フィジカルトレーニングをしてもスキーは上手くならない? 5
私は必ず選手やクライアントの方に
自宅でもできる簡単なエクササイズを
メニュー提供しています。
そのエクササイズ中にはよくトレーニング本に乗っているような
デッドリフトやスクワットのようなものもあります。
では本読んで乗っているエクササイズをこなすだけで
スキーはうまくなるでしょうか?
答えはほとんどの場合がNOです。
考えてみてください。毎日腹筋を100回行って雪上で滑ってみたら
スキーが上手くなっていた方はどのくらいいるでしょうか?
じゃあトレーニングなんてやる意味ない!!
という考え方にはならないでくださいね。
この問題の原因はエクササイズ自体が悪いのではなく、
その効果を実際の動きに変換するトレーニングを行っていないからです。
スキーに限らず多くのスポーツは流れの中で正しく身体を使わなければなりません。
その場でピタッと止まって、
各関節を丁寧に一個ずつ動かすなんてことはまずないからです。
今日行ったのは
股関節主導で正しく外脚に乗る動作を
動きの中で行うトレーニング。
一秒でも同じ角度で股関節が止まってほしくないのですが、
同じ形で止まったまま動いてくる選手が多かったです。
そういった選手は雪上でも同じ形でカチッと固まったまま
動きがなく滑ってくることが多いです。
どのタイミングでどの角度まで股関節を動かすのか?
股関節をうまく使えない代わりに
頭やわき腹などほかの部分が代償となって動いていないか?
これらをきちんとできている選手は動きがとても滑らかでした。
そしてもう一つ。
今度は股関節を縦方向に使うトレーニング。
股関節うまく使えないと、
足に引っ張られて骨盤が後傾してしまいます。
そもそもその動作を上手にこなせるだけの重心移動が
上手くできていない選手が殆どでした。
でも少しだけ成長がみられたのが、
『このトレーニングは雪上でどんなことに効果があるのですか?』
とう声が上がったこと。
このトレーニングは何の為に行っているんだろう?と
まず考える癖をつけることがトレーニングには非常に重要です。
そうすることで、雪上でそういえば陸上でやったあの動きが
滑りのこの時に必要だといってたなと、
陸上動作と雪上動作がリンクするからです。
シーズンが近づいてきているので
より実践につながるように変換トレーニングを
今後もたくさんやっていきたいと思います。
ただ注意しなければならないのが
変換トレーニングを行えるという事は
変換するために必要な基本動作を身につけていることが
絶対条件です。
基本のエクササイズをきちんとこなしてない選手は
変換できるものがないので意味がありません。
勿論雪上でも同じことです。
きちんと成長できる準備をしてくださいね!