ヒルシャーの幼少期に学ぶジュニアスキーヤーの育て方~その③~ 10
このシリーズの記事も3回目になってしまいました。
もう少しさらっと書くつもりだったのですが・・・
ただそれだけ重要な事を書いているつもりです。
そしてこの長い記事を読んだ後に、
少しでもジュニアスキーヤーを育てるにあたっての考え方に
いい影響が出てくれればと思います。
さて今回は
もう一つ大事なポイントの
常に自分を理解して基本的な方向性を教えてくれる存在
というところ。
自分を理解してくれるというのはスキー技術の部分だけではなく、
その選手のメンタル的な部分、感覚的な部分、身体的な部分
あらゆる面を総合して理解し、この選手に対してはこうだよ!
と一人一人に合った方向性を提示してあげることだと思います。
例えば多くの選手が様々なキャンプに参加し、
いろいろなコーチから指導を受けて、
『あのコーチはいいといっていたけど、あのコーチはダメといってた!』
と悩む経験をしたことがあるのではないでしょうか?
また選手の保護者の方も同じ経験をされていませんか?
私の場合はマンツーマン専門の為、
自分のチームを持っているわけはないので
シーズン中毎回常に会えるという状況はありません。
プライベートレッスンに多く来ている選手でも、
月の滑走日数の半分か3分の1くらいでしょうか?
ですからサポートしている選手のほとんどは
色々なチームの合宿に参加して練習してきます。
そんな環境でも、何か技術的な事で躓いたり、分からないことや、
逆に良くなったり、この方向性で間違ってないかの確認など
様々な事を、動画を付けて送ってきたり、電話で連絡してきます。
勿論その場でできる限りの解決方法は伝えますし、
そのことを次回のレッスンで確認したりしています。
こういったサポートによって選手たちには少しでも迷うことなく
練習に取り組めるようにと思っています。
因みにこれは普段からの信頼関係や理解が非常に重要であり
すぐに築ける関係ではありません。
ただ少しでもヒルシャーが言っていたお父さんの様に、
迷わず成長していける為に、自分を理解してくれる存在になれればと思っています。
また常にジュニア選手と一緒にいる存在は保護者の方々です。
ですから私はできるだけ保護者の方にも分かりやすく、
技術論や今のお子様の現状方向性をお伝えしています。
保護者の方の中には、自分に言われても分からないと思う方も少なからずいるかもしれませんが
それでも一応お伝えします。
ただ注意していただきたいのはあくまでも理解者としての一人であり、
何か技術的に指導を入れ注意、否定をし、
プレッシャーを与えないようにして下さい。
このように
『常に自分を理解して基本的な方向性を教えてくれる存在』
もしくは環境を用意してあげることは
ジュニア選手が迷わず楽しんで成長できる為には非常に重要です。
具体的にこれをすれば絶対成功というわけではありませんが
こういった考え方をベースにジュニアアルペンスキーヤーを
育てていってくれれば、
上達する可能性は格段に高まるのではないでしょうか?