一つ選択肢がありますよね?

それは、『自分が基準点となって、足元を動かす方法』です。 シンプルな話ですが、自分の位置を固定して足元を後ろに引けば、相対的に荷重点は変わりますよね!

 

この様に、

①足元を基準点として自分を動かす

②自分を基準として足元を動かす

という2つのアプローチが存在するという事です。

 

基準点がズレるとすべてが崩れる

それでは本題です。『①足元を基準点として自分を動かす』の要素でポジションを調整した人が、板を前に出したり横に出したりと足元を動かしたらどうなるでしょうか?

当然ですが、基準点が変わったので、初めに意識した状態も変わります。 ようは、最初に体を前方に運んでも、下の板を動かしたので結局後傾になってしまう……といったケースが起こりうるということです。しかし多くの場合、このことに気づいていないので、「足指を曲げて」「足裏の荷重点を」「足首の角度を」と一生懸命意識して調整しても、いざ滑り出すとその足元の基準点を自ら変えてしまい、全く別の状態になってしまいます。 

左右で言えば、『①内側に傾くのか』『②足が横に出るのかという違いも存在します。 後傾とはニュートラルゾーンでの前後ポジションだけでなく、後傾になる角付けや荷重が存在するのも、こうした経緯からです。

少し話がそれますが、この考え方はスキーヤーの持つ悩みとして多い「足首が緩む」という問題にも関係してきます。 足首が緩む悩みを持っている方は、おそらくスタート時にはきっちり足首を入れているはずです。でも滑っている間に勝手に緩んでしまいますよね?

その理由は、今お伝えした様に、滑り出した後に重要な足元(板)の置き所、つまりポジションの基準点を変えてしまっている意識が無いからです。

簡単に言ってしまえば、 「足裏荷重点ズレたり、足首が緩んでしまうような所に、板を動かしていませんか?」 ということです。

今回の内容がイメージしずらければぜひ下記の動画をご覧下さい!

 

まとめ:足裏荷重点を考える上での3つの核心

①構造上の荷重点は、くるぶし(スネの骨)の下

②踵寄りの荷重でも、前傾ポジションという領域

③ポジションの基準点を支配し、板をエラーポジションに置かない

いくら足元を意識してもポジションが後傾になって悩んでいる場合は、そもそもの板(足元)の置き所がおかしいということに目を向けてみてください!

今回お伝えした3点は、あくまでも足裏荷重点を考える上でのポイントの一部でしかありませんが、ここを知るだけでも「いくら意識しても意味がない」といった領域違いに気づきやすくなるはずです。

正しい領域にいないまま、いくらトップ選手の言っていることや指導内容を意識してもできません。できないどころか、無理に形を作ろうとして「代償動作」を染み込ませてしまうことになりますので、気をつけてくださいね!

 

 

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