スキー上達につながる正しい『腰高のポジション』とは? 218

あなたは
 
『腰高のポジション』
 
という言葉を
聞いたことはありますか?
 
最近流行っている?ようで
この『腰高のポジション』というワードに
悩まされているスキーヤーの方が多いです。
 
それもそのはずで、
日本のスキー指導の基本は
低い姿勢で上に抜けないで
というものです。
 
腰高のポジションが推奨されていても
指導の現場ではこれが一般的ですから
腰高を意識すると上体が上に抜けて
低い姿勢をとると腰高のポジションが作れない
という悩みに直面します。
 
そもそも根本的に
 
・腰高のポジションとはどこをさすのか?
・なぜ腰高のポジションにしなければいけないのか?
 
といった部分を正しく理解している
スキーヤー、指導者は少ないと思います。
 
今回はスキーヤーを悩ませる
『腰高のポジション』について
考えています。
 
 
 
 
①そもそも腰高のポジションとはどこか?
 
 
まずは根本的な部分からです。
あなたは
 
「腰高のポジションをとって下さい」
 
と言われたらどのような
フォームをとるでしょうか?
 
 
腰高のポジションとは
どこからが高くてどこからが低いのか?
といったことが明確に示されていません。
 
雪面から何㎝上からが腰高です!
とは人それぞれ身長が違うので
言えないですよね?
 
そこでまずは腰高のポジションが
どこを指すのかを
明確にしていきたいと思います。
 
 
地面に足をついた状態から
最も腰高のポジションにしようとすると
つま先立ちで膝と股関節を
最大に伸ばした状態になります。
※図①
 
腰高のポジション
 
しかしこれは裸足や普通の靴を履いた状態で
可能なものであって、スキーをしている時は
こうはいきません。
 
当たり前ですが
スキーブーツを履くとまず足首の角度が
ある程度固定されるという事があげられます。
 
 
またスキーは刻々と変わる
雪面の状況変化に対応しなければならないため
関節を最大に伸ばしてロックしてしまうのは
機能的ではありません。
 
もし急に目の前に起伏があり
関節を伸ばし切った状態で
突っ込めば当然上に
跳ね上がってしまいます。
 
さらにスキーは板に対して力を加える
必要があるため足裏は雪面(ブーツ)に
きちんとついけておく必要があります。
 
 
・足首が角度がある程度固定される
・雪面状況に対応するために関節は伸ばし切らない
・力が伝わる場所に足裏がしっかりついている
 
 
という前提条件を満たすとしたら
固定された足首の角度に合わせて
必要最小限膝と股関節を曲げた状態
※図2
となります。
 
これがいわゆる私が考える
腰高のポジションです。
 
 
 
では実際あなたは
どのようなポジションで
滑っていますか?
上体が上に抜けないように
股関節や膝を曲げた低い姿勢
※図3
で滑っていませんか?
でもそれは仕方がないことだと思います。
 
 
アルペンスキーのワールドカップ選手の
分解写真を見ると、この図3のような
ポジションで滑っているシーンがあります。
 
基礎スキーは技術選の選手たちが
みな一様にこのポジションで滑ります。
 
なにより日本の指導が図3のポジションに
なるような指導をするからです。
 
 
でもよく考えてみると、トップの選手たちが
図3のようなポジションで滑っているのに
なぜあなたは『腰高のポジション』を
目指すのでしょうか?
 
アルペンスキーヤーでも
基礎スキーヤーでも
目指すべき理想の滑りが
図3のようなポジションなら
『腰高のポジション』をとる意味は
なんでしょうか?
 
 
これらの質問に自分の中で
明確な答えがないようであれば
あまり腰高のポジションを
とる意味はありません!!
なぜなら、
 
 
『なぜ腰高のポジションをとるのか?』
 
 
という基本的な部分が抜けているからです。
 
 
次回はこの根本的なテーマ
について考えていきます。