スキー上達のにはトレーニング量が大事?一万時間の法則は本当か?310
以前メールマガジンで
オフトレに取り組みやすくなる為の
目標設定方法をお伝えしました。
スキーの技術に対しての
直接的な内容ではありませんでしたが、
とても反響が大きく、驚きました。
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以前も
壺に砂と石を入れる話をしましたが
意外とスキーに直接関係のない話でも
(むしろそっちの方が?w)
楽しんでいただけるようで
たまに挟んでいきたいと思います。
気付くと恐ろしい・・・スキー上達において忘れがちな●●の重要性 276
スキーに限ったことではありませんが、 どんなことにでもすぐに取り組める人と なかなかやろうと思っても 出来ない人に分かれます。 この2つの差は何なのか? &nbs…
今回のお伝えするのは
【1万時間の法則】についてです。
あなたは
【1万時間の法則】を
聞いたことがあるでしょうか?
【1万時間の法則】とは
ある一つの事に対して
一流になるには
1万時間の練習が必要という法則です。
この数字は、ある分野を極めた
複数の「天才」を対象に、
彼らが天才になった理由を考察した際、
共通するのは、その分野における
練習時間の総量であるという
考えから出ました。
いまでは、
何か新しいスキルを習得したい人の
決まり文句になっています。
1万時間というと
毎日2時間行っても
13,4年かかるという計算ですから、
いかに継続と努力量が必要かということが
分かりますよね。
ただ最近では
この数字は正しくないという
証拠を出す研究が多くあります。
果たして1万時間の法則は
ウソか?本当か?
あなたはどう思いますか?
スキー上達をベースに
具体化して考えてみましょう。
まず他のスポーツや学問、音楽などは
毎日2,3時間と取り組むことが出来ますが、
スキーはシーズンスポーツなので
そういう訳にはいきませんよね?
年間滑走日数が60日で
1日4時間滑ったとしても
41年かかる計算です
・・・
・・・
途方もないです。。。
オフシーズンも1万時間の法則に含まれるか?
ここまで考えると
次に思いつくのが
オフシーズンのトレーニングも
練習時間に含まれるのでは?
という考えです。
これなら、
何となく1万時間の法則も
クリアできそうな気がします。
しかしここで難しいのが
どこまでを
練習とみなすか?
という点です。
例えば
ピアノが上手くなりたければ
【ピアノを弾く】
という行動は練習になると
感じるはずです。
学問の場合は
その学問に関する
資料を読んだり
勉強したりすることが
練習にあたるでしょう。
サッカーなら
ボールを蹴る、
野球ならボールを投げる、
などなど
何となくその行為を
継続すればスキルが上がるのが
いわゆる練習ですね。
では一般的なスキーのオフトレを
永遠と繰り返していれば
スキーは上手くなるでしょうか?
スクワットをひたすら続ければ、
体力向上のためにひたすら走り続ければ、
体幹を鍛え続ければ、
スキーがどんどん上手くなるか?
と言われると
そうではない事は明白です。
じゃあ他のジャンルと同様に
その競技そのものを
行わなければ
練習として当てはまらず、
1万時間の法則を満たせないのか?
となるとそんなこともありません。
何年間かけても
同じレベルから抜け出せない
スキーヤーもいれば
ものの数年で
すいすい上達していく人もいます。
これは何もスキーだけでなく
全てのスキルに言えることです。
しかし上手くなっている人が
練習をしていないかと言うと
そうではありません。
こうやって具体化して考えると
1万時間の法則は本当かウソか
ますます分からなくなってきますよね。
1万時間を考えるうえで忘れがちな要素
これまでの話から
よく考えてみると
【練習】という定義が
根本的に曖昧ですよね。
実はこの部分に
【1万時間の法則】を考えるうえでの
重要なポイントが隠れています。
まず
「1万時間の法則が
ウソではないか?」
という研究のベースには
実際、1万時間は、
エリートたちが練習に費やした時間の
“平均”にすぎず、
25000時間以上練習した人がいれば、
1万時間よりもずっと少ない練習時間で
その道を究めた人もいたという点があります。
つまり簡単にいってしまえば
練習の量と質を正しく分けて
考えていない
という事です。
最近研究では
非常に具体的で
よく考えられた練習方法を用いれば、
「非常に高いレベルの専門性を
身につけるまでに必要な時間は
1万時間よりもずっと少ない」
とも述べています。
つまり
「時間より質を重視」
ということですね。
もちろん練習量が必要ない
というわけではありません。
ただ1万時間の法則に関していえば
生存バイアスと言って
成功例だけを取り上げており、
1万時間以上努力しても
習熟できなかった
多くの人が入っていません。
生存バイアスの考え方は
スキー界においてもよくある
非常に重要な考え方なので
また別の機会に
くわしくお伝えします。
さらにさらに
このようなスキル習得の分野で
最大のメタ分析からは、
練習自体は習熟の12%にしか
寄与しないことがわかりました。
メタ分析とは
いろいろな研究を集めて
分析する事です。
何だか難しい用語が
沢山出てきて
ややこしくなってきましたが、
まとめると
・1万時間の法則は成功例だけみている
・1万時間は平均であり、
それより多い人も少ない人もいる
・1万時間の法則は
質と量が混ざっている
・1万時間しなくても
質のいいアプローチをすれば
もっと短時間で習得できる
・練習の量や質だけでなく、
遺伝や環境、そのジャンルの競争率など
様々な要因がある
・だからといって
量は必要ないという事ではない!
といった感じです。
もしあなたが
練習量を追い求める事が
練習を考えるうえでの
ベースとなっているのであれば
質の部分も着目してみてくださいね。
スポーツ界でも
最近は根性論の練習ではなく
科学的に効率のいい練習、
いわゆる“量より質”の
方向性に進んでいるのも同じです。
因みにこのような話になると
必ずと言っていいほど、
根性論のトレーニングをしなければ
メンタルが鍛えられない
という声があがります。
ただはっきり言うと
メンタルといういわゆる思考の分野も
きちんと研究されていて
専門的なトレーニングがあります。
そもそも根性といっても
目標設定能力なのか?
目標達成能力なのか?
セルフアファメーションなのか?
セルフエフィカシーなのか?
ストレス耐性なのか?
・・・
・・・
・・・
私も専門家ではないですが
もう挙げていけばキリがありません。
それぐらい抽象的だという事です。
【外脚に乗る】と同じですね(笑)