スキー板をフラットにする事の難しさ 104

スキー板を雪面に対してフラットにすることは

アルペンスキー、基礎スキーに問わず

非常に重要な事です。

 

 

 

何故ならこのスキー板が雪面に対してフラットになっている瞬間が

スキー板が最も滑るからです。

 

 

 

そもそもスキー板を雪面に対して

フラットにするとはどういう事なのか分かりますか?

 

 

 

 

いろいろ難しい表現はありますが、

簡単に言ってしまえば

 

 

 

 

エッジがかからず雪を板で撫でられる状態です。

 

 

 

 

実際板を脱いで手に持って

流れ止めを上げて

雪面を板で撫でてみて下さい。

 

 

 

うまくフラットが作れていると

雪面をスキー板がクルクル回ります。

逆に少しでも傾きを出して

エッジを立てた途端に

板が雪面に引っかかり

全く動かなくなります。

 

 

 

 

雪面は決して平らな面ではありません。

それを滑っている時に感じて

板をフラットにすることは

実は非常に難しいのです。

 

 

 

 

ではフラットは滑っている時の

どのタイミングで作ればいいのでしょうか?

 

 

 

 

大体の方はイメージ出来ると思いますが

ターンとターンの間、

つまり切り替え部分であるのが一般的です。

斜滑降(斜め方向に滑ること)の時ですね。

 

 

 

よくターンとターンの間を長くとり

フラットを作ってから

次のターンに行く練習もあります。

 

 

 

 

ただ実際多くのスキーヤーの方は

この斜滑降の時にフラットを作れていません。

 

 

 

 

その理由は自分のフラットの意識と

実際の板のフラットにずれがあるからです。

 

 

 

 

この絵を見て下さい。

DSC_0094

 

これは実際斜滑降している時の

斜面と板の傾きです。

 

 

斜滑降ができているという事は

基本的にはエッジがかかっているという事になります。

 

 

 

斜面に対してではなく

重力に対して真っ直ぐ立つ意識が

人間は強いので、自ずとこの状態になります。

 

 

 

この状態をフラットだと認識している

スキーヤーが非常に多いです。

 

 

 

 

重力に対してはフラットであっても、

斜面に対してはフラットではないのです。

 

 

 

 

 

では本当に板がフラットになるときは

どのような状態でしょうか。

 

DSC_0098

 

 

絵を見てもらうと分かるように、

雪面に対してフラットにすると

自ずと斜面の下側に傾きます。

 

 

 

このことを、内傾角を作ると表現することもありますし、

フォールラインへ重心を落としていくなんて言い方もします。

 

 

 

つまりその場で立ちながら板をフラットにするイメージではなく、

次のターンに向かうきっかけでフラットができるイメージです。

 

 

 

 

じゃあこのイメージでフラットを作ろう!

 

 

 

と意識してすぐできるスキーヤーは殆どいないでしょう。

何故ならこの斜面に対して平行に立つためには

その一つ前の段階で

 

 

 

しっかり板をたわませて解放させる必要があるからです!

 

 

 

 

 

自転車を乗っていてスピードがないのに

斜面に対して傾いたら転んでしまうのと一緒です。

 

 

 

 

きちんと順序を追っていかなければ

遠回りになるだけです。