スキーバッジテスト テクニカルプライズとクラウンプライズの違いについて  124

またまた長めの記事になります!

以前にスキー検定1級とテクニカルプライズの違いについて

記事を書きました。

 

その際テクニカルとクラウンの違いも教えてほしい

との声をいただきました。

 

正直1級とテクニカルの違い以上に

わかりづらいのがテクニカルとクラウン。

 

ある意味テクニカルをとっている

ということはかなりのスキー技術を持っているということですので、

さらにその上をと考えた時に悩むのは当然だと思います。

 

まずはクラウン合格のためのフィジカル要素を

参考にしてみて下さい。

検定員の方も

『クラウンより上がない以上求められることも相当厳しくなっている』

と仰っていました。

 

 

 

言葉ではすこし伝わりづらい部分もあるかもしれませんが、

前回同様

 

 

 1、ターンの構成(ポジショニングとエッジング)

 

 2、斜面状況への適応度(スピードとターン弧の調整) 

 

3、運動の質的内容(バランス、リズム、タイミング)

 

 

 

の観点から書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

  • ターンの構成(ポジショニングとエッジング)

 

 

 

ポジションに関して言えば

テクニカルの時同様その雪質や斜度に合った

ポジションに的確にいるということです。

 

 

ただこれはもう嫌というほど試験で言われてきていると思います。

もう少し具合的に言えば

 

 

 

 

3Dの感覚で自分のポジションを捉えられているか?

 

 

ということ。

 

 

前後のポジション、左右のポジションという観点から、

さらにもう一歩踏み込んで

ターン前半の斜め前方へのポジション、

身体のねじれに対するポジション、

ターンマックスと切り返しの部分での上下のポジションなど

単純な前後左右から様々な方向へのポジショニングが求められます。

 

 

それを斜度や雪質に合わせるわけですから、

難易度はかなり上がると言うことです。

 

 

 

つぎにエッジングですが、

技術レベルが上がるほど力強いエッジングをしているように思えますが

大事な部分はエッジングの時間と方向です。

 

 

テクニカルとクラウンの方ではクラウンの方の方が

圧倒的にエッジングが短いです。

 

 

 

これはアルペンスキーにもいえることなのですが、

技術レベルが高いスキーヤー程余計なエッジングはしません。

この事で高速域での滑りを表現できることにつながります。

 

 

小回りは特にこの傾向が強く出ますので注意してみて下さい。

 

 

 

でもエッジングを短くすると

スピードコントロールができずに暴走してしまったり、

急なエッジングで逆にブレーキになってしまうのでは?

 

 

と思う方もいるかもしれません。

 

 

 

この疑問を解決するのが

エッジングの方向です。

 

 

 

テクニカルの方の場合、

横方向へエッジングする意識がクラウンの方に比べて強いです。

クラウンレベルの方はきちんとエッジングの方向を

板の動きに合わせて弧を描きながら前方へ意識します。

 

 

 

 

板を前に送る

 

しっかりと弧を描いく

 

 

 

といったニュアンスの指導がしばしば聞かれますが

この感覚のことを指している場合が多いです。

 

 

 

 

 

ポジションもエッジングのも3Dの意識を忘れないでください。

 

 

 

 

 

  • 斜面状況への適応度(スピードとターン弧の調整)

 

 

スピードに関して言えば。

1級とテクニカルの時以上に求められるのではないかと思います。

 

 

明かにテクニカルとクラウンの方とでは

スピード次元が違ってきます。

 

 

その違いが如実に分かるのが

スタートしてから2ターン目くらいまでのつなぎ方。

 

 

テクニカルの方はスルーッとスタートしていって

そのまま何となくターンに入っていく方が多いです。

 

 

 

それに比べてクラウンレベルの方はしっかり濃いで

スピードをつけて高いポジションからターンマックスめがけて

一気に低くなりながら1ターン目に入っていきます。

 

 

 

技術選の選手たちのスタートを見てみるとよく分かります。

 

 

意外と検定を受ける方は気にしていないのですが、

スタートから1ターン目2ターン目の印象はとても重要です。

 

 

またそこでスピードを出しておかなければ

加速することなく滑り終えてしまう場合もあります。

 

 

不整地小回りでも

上手いんだけど何か物足りない・・・・

と言われる方はこのスピード感です。

 

 

1個目のコブをとばして2つ目から入る練習をするなど

高速域でも滑れる練習をした方が

無難に滑るよりも高評価を貰えます。

 

 

 

 

  • 運動の質的内容(バランス、リズム、タイミング)

 

 

 

この部分が一番理解するのが難しく

一番重要なポイントになってくると思います。

 

 

特にクラウンで加点を出したい!

その先の技術選を目指したい!

 

 

というのであれば

この部分は非常に重要になりますのでよく考えておく必要があります。

 

 

運動の質的内容でもっとも重要なのが

 

 

『板をたわませて走らせることができるか?』

 

 

という部分。

 

 

 

これは最近基礎スキーヤーの方を一番悩ませている

フレーズかもしれません。

 

 

これができればある意味、

スピードにもつながりますし、

板がたわんで走ることで勝手に身体から離れていき

深い内傾角のシルエットが生まれます。

 

 

ある意味板をたわませて走らせることができなければ

技術選レベルのシルエットや板の走りは生まれないと言ってもいいでしょう。

 

 

 

板をたわますために最も重要なのがタイミングです。

ターンマックス、いわゆる板に最も力が加わるタイミングが

テクニカルとクラウンレベルの方で大きく違う部分です。

 

 

 

テクニカルの方はタイミングも速く

力を加えている時間が長い傾向にあります。

 

 

 

トランポリンをイメージしてもらえれば分かりやすいですが、

ジワーッと力を加えるより

一瞬でポンッと力を加えた方が

上に高く跳べますよね!

 

 

 

 

その原理と一緒です。

またタイミングに関して言えば

時計でいう3時、9時のタイミングが

ターンマックスだと思いこんでいるテクニカル方が非常に多いので

この部分も気をつける必要があります。

 

 

 

 

テクニカルを取得できるレベルまできた方の多くは

腕の位置、目線、肩、腰のライン、脛の角度

といったシルエットを非常に意識して滑ってきた方が大半だと思います。

 

 

 

その上のレベルに行く為には、

スキー板がどうすればたわむのか?

どうすればスムーズに動くのかに

意識を向けて、その結果としてシルエットが生まれる

という考え方にシフトしていく必要があります。

 

 

 

ある意味根本からスキーを見つめなおすことにもなりかねませんので、

かなり悩まれる方も多いはずです。

 

 

 

そこを乗り越えてこそ最高ランクのクラウンですので

ぜひ今回の記事を参考にチャレンジしていってください。