スキー検定(バッジテスト)1級合格への道③ 【実践編】245
これまでに、
スキー検定1級の全体像を把握するための
①導入編
スキー検定1級はどんなところを評価するのか
把握するための
②評価編
をお伝えしてきました。
今回は受験種目ごとの注意点や練習法を
紹介する③実践編です!
スキー検定1級は
1. 大回り
2. 小回り
3. 不整地小回り
4. 横滑り
と4種目ありますが、
それぞれどんなことを意識して滑ると
合格するのか?
またどんなことをするとダメなのか?
といった実践的な部分を
種目ごとにしっかり確認していきましょう!
因みに評価編でもお伝えしましたが
スキー検定1級で求められる代表的な要素は
・速い滑走スピード(カービングターン)
・円いターン孤(トップ&テール)
です。
(カービングターンとトップ&テールについては
②評価編をご覧ください)
1級大回り
1級の大回りのポイントは
何といっても
カービングターンを用いた
滑走スピードのあるターン!!
2級までは横ずれ主体で
ターンをコントロールしてきましたが
ある程度1級は角付けをして、
板のサイドカーブを利用した
カービングターンが主体となります。
特に重要となるのがターン後半の感覚です。
このようにターン後半にずれが少ない
カービングターンを描くことで
スムーズに次のターン前半に繋がっていきます。
ターン後半に板がズレてしまうと、
スピードが落ち、円いターン孤も描けません。
ターン後半に
板をしっかりグリップさせる(噛ませる)
ポイントは、
・股関節主体の角付け(くの字姿勢)
・足裏の荷重ポイントを踵側(くるぶし下)
にすることです。
股関節の主体のくの字姿勢については
②導入編で説明しているので
そちらをご覧ください。
足裏の荷重ポイントを
踵側(くるぶし下)にするは
非常に重要です。
なぜなら人間の体重が一番乗るのが
その部分だからです。
よく母指球に一番力がかかると
勘違いしやすいのですが、
それは陸上で足首のバネを利用するための
使い方と混同していることが一番の理由です。
スキーでは足首のバネの代わりを
板が行ってくれるので、
スキーヤーがやるべきことは
地面(板)にしっかり体重や力を伝えることです。
イメージしづらければ
目の前に空き缶を置いて
潰してみてください。
あなたは足裏のどの部分で潰しましたか?
きっと踵側ではないでしょうか?
そこが一番パワーが伝わる証拠です。
この部分はよく勘違いされたまま
指導にも反映されているケースがあるので
陸上の感覚と混同しないように
注意してくださいね。
1級小回り
1級小回りのポイントは、
テールを横に振る操作ではなく
トップ&テールを用いた
円いターン孤の滑りです。
トップ&テールとテールコントロールの違いは
評価編でもお伝えしましたが
もう一度画像で確認して下さい。
トップ&テールを上手に行うポイントは
前後の荷重移動!
特に2級まではつま先側に
荷重ポイントをおいて
滑っているケースが多いですが、
きれいな円いターン孤を描くためには
前後(つま先から踵)への
滑らかな荷重移動が重要です。
ただ気をつけなければならないのは
踵へ荷重を移動する際
お尻が落ちるとそのまま後傾になり
暴走してしまうので注意が必要です。
また横滑りの部分でお伝えしますが
おへその向きをなるべく
フォールライン方向へ向けておくと
スムーズなターンが描きやすいので
意識してみてください
1級不整地小回り
1級の難関種目の一つが
この不整地小回りです。
要はコブ斜面の滑走ですね。
コブは滑れない・・・
という人はこの不整地小回りがネックとなって
1級合格ができないケースが多いです。
1級不整地小回りのポイントは
・パラレルスタンスのキープ
・上体がフォールライン方向に向いている
この2つです。
まず一つ目のパラレルスタンスのキープですが、
コブ斜面を滑ると
スタンスが開いてしまう
スキーヤーの方が多いです。
その原因はコブが作り出す溝に
外脚だけが流されていくからです。
また早く次のコブに行かなければと、
内倒ポジションにいるケースも多いです。
不整地ではなるべく狭いスタンス(密脚)を
心がけて滑る事がまずは重要になります。
そして何より重要なのが
2つ目の上体をフォールライン方向に
向けておくことです!
逆ひねりといういい方もします。
コブ斜面が上手に滑れないスキーヤーの多くは
コブ斜面に恐怖心があり、
その恐怖心が身体全体を緊張させ、
上体を固定してしまいます。
すると板の向く方向(溝の出口)に
身体も向いてしまい板が発射・・・
となってしまいます。
コブを滑るテクニックは
ストックの着き方など
色々とありますが、
まずは1コブずつでもいいので
・力を極限まで抜く
・不格好でもいいのでフォールライン方向に常に腕を出しておく
この2つからトライしてみてください。
基本的に1級の不整地小回りは
そこまで滑走スピードを求められていないので、
しっかりとパレレルスタンスで
上体をフォールライン方向に向けて滑ることを
心がけましょう!
1級横滑り
1級の落とし穴・・・といえるのが
この横滑りです。
一見滑走スピードも出ないし
ただ左右切り替わってズルズルと
横滑りをしてくればいいという
不整地小回りに比べたら
簡単そうに見えるこの横滑りですが、
意外にもこの種目が、一番点数が出ない
と言われております。
速度がゆっくりの為ごまかしがきかない、
加点を出しづらいなど
理由は様々ですが、
一番の理由は
根本的に関節が上手く使えない身体の状態では合格点が出ない
という事です。
勿論ほかの種目も同じですが、
この横滑りに関しては
静止姿勢をとるシーンが多くあります。
動いているときよりも静止している方が
関節が正しく使えていない事が
露呈しやすいので、
横滑りは評価が厳しくなります。
横滑りを上手に行うためのポイントは
・正しい外向姿勢
・板に前後差をつける
・外脚荷重を忘れない
の3つです。
正しい外向姿勢
まず1つ目の正し外向姿勢ですが、
冒頭でも述べ通り、この外向が作れなければ
横滑りは合格できません。
この外向姿勢は単純そうに見えて意外と難しく、
雪上でできないスキーヤーの多くは
陸上でも正しい外向ポジションが取れません。
最も多いNG例は、
おへそが進行方向ではなく
板の方向(真横)を向いてしまう事です。
おへそをしっかり
進行方向に向けて滑りましょう。
詳しくは動画をご覧ください。
板に前後差をつける
意外と知られていないのが板の前後差です。
内脚側(斜面の高い方の脚)を
少しだけ前に出すことで、
上体がフォールライン方向に
向きやすくなります。
外脚荷重を忘れない
形はきれいなのに、この3つ目のポイントを
忘れてしまっているために
合格点をもらえないケースがあります。
特に切り返した後に、
身体をフォールライン方向に落とせずに
内脚側(斜面の高い方の脚)に残ったまま
横滑りを行ってしまうケースが多いです。
また逆エッジ
(谷脚側のアウトエッジが引っ掛かる事)
を恐れて、外脚荷重が出来ていないケースも
見受けられます。
ポイント1で紹介した
正しい外向姿勢が取れてくると
外脚荷重を表現しやすいので、
まずはポイント1から
クリアしていきましょう!
まとめ
いかがだったでしょうか?
最初の①導入編でお伝えしましたが、
スキー検定1級とは
上級スキーヤーの証でもあります。
その分2級に比べて
難易度が格段に上がりますが、
その価値は十分ありますので
ぜひチャレンジしてみてください!
因みに1級を合格すると、
いよいよプライズテストという
エキスパートクラスになってきます。
ここから先はマニアックな領域ですね(笑)
因みに1級からテクニカル、クラウンの間にも
一つ大きな壁があり、
ここでもまた足踏みしているスキーヤーが多いですね。
今回は1級でしたが、
テク、クラ合格への道も知りたいという
声があれば、いずれ発信していきたいと思います。