スキーで外脚荷重するために必要な正しい『くの字姿勢』とは?223
アルペンスキーはもとより
スキーバッジテストや基礎スキーでも
『外脚荷重』が求められています。
外脚荷重をするためにとても重要なのが
『くの字姿勢』なのですが、
このくの字姿勢が正しくできていないせいで
外脚荷重ができないスキーヤーの方が多くいます。
一言でくの字姿勢といっても
実は身体の使い方したいで
全く違うものになってしまうので注意が必要です。
まずはイメージしやすいようにこの動画をご覧ください。
いかがでしょうか?
どの関節を使って、くの字姿勢を行うのか?
またどの関節を使わないで、くの字姿勢を行うのか?
によって滑りのパフォーマンスは大きく変わります。
では実際どの様なくの字姿勢が外脚荷重をするためにはいいのか、
説明していきます。
目次
正しいくの字姿勢とは?
『これが絶対正しい!』という、
くの字姿勢はありませんが、
基本的には
股関節を中心にくの字姿勢をとること
これが身体への負担も少なく板へのパワーが伝わりやすいです。
しかしこの股関節は普段からトレーニングで
使えるようにしておかなければ、
なかなか思う様に動かせません。
その結果違う関節を主役にして、くの字姿勢を作ってしまい
せっかく、くの字姿勢を作っているのに
外脚荷重ができないという状態になってしまいます。
まずは股関節だけを使って、
くの字姿勢の練習をすることをお勧めします
間違った『くの字姿勢』とは?
①頭から突っ込んだ『くの字姿勢』
思い切って、くの字姿勢を作ろうと意識すると
出やすいのがこの頭から突っ込んでしまうパターンです。
くの字姿勢を意識する際、
身体を外脚側に倒して、くの字姿勢をとろう!
というイメージはありませんか?
その際ボディイメージの中で自分の中心が頭にある人は
頭を傾けることで、外脚側にくの字姿勢になっているという
勘違いを起こしてしまいます。
また頭が動くことで視線も大きく動くため、
ちゃんとくの字姿勢が作れていると思ってしまう要因の一つです。
特に目線はスキーにおいて非常に重要な要素の為、
あまり頭を左右に傾けて使うことはお勧めしません。
②わき腹を使った『くの字姿勢』
わき腹は股関節に近いため、つい股関節を使っていると
勘違いしやすいです。
基本的に体幹周りは補助的に使いため
わき腹をグネッと曲げたような使い方をすると
上半身の安定性が失われてしまいます。
また腰に痛みなどを抱えているスキーヤーの方は
反りながらわき腹を使う為、注意する必要があります。
普段から腹筋運動や背筋運動などを毎日行い、
おなか周りを中心に動かす運動を染み込ませている人は
このケースになりやすいので注意が必要です。
③膝を使った『くの字姿勢』
これも非常に多い間違ったくの字姿勢のパターンです。
基本的にカービングスキーはエッジを立てれば
簡単に曲がっていきます。
ですから膝でくの字を作っても
ターンができるのが事実です。
しかし板の面に対して垂直に体重を乗せることができないため
板のたわみがなかなか引き出せません。
そして最も怖いのが、板が急激に噛んだ時に
膝をねじ切るようにして靭帯を切ってしまうのが
このタイプのスキーヤーです。
このケガはスキーというスポーツで非常に多いので
膝を内側に入れるくの字はお勧めしません。
④足元からくる『くの字姿勢』
これは他の関節とはすこし違った立ち位置なのですが、
偏平足や外反足など足元の不具合が原因となり、
根本的に発生しているくの字です。
偏平足も外反足も、基本的に写真のように
足首が内側にはいった状態になります。
つまり自分ではフラットだと思っている状態でも
実はすでにインエッジにのっていて
一見分かりづらいのですが、すでにくの字がはじまっている状態です。
この足元の不具合が原因で、
膝を使ったくの字に発展し、
そのまま膝をケガしてしまうスキーヤーもよくいます。
足元の問題ならブーツやインソールをチューンナップすれば
解決するのでは?
と思っていませんか?
確かに真っ直ぐ立った時は綺麗なアライメントになっているかもしれません。
しかし根本的に外反足や偏平足になるような
間違った身体の使い方をしていることには変わりません。
さらにいえば、そのブーツやインソールがなければ
正しい位置に立てない身体にどんどんなっていっている
という事です。
もちろんブーツチューンやインソールは大事ですが、
根本的に自分の身体を改善しつつ、
そのサポートとして利用することをお勧めします。
正しい『くの字姿勢』への道
まちがったくの字姿勢の代表的な例を出しましたが
いかがだったでしょうか?
あなたのくの字姿勢は当てはまっていませんでしたか?
因み間違ったくの姿勢は単発的に出るのではなく
複合的に出るパターンのほうが多いです。
・足元の機能低下からくる膝を主役とした、くの字姿勢
・わき腹を使って頭から突っ込む、くの字姿勢
といった具合に。
そして何より重要なのが
陸上で出来ないのに雪上で練習しない!
という事です。
いつもながらお伝えしている通り、
雪上でいくら練習しても
陸上でできない事はできません。
ですからまずはしっかり陸上で
股関節からくの字姿勢を作る練習をしてください。
それが正しいくの字姿勢をつくる一番の近道です。
最後に一つだけ覚えておいて欲しいことがあります。
それは
『くの字姿勢』は外脚荷重に必要な
構成要素の一つに過ぎない!!
という事です。
くの字姿勢=外脚荷重と認識されがちですが、
くの字姿勢が作れても外脚荷重ができないスキーヤーはいくらでもいます。
逆にくの字姿勢をあまり作らなくても
外脚荷重ができるスキーヤーもいます。
その理由またの機会にお伝えしたいと思います。