スキーで正しいポジションがとれない原因は・・・216
前回、前々回と、正しいスキーをしている際に
ただしいポジションになっているかどうかの
判断基準をいくつかご紹介しました。
シーズン初めだけでなく
シーズンをとおしてあなたのポジションを
確認する習慣を付けてもらえればと思います。
今回はもっと根本的な部分です。
正しいポジションか判断するも何も
根本的に正しいポジションが
どこだかわからない、
またどうして正しいポジションが
取れないのか分からない、
といった方も多いかと思います。
そもそもなぜ正しいポジションで
滑れるスキーヤーが少ないのでしょうか?
それは
『ポジションに対する認識が間違っている』
という部分が非常に大きいです。
あなたはスキーのポジションについて
きちんと理解できているでしょうか?
これから正しいポジションがとれない原因を
紹介していきます。
【1.スキーの正しいポジションは一つだと思っていないか?】
あなたはスキーのポジションンを確認する時
どのシーンでのポジションを確認しますか?
実際イメージしてもらうと
雪面に対して真っ直ぐ立った
ニュートラルポジションを
あなたは思い描いたのではないでしょうか?
それが決して悪いことではありませんが、
雪面に真っ直ぐ立ったニュートラルポジションは
スキーにおいて、ほんのワンシーンにしかすぎません。
しかしポジションを確認するとなると
どうしてもニューラルポジションの確認
というイメージが強くある方が多いようです。
ターン前半のポジショニング、
ターンマックスのポジショニング、
ターン後半から切り返しにかけてのポジショニング
といったように細分化すればするほど
様々なシーンでのポジションが見えてきます。
まずは
スキーのポジション=ニュートラルポジション
という固定概念を外しましょう。
【2.スキーのポジションを点で捉えていないか?】
- でお話したように
スキーのポジションは様々なシーンがあります。
あるワンシーンだけをみて
ポジションを判断するのではなく、
全体の流れを通してポジションを
判断しなければなりません。
つまりポジションは
『点ではなくて線としてとらえること』
が重要です。
しかし指導やアドバイスを受ける時には
だいたい、前傾、後傾、内倒、といった
点としての判断が多いため
あまり流れの中で判断するのが
難しいといった状況が生まれやすいです。
また刻一刻と変わっていくポジションを
判断するのは難しい
と思うかもしれません。
確かにターン前半のポジションを
確認しようとしたらすでにターン後半に入っていた
なんてことは珍しくありません。
そうならないためには
まずはシーンごとにチェックすることを
お勧めします。
それだと結局『点』として
捉えることになるじゃないか?
と思うかもしれませんが
ニュートラル、ターン前半、
ターン前半からターンマックス
ターンマックスからターン後半
ターン後半から切り返し・・・・
といった具合にたくさんの点を打っていき
その点がつながって線となるイメージです。
なれてくれば線として
ポジションをとらえられるようになってきます。
【3.昨日の正解は今日の不正解】
ポジションを点で捉えるのと
同じくらい起こりやすいのが
正しいポジションはこれだと
決めつけてしまうことです。
ポジションを線で例えましたが、
その線にも太さや色がなど様々あるという事です。
昨日は成果意と思えたポジションでも、
今日滑る雪質や斜度によっては
不正解になるという事を理解しておきましょう。
因みにもっといえば
昨日今日というレベルではなく、
その日のうちの雪質や、
コースの上部と下部、
板の長さや種類、
といった具合にその日の中でも
変わっていくものです。
この部分がきちんと理解できていないと、
雪質が変わると滑りが変わってしまったり、
検定で上の方は良かったんだけど
下の方がなぁ・・・
といった状況になるわけです。
良い感覚で滑れた時に
『これが正しいポジションか!』
とおもうのではなく
『この状況においてはこれが最適だったか!』
と思うようにしましょう。
【4.それでも正しいポジションに乗れない最大の原因は・・・】
これまで紹介してきた3つは
ポジションに対する考え方の部分です。
でも実際この考え方をきちんと理解していても
正しいポジションに
乗れないスキーヤーも少なくありません。
それがこの最後の原因です。
それは
『根本的に正しいポジションに
乗れる身体の状態ではない・・・』
という事です。
あなたがもし、そもそも普通に陸上で
立っている状態のポジションが悪い場合、
雪上ではいいポジションがとれると
思うでしょうか?
またスキーでは各シーンで
最適なポジションをとる必要があると
お伝えしましたが、
各シーンではただ立っているだけでなく、
そのシーンに応じた様々なフォームが求められます。
そのフォームを作るための
関節の可動域や、動きをコントロールする
神経系はきちんと準備できているでしょうか?
さらに刻々と変わる自分のポジションや
雪面状況、斜度などを感知する
身体のセンサーは敏感に働いているでしょうか?
あげればきりがないですが、
このような準備が整っていない状況で
いくら雪上で滑っても
いいポジションに乗れないのは
当然といえます。
ポジションで悩んでいる方は
いいポジションで乗れない
原因は自分のどこにあるのかを
まずは良く考えてみて下さい。