スキー動作に関係ないトレーニングはいらないのか? 11
オフトレのメニューを考える際、
雪上動作に近いトレーニングをやったほうが
スキーのパフォーマンスが上がるようなイメージはありませんか?
むしろ逆に、あまりスキーに関係ないような動きに関しては
できなくても関係ないと思われがちです。
果たして本当にそうでしょうか?
まずよく見かけるのがスキーに近い動作に対して
負荷をかけながらトレーニングする方。
例えばケーブルなどのマシーンを使い
ターンの姿勢を意識しながら引っ張るといったようなもの。
勿論このようなトレーニングを目的によっては行いますが、
上手くやらないと脳が間違った筋肉の使い方を覚えてしまう場合が多いです。
なぜかというと実際のスキー動作の際、
筋肉を使う瞬間は一瞬だからです。
何十秒もグゥーっと筋肉を使い続けることはまずないです。
それをマシーンなどですっと筋肉を使う感覚を覚えてしまうと
力を使わなくていい場面でもずっと力んで筋肉を使ってしまいます。
良く選手たちに
『その動作そんなに力必要?』
と聞くと、
ホントだ!全然楽にできる!
という言葉が返ってきます。
筋肉の学習能力をしっかり意識してトレーニングしないと
せっかくやったのにパフォーマンスの弊害になる場合もあるのです。
逆に一見スキーに関係なさそうな動作はどうでしょう?
実は身体を思い通りに動かすという面においては
非常に有効となる場合もあります。
特にジュニアスキーヤーはたくさんの動きを覚えておいたほうがいいです。
それがスキーに関係なさそうでもです。
例えばボールを使ったトレーニングで、
前から上に投げて後ろでキャッチするといったものや、
背中側から股の間をワンバウンドさせて
前側でキャッチするといったもの。
一見スキーには関係なさそうに見えますが、
身体の調整能力、空間把握能力、など様々な能力が必要となります。
一番重要なのは
様々なトレーニングをスキーパフォーマンスにつなげられる感覚です。
これができるとちょっと散歩して歩いている時ですら
スキー上達のヒントとなる身体の使い方に気づきます。
独自の理論で様々なトレーニングを自分で考えて行っているのが
ハンマー投げの室伏広治選手です。
扇子をもってまわったり、うちわを投げたり、腰に重りをつけて揺らしたりなど
何かと不思議なメニューが多いです。
しかし、これはパフォーマンスのこの部分につながるかもしれない
という意図をもってやっているので、本人は真剣にやっています。
このように実際の動きに近いエクササイズも重要ですが、
全く関係ないような動きから上達につながる事は非常に多いです。
固定観念でトレーーニングの内容を限定しないように気を付けて下さい。