スキーヤーが気をつけたい曲げ荷重の落とし穴 109
あなたは曲げ荷重という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
以前荷重の種類について書かせていただきました。
今回はこの曲げ荷重について
少し詳しく書いていきます。
曲げ荷重とは
足首、膝、股関節を曲げながら
足裏に対してしっかり自分の体重を乗せていく荷重を指します。
ターン前半からしっかり板に体重を乗せていきたいときなどは
この荷重感覚が重要です。
アルペンスキーでは勿論のこと基礎スキーでも
しっかり上下動を使ってもいいから
まずはこの曲げ荷重を行う指導が多くなってきました。
本来スキーの一番の目的である
板をたわませる為には
高い位置からしっかりとターンマックスにかけて
体重を乗せていく意識で行う必要があります。
その動作を行うと
自然と曲げ荷重になるはずです。
また曲げ荷重を行うことで
足を突っ張りすぎずに
足場が崩れたり雪質が少し変わったりしても
対応可能な足の遊びが生まれます。
イメージしてもらうと分かりやすいのですが、
足をピンと突っ張った状態でターンをしていると
もし足場となる雪の壁が崩れて『ズルッ』となった時に
そのまま外脚が流れていってしまいます。
しかし曲げ荷重の場合は、
少々足場が崩れても
まだ足を伸ばせる余裕があるので
しっかり外脚に乗っていけるということです。
こうみると曲げ荷重は
非常にいいように思えますが
実は大きな落とし穴が潜んでいます。
それは
曲げ荷重と吸収動作が混同してしまう
ということです。
よく見られるケースとして
曲げ荷重というネーミング上
脚を曲げればいいと思い
ターンマックスの時に
足を曲げていってしまいます。
すると一番板に対して
荷重をしたいポイントで
吸収をしてしまい、
板が全くたわまない
という事態に陥ります。
それだけならまだしも
板をたわますために
下方向に脚を曲げていく意識が強すぎて
お尻が落ちて後傾になってしまうスキーヤーも
多くみられます。
このような曲げ荷重の落とし穴にはまらないためには
どうすればいいでしょうか?
まずは陸上でしっかり曲げ荷重とはどのような感覚か
意識できるトレーニングをすることをお勧めします。
例えば横方向にジャンプして、
外片足で止まります。
その時足をピンと突っ張って着地するでしょうか?
ほぼ全員脚が少し曲がって着地すると思います。
ではその時に脚を曲げようと思いましたか?
勝手に片足で踏ん張って着地しようとしただけで、
自然と脚は曲がっていたと思います。
これが実は重要な部分で
曲げ荷重と言われていますが、
荷重は体重を乗せて踏ん張る要素も含まれていることから、
しっかり荷重した結果
脚が曲がってしまう!
という捉え方もできます。
これはHPにもある
ボディセンストレーニングの部分に含まれてきますが、
正しい感覚を理解しないまま滑っても
間違った方向にしか進まないので
気をつけてくださいね!