トップ選手は嘘つきなのか!?スキーのターン前半のきっかけは 内足アウトエッジか? それとも外足インエッジか? #382

今回の記事は、スキーにおける

 

 

ターン前半のきっかけ

 

 

について解説していこうと思います!

 

 

ターンが始まるきっかけをどのように作るかについては
スキー界でも様々な感覚、技術論、指導法があります。

 

その中でも代表的な2つが

 

・内足のアウトエッジをかませる

 

・外足のインエッジをかませる

 

 

ですね!

(もちろん両方同時という人もいますが!)

 

 

あなたはターン前半のきっかけは
内足、外足どちらのイメージでしょうか?

 

これも前回まで解説していた、外足(外腰)出すか出さないかと同じように、
どちらを選んでもOKな人もいれば
どちらを選んでも残念ながら上達しないという人もいます。

 

なぜこのように二手に分かれるのか?
まずはこの部分を解説していきましょう!

 

 

 

スキーでターンする時のきっかけは内足でも外足でも良い?

 

先ほど、外足と内足どちらを意識しても問題なく滑れる人もいれば
どちらを意識してもうまくいかない人がいるとお伝えしました。

 

その理由は

 

両者に通じる本質を理解しているかどうかで変わるから

 

です。

 

これが良く分かる例を、サポートメンバーさんから教えていただいた動画で
解説していきたいと思います。

 

さてその前に頭の中で、イメージしてほしい事があります。

 

ターンのきっかけで内足を上げてターンに入ってくるのは

 

【1】ターンのきっかけは内足

【2】ターンのきっかけは外足

どちらのタイプの人でしょうか?

 

これは聞くまでもないかもしれませんが、
内足を上げてターンに入るのだから、当然内足は雪面に触れていないので
【2】ターンのきっかけは外足の人ですよね?

 

その一方でグルニーゲンターンの様に、
外足が浮いて内足のアウトエッジが噛んでターンに入ってくれば
【1】ターンのきっかけは内足だと分かりやすいです。

さてそれを踏まえて今回ご紹介させていただくのが
元技術選女子チャンピオンである栗山未来選手の滑りです。

 

あっ、因みにきっとSKIER`sLABのブログをお読みの方には
お分かりいただいていると思いますが、
このあと解説する内容は一切批判、否定の要素はありません!

 

むしろ個人的には栗山選手の滑りは、女子選手の中でもかなり好きな方です!
そのことを忘れずに、あくまでも資料映像という事でご紹介します!

 

以前サポートメンバーの方から教えていただいたのが
栗山選手のYouTubeにアップされているこちらの動画です。

 

 

本当にきれいに角付けされて、板がたわんでいるのが分かりますよね!

 

トップ選手の滑りをこうやっていろんな角度から見られるのは、
本当に良い時代になったのと思います。

 

そしてさらに栗山選手ご本人の解説までついています!
栗山選手のイメージは簡単にまとめると、

 

内スキーで方向を決めて
そのあと外スキーで外力を捉える

内スキーのアウトエッジ

外スキーのインエッジ

 

 

という順番がベースです。

先程お伝えしたタイプですと

【1】ターンのきっかけは内足

ですよね!

 

ですから皆さん

 

内足主動なんですね!試してみます!」

 

「前のターンの外足の圧を保ったまま内足にする」

 

といった様々な感想が上がっています!
もちろんこれは何も間違いではありません。

 

 

ただある不思議な点に、あなたは気づいたでしょうか?

 

私はメールをいただいた時に、よくその部分に正しく気づけたなと思いました。
よほど細かく見ていないと、気づけない点です。

 

ヒントは動画のコメント欄にもありますね!

 

 

真逆のスキー板の使い方をしているのになぜ?

 

この質問は以前にメルマガでもしたのですが
その不思議な点に気づけない人が非常に多かったです!
でも決して悪い事ではなく、むしろそれが普通です!

 

もちろん気づいた人もおり、こんな感じのメールを戴きました!

 

 

「渡辺さんに言われて何のことかと
 もう一度スローで見返してようやく分かりました。
 よくみれば●●ですね。」

 

「やっぱり●●ですよね?
 なぜなのか私も不思議に思っていました。」

 

「言われて初めて気づきましたが●●してますね!
 じゃあ動画の内容は嘘じゃないですか!」

 

 

といったように、●●には共通したワードが入ります。

 

さてそのワードとはなにか?
それは




 

 

 

 

ターン始動で内足が浮いている

 

です!

コメントにも気づいている人がいて素晴らしいですね!

 

もしあなたが、まだその点に気づいていなければ

 

 

「ターンのきっかけを内足で作っているのに、
 内足が浮いているわけない!」

 

 

と思うかもしれません。

 

もう一度スローでよくご覧ください。

 

もともとスローですが歯車のマークを押すと、
さらに0.25倍速で見られますので。

 

しかもたまたま1回という感じではなく、結構な回数出ていますよね?

 

正直この部分が見えると

 

「私のベースはターンの切り替えで内足をうっすら上げて
 まずは外足で角付けしてターンを開始しています!」

といった、動画内で語られている内容と
真逆の内容を言われた方が納得できるはずです。

 

現にそのような発言を、技術選トップ選手の井山敬介選手が

 

「ターンの始動で、内足を0.5㎜くらい上げている」

 

といった内容で以前雑誌に載せていました。

 

 

さてここでまとめたいポイントは3つです。

 

 

【1】ターン始動は内足と言っているけど
   事実ベースだとターン始動は内足が上がっている事に気づけたか?

 

【2】なぜターン始動で内足を上げているのに
   内足のアウトエッジからターンを始動すると栗山選手は言うのか?

 

【3】なぜ井山選手の様にターン始動で内足を上げるといった
   逆の内容を言う人がいるのか?滑りがまるで違うからか?

 

あたなはこの3つを明確に整理できていますか?

 

 

ここができていれば問題ありません!
きっと普通だったら「内足浮いているじゃん!」と思うところを
私が栗山選手を肯定できるという点もmきっと理解できていると思います。

 

 

しかし整理ができていないと「嘘じゃないか!」と思えたり
外足(外腰)の時と同様に、どちらを選んでも
上達しない負のループに突入する可能性が高いです。

 

 

それではこの3つのポイントを解説していきます!

 

 

 

なぜスキーのターン前半に内足を上げていることに気づけないのか?

 

まず1つ目の

【1】ターン始動は内足と言っているけど
   事実ベースだとターン始動は内足が上がっている事に気づけたか?

という点について解説していきますね!

 

 

栗原選手の動画を見て
内足が浮いている事に気づけた人気づけなかった人
分かれたかと思います。

 

そして気づけなかった人は、本当は内足は浮いているという情報を知らない限りは
当たり前ですが本当にターンの始動で内足のアウトエッジをひっかけるように
ターンを練習しますよね?

 

ここで重要なのは、気づけなかったという結果ではなく
なぜ気づけなかったのか?という理由なんです。

 

別にそこまで意識せずに適当に流し見していたから、
別にどうでもいいと思っていたから、
というなら問題ありません!

 

ただ気づけないスキーヤーの
多くは次の2つの理由がほとんどです。

 

それが

 

【1】固定観念

【2】ハロー効果

 

です。

 

【1】固定観念は説明しなくても分かりますよね!

 

ターンの始動は内足のアウトエッジを
噛ませるものだと思い込んでいると
目の前の情報は見たいように見えてしまいます。

逆に、外足から外足だという固定観念を持っている人は
もしかしたらすぐに今回の内足が浮いている事に
気づいているかもしれません。

 

そして厄介なのが【2】ハロー効果です。

 

ハロー効果は以前もご紹介しましたが、覚えているでしょうか?

 

「ハロー(halo)」とは、「後光」や「光輪」を意味する言葉で、
対象物に対して後光を感じ取ると、対象の印象を歪めてしまう心理現象です。

 

簡単に言ってしまうと権威や見た目など、
事実とは別の要素が判断基準に影響する事です。

 

 

今回で言えば技術選女王である栗山選手が言うのだからという理由で
ターンの始動は内足で間違いないのだと思い込み、
内足が浮いている事に気づけないのであれば
まさにハロー効果によるものです。

 

 

その逆で、ハロー効果のない私が、同じように

 

「ターン始動は内足のアウトエッジです!」

 

と言ったら、コメント欄に

 

「うそつけ!あなた内足浮いていますよ!」

 

といった内容が増えるはずです(笑)

 

 

“何”を言うのではなく“誰”が言うのかによって
判断されるのは何もスポーツに限ったことではありません。

 

 

もしあなたが、今回の動画をみて
すぐに内足が浮いている事に気づけなかったのであれば

 

【1】固定観念

【2】ハロー効果

この2つの影響を受けていないかまずは確認してください。

 

 

いくらスキー上達情報を手に入れても
なかなか滑りが変わらないと悩んでいるスキーヤーの多くは、
この2つの影響が非常に強いケースがほとんどです。

 

 

では次に気づけた場合についてお伝えします。

 

ターン前半に内足が浮いていることに気づけたとしても…

 

もしあなたが、内足が浮いている事に気づけたとしたら、
その後どう思ったか思い出してみてください。

 

気づけた後に、大きく3つのタイプに分かれます。

 

【1】「いやいや内足浮いているじゃないか!嘘つきだ!」
   と感じる否定派

 

【2】「えっ?なんで内足が浮いているのに
   ターンの始動は内足だと言っているのだろう?」
   と感じる疑問派

【3】「うんうん、内足浮いているけど、内足始動ですよね!」
   と感じる肯定派

 

さぁあなたがもし内足が浮いている事に気づけたとしたら

 

【1】否定派
【2】疑問派
【3】肯定派

 

どれでしたでしょうか?

 

どれが良い悪いではないので、自分はこう思ったなというのを振り返ってみてください。

 

さて普通であればターン始ではまず内足のアウトエッジをにグリップさせると言っているのに内足が浮いていたら、【1】否定派になると思います。

 

シンプルに事実ベースだけ見れば、嘘になるわけなので。

 

でも栗山選手がわざわざ嘘をつく必要はないですよね?

 

そうなるとなぜ事実ベースとは違う事を言っているのだろう?
と感じる【2】疑問派になっていきます。

 

まずはこの【1】否定派 → 【2】疑問派
に変換する思考法が非常に重要です。

 

 

きっと数多くのスキー上達情報に触れていると

 

「えっ?なんかそれおかしくない?」

といったものに触れる機会が、たくさんあるかと思います。

 

 

例えば、

・ターン前半で長い軸をとることが正解

・骨盤は正対させるのが正解

 

と思っているスキーヤーにとっては、
ターン前半から外向傾をとるという情報を入れると
まずは否定から入ります。

 

 

ただそこで、
「あれは間違っている」と思考停止する人と
「間違っているとは思うけど、なんでこんなことを言っているのだろう?」
と考える人とではその先の上達は大きく違います。

 

どんな情報であれ、何かしらの意図があるわけですから。

 

だからこそ、いつもお伝えしている様に、

 

 

_______________

自分が否定する情報が出てきたら一度肯定側にまわる
自分が肯定する情報が出てきたら一度否定側にまわる

_______________

という癖をつけておくことが大事です。

 

 

それができると

 

「事実ベースではそうでないけど、そういう事ね!」

 

という【3】肯定派になる可能性が出てきます。

 

ただこの【3】肯定派になる為には最大の壁があります。

 

 

この壁があるので正直【2】疑問派まではいけても
【3】肯定派にはなかなか辿り着けません。

 

その最大の壁とはなにか?

 

長くなってきたので、次回の記事で続きを解説しますね!