スキーの為のバランストレーニングは『崩すこと』が重要 167
前回バランスは常に微妙に動きながらとっている
という事を書かせてもらいました。
その微妙な揺れまでを抑えようと
ギュッと力んでしまうので
かえってその揺れが上半身に伝わり
バランスが取れないという事に
なってしまいます。
さて今回はさらに上級編といってもいいかもしれませんが、
バランスは止まらないで『動く事』が重要という点から
バランスは『崩す事』が重要というレベルに移行していきます。
前回説明した小刻みに動きながらバランスをとるというのは
その場でジッとする静的バランスにおいて有効な感覚です。
しかしスキーはその場でジッとしいていることは
まずありません。
落下してターンをして横移動して
といった具合に様々な方向に動きます。
動きの中でバランスをとる
とるので
『動的バランス』
とも呼ばれています。
片足立ちをして、前後に脚を振りながら
バランスをとるといったようなものです
『動的バランス』や『動的ストレッチン』
など、動きのなかでのトレーニングや考え方が
今少しずつはやってきています。
しかし
『バランスをとる=その場でジッとする』
という感覚が根強いため
この動的バランスがうまくとれないスキーヤーが非常に多いです。
ギュッと力を入れてバランスをとるため
その力みが動作の邪魔になってしまいます。
ただ難しいのは動的バランスだからといって
全てが動けばいいかというとそうではありません。
しっかり固定されるべきところは固定され、
動くべきところは動くといったように
適度に静的なバランスの取り方と
動きの要素をマッチさせなければいけないのです。
ここまでの話をまとめると
その場でジッとする『静的なバランス』でも
小刻みに動き続け、
『動的なバランス』はその要素を残しながら
動きの邪魔はしないという事でした。
さてここで一つの疑問が浮かびませんか?
そう今回のタイトルでもある
バランスを『崩す』という事が
でてきていませんよね?
そもそもバランスをとるという事は
バランスを崩さないという事です。
わざわざバランスを崩す意味はよく分からないかと思います。
その理由は動的バランスの考え方の違いです。
先程例に挙げた
『片足立ちをして足を前後に振りながらバランスをとる』
といったものや
『バランスボールの上に座り、手足を動かす』
などは動きながらバランスをとっているので
動的バランストレーニングしてはあっています。
しかしそこには重要な見落としがあります。
それは
『その場から移動していない』
という事です。
つまり『動き』という点からから見ると
動的なのですが、
『移動』という点から見るといくら大きく動いていても
その場に留まっているので静的とも言得るという事です。
スキーは動きの中でバランスをとるという認識から
移動を伴ってバランスをとるという方向に
考え方を変えていくことが重要です。
長くなってしまったので、続きは次回にします。