子供の運動神経を良くする習い事にスキーがいい3つの理由 222

運動指導関係の仕事をしていると

よくお子様を持つ保護者の方から、

 

 

『運動神経をよくするためには何をやればいいんですか?』

『どんな習い事をするのがこどもにとっていいんですか?』

 

 

とよく質問をされます。

 

 

また私がスキー関係専門だと知ると、

 

 

『やっぱりスキーって子供にはやらせておいた方がいいんですか?』

 

 

なんてことも聞かれます。

 

 

まずはっきりお伝えしておきたいのが

 

 

 

 

子供の運動神経をよくするために

スキーは非常に良いスポーツです!

 

その点については動画でも説明しております。

 

 

 

特に

 

 

運動が得意ではない!

身体を動かすのが苦手!

 

 

という子供ほどお勧めです。

 

 

それにはきちんと理由があります。

 

冬になると行事にスキー教室を取り入れている学校も

珍しくないはずです。

 

それにもきちんとした理由があります。

(その理由をきちんと理解して子供たちが参加しているかどうかは別として)

 

 

今回は子供の運動神経を良くする習い事として

なぜスキーがいいのか?という

理由を3つ紹介します。

 

 

因みに運動神経という神経は本当はなく・・・

といった専門的な意見もありますが、

今回は一般的に認知されている

運動ができる=運動神経がいい

という定義で説明させていただきます。

 

 

理由①  重心を感じることができるスポーツ

 

大抵のスポーツは地球の重力をうけて

自分の身体を支えている状況で行います。

 

 

走ったり、跳んだりするのは言い方を変えれば

重心を移動させることですし、

その場でピタッとバランスをとるのは

重心が移動しないように気を付けることです。

 

 

 つまり運動(スポーツ)が上手な子供とは

 

 

 

自分の重心をコントロールするのが上手な子!!

 

 

 

ともいえるのです。

 

 

重心が上手くコントロールできない子供たちの危険性

 

近年環境の変化から子供たちの運動量が減り、

それに伴って身体に様々な不具合が生じているケースが

非常に多いです。

 

 

しかも恐ろしいことに、本人やその保護者の方も

そのことに気付いていないまま成長しているという事。

 

 

実際足元から、見ていくと

 

偏平足や外反足、上げ指

X脚、O脚、股関節が使えない、猫背、反り腰、

椎間板ヘルニア、肩こり、ストレートネック・・・

 

 

昔なら大人に発症するような症状が

子供たちにも頻繁に見られるようになりました。

 

 

これらの身体の不具合に共通して言えることは

 

 

 

 

『重力に対してきちんと身体を支えられていない』

 

 

 

という事です。

 

 

なんの問題もない人がわざと上記にあげたような、

偏平足や、X脚、猫背などの真似をしてもらうと

非常に違和感を覚えます。

 

 

こんな状態で運動はできませんし、

それどころか日常生活すら大変です。

 

 

しかしそれが普通になってしまっている子供たちは

身体に痛みなどが出るまで気づきません。

 

 

痛みが出た時点で気づければいいのですが、

もう手遅れの状態になってしまうことだってあります。

 

 

 

このような状態にならないためにも

幼いころから

 

 

 

『自分の重心がどこにあるかを感じ

 それをコントロールする機会』

 

 

 

を作ることが重要なのです。

 

 

正しく自分の重心を感じられる子は

間違っても上記にあげた状態にはなりません。

 

 

なぜならその状態では

正しく重心をコントロールできないからです。

 

 

まぁそのような状態に気付かず色々なスポーツを行い、

成長期を迎えたころには身体はボロボロ

というケースが珍しくないのも事実ですが・・・。

 

 

 

スキーは重心を感じてコントロールするスポーツ

 

さて重心を感じてコントロールすることが

運動(スポーツにおいて)非常に重要だという事を書きましたが、

それにはスキーがなぜいいのか?

という部分が重要です。

 

 

一般的なスポーツは特に日常と変わらない

普通の地面か床で行います。

 

 

しかしスキーは雪上という特殊な環境で行います。

 

 

どう特殊かというと

正しい重心位置を保つことが難しい環境

という事です。

 

 

これは説明しなくてもメージできると思いますが、

普通の地面に比べて当然摩擦が少ないため

滑りやすく不安定です。

 

 

まずはしっかり自分の重心を感じて

それを左右の板にずらして

板に力を加えてターンをします。

 

 

ただでさえ不安定で重心を良い位置に

保っていなければならないのに、

それをさらに右足、左足、移動させるわけですから

自然と正しく自分の重心を感じて

コントロールすることが鍛えられます。

 

 

それができなければ滑れませんからね。

 

 

因みに同じような条件ならスケートなどの

氷上で行うスポーツでも同じなのでは?

 

と思われるかもしれません。

 

 

もちろんスケートの様な氷上で行うスポーツでもいいでしょう!

 

 

しかしそれ以上に子供の運動神経を良くするメリットが多いのが

スキーというスポーツです。

その理由は次に説明していきます。

 

 

理由② スキーは自然の力を利用するスポーツ

 

走るのが苦手、跳ぶのが苦手、

ボールを投げる、蹴るのが苦手、

泳ぐのが苦手・・・・

 

 

といった具合に運動が苦手な子供には

共通点があります。

 

 

その一つは

 

 

 

『自ら力を発するのが苦手』

 

 

 

という部分です。

 

 

陸上競技、サッカー、野球などの球技、水泳など

子供たちが習い事として行うスポーツのほとんどは

 

 

『自分が力を発して運動する』

 

 

 

というものです。

 

 

何もしないでボーっと突っ立っているだけでは

はじまりません。

 

 

しかしスキーは違います。

リフトから降りて、

板を斜面の下に向けて立っているだけで

勝手に滑りだします。

 

 

なぜ自ら力を発しなくても出来るスポーツがいいのか?

 

 

スキーというスポーツは自分から力を発揮しなくても

運動が始まる珍しいスポーツです。

 

 

それがどうしたの?

 

 

と思われるかもしれませんが

非常に重要なポイントです。

 

 

子供のころのスポーツは自分で力を発するものは

当然成長が早く、体格のいい子供ほど有利です。

 

 

線が細い子や太っている子、

運動経験が少なく力を発揮するのが苦手な子は

それだけで不利です。

 

 

しかしスキーはそのような子でも

自然と運動するためのエネルギーが発生するため

取り組みやすいといえます。

 

(もちろんタイムを競うアルペンスキーなど

 より競技性が強くなると体格も関係しますが)

 

 

例えば、どんなに運動神経が悪い大人でも

50m走を幼稚園生と競争したら負けませんよね?

 

ボール投げをしたらどうでしょうか?

 

きっとほとんどの人が勝つと思います。

 

 

しかしスキーは別です。

 

 

3,4歳の子供にいい大人が負けることが

十分にありえます。

 

 

分かりやすい例です。

 

 

運動が苦手な子供ほど

なるべく体格差などのハンデが少ないスポーツを取り組み

そこで成功体験を積むことで

運動(スポーツ)をする自身も育んでくれることが理想的です。

 

 

 

理由③  自然の中という特殊な『環境』の方が運動神経は鍛えられる

 

スキーは何といっても

『自然の中で行うスポーツ!!』

 

 

このことはが子供たちにとっては非常に重要です。

 

 

いつもとは全く違う、一面真っ白の世界・・・

 

 

そんな光景をみて

何の反応も示さない子供はまずいないはずです。

 

 

多くの学校でスキー教室を行う理由もここにあります。

 

 

特に都会に住んでいる子供たちの多くは

自然に触れる機会がほとんどありません。

 

 

自然に触れることは子供にとって良いことは

何となくいいんだろうな・・・

 

 

という事は何となくイメージできると思いますが

具体的に運動神経を良くするうえでも

いいことがたくさんあります。

 

 

自然という非日常で運動を行うことの利点

 

自然の中でスポーツを行うということは

言い換えれば非日常の環境で活動するという事です。

 

 

日常と違った環境にいると人間の脳は活発に働きます。

 

もともとは危険を察知するための能力ですが、

子供にはそれは好奇心や興奮、といった形で表れます。

 

 

そんな状態の中で、

スポーツをおこなえば、当然

 

 

『楽しい!!』

 

 

という感情が芽生えます。

 

この『楽しい!!』という感情が

運動神経を向上させるのに

非常に重要なんです!

 

そもそも人間は脳が『快』と感じることに

集中するようにできています。

 

 

同じように様に運動をしていても

脳が楽しいと感じて集中して取り組んでいるのと

何となくやらなければいけないからやっているのとでは

動きの習得は大きく異なります。

 

 

気を付けなければならない最大の落とし穴

 

今回紹介した3つの理由は

スキーというスポーツの代表的なメリットです。

 

 

ここだけ聞くとスキーというスポーツを習わせることは

子供の運動神経向上に対して非常に良いものに感じたと思います。

 

 

しかしこれらは全てある条件の上に

成り立っています。

 

 

ここがしっかり満たされていなければ

スキーを習っても運動神経は向上しません。

 

 

その最も重要な条件とは

 

 

その子にあった正しい指導を受けられる環境

 

 

 

です。

 

スキーに限らずどのスポーツもそうなのですが、

そのスポーツを通して達成したい目的は何か?

その子にはどのような道筋で指導をしていくのが最適なのか?

 

 

といった部分が非常に重要です。

 

 

しかし近年の子供たちに向けての指導は

『技術を向上させること』が

目的となっています。

 

 

ですからスキーを始めてまだ間もない子供に

スキーの運動原理を説明したり、

このような滑り方をしなければダメ!

という指導が入ります。

 

 

えっ?スキーを上達させる以外に

何の指導があるの?

 

 

と思われるかもしれません。

 

 

勿論技術指導は大事なのですが、

それは子供自らが

 

 

『もっと上手くなりたい!

そのためにはどうすればいいの?』

 

 

と思った後の段階です。

 

 

その気持ちがまだ芽生えてないうちから

専門的な技術指導をしてしまいがちなので

注意が必要です。

 

 

またその子ひとりひとり

言葉に対する捉え方が違います。

 

 

それなのにマニュアル化された

専門用語を並べた指導ははたして

子供は理解するでしょうか?

 

 

自然を相手にするスポーツですので

安全を確保するための最低限の知識や技術の指導は必要です。

 

しかしそれを終えたらまずは

スキーというスポーツを楽しむ中で

自然と重心の感覚とコントロールを身につける。

 

 

これが子供の運動神経を良くするうえでの

土台となります。

 

 

 

その子の成長やレベルにあわせて対応していく

正しい指導が受けられる環境の中で

スキーを行う必要があることを

決して忘れないでください。

 

 

スキーは本当に子供の運動神経を育てるうえで

素晴らしいスポーツなのでスが、

きちんとした環境で習わないと、

かえって子供にとって逆効果になってしまうことも

珍しくありませんので。