自分に合ったスキー上達法の見つけ方その③ 209
このシリーズも長くなってきましたが、
どうしたら自分はスキーが上手くなるんだろう?
と考えてその答えの選択肢をたくさんもっておくことは
本当に重要な事です。
答えの選択肢を増やすためには
何が問題か?という選択肢が
多い方が前提条件にあります。
前回までにご紹介したのは
【練習量の問題】
【筋力の問題】
【柔軟性の問題】
【感覚の問題】
【タイミングの問題】
【イメージのずれの問題】
です。
前半3つは一般的に
これが原因なのでは?
とよく考えられている問題です。
後半3つは
なかなかその問題にフォーカスされていないな
というものです。
これだけでも選択肢の幅を広げるには
十分だと思っています。
そして今回紹介する問題は
本当は紹介しようかどうしようか
迷った部分でもあります。
その理由はこの記事の最後にお伝えします。
【道具の問題】
スキーが道具を扱うスポーツである以上
どうしても道具の良し悪しが
パフォーマンスに大きく関わってきます。
しかしこの道具の
『良し悪し』
という部分を多くのスキーヤーは
勘違いしてしまい、
スキーが上達しない原因に
なっています。
あなたは道具を選ぶとき、
または評価する時に
どのような基準で判断していますか?
値段やそのモデルのグレードで
判断してしまってはいないでしょうか?
基本的にどのメーカーも
そのモデルのグレードが高いもの、
つまり上級者向けのものになるほど
値段が上がっていきます。
つまりハイグレードなモデルになるほど
性能の良い板と判断しています。
しかしそれはあくまでも、
使用されている材質や機能、
研究にかかったコストなど
さまざまな付加価値がついており
板という製品として良いという判断基準です。
しかしあなたにとって本当に
その板が良し悪しの
『良い』なのでしょうか?
例えばあなたが車を買う時に
F1カーを購入しますか?
F1カーには相当なコストがかかっており、
価格も普通の車とは比べ物にならないでしょう。
単純にいい車はF1カーと乗用車どっち?
と聞かれたらあなたは迷う事なく
F1カーだと答えるはずです。
ではあなたが普段通勤やレジャーに使うのに
良い車はどっち?
と聞かれたらどうでしょう?
間違いなく乗用車ではないですか?
車に限らず日常的に
あなたはその物の価値で判断せずに
あなたの目的を満たすのに
もっとも適したものを価値として
判断して選択しているはずです。
しかしなぜかスキー板やブーツは
自分の目的にあったスペック以上のものを
購入してしまう傾向にあり、
そのせいで上手く操作ができずに
上達の妨げになっています。
基礎スキーヤーでしたら、
スキー場の検定バーンにもよりますが、
はっきり言ってクラウンプライズレベルまででしたら、
180半ばのRが20を超えてくるような
大回りようの板や、
小回り用にSLの板を使う必要はないです。
アルペンスキーヤーでも
まだ板を自分でたわませることができると
確信のない方は、
マスターズ用やセカンドモデルで
たわます練習をした方が技術上達は早いです。
ブーツのフレックスもよほどパワーと技術がない限り
150は必要ありません。
130もあれば十分です。
上手くなっていずれ必要となるからいいものを!
と考えて自分のレベルより高めのものを
選んでしまいがちですが、
それで上達を妨げているのであれば本末転倒です。
勿論逆のケースもあります。
ずっと同じ板を履いていたり、
自分にあっていないブーツを履いているせいで
スキーが上達しない人もいます。
またエッジやワックスのチューンを
怠っているせいで、できない技術があることも
覚えておいてください。
アルペンスキーヤーにはあまりいませんが、
基礎スキーヤーの方の中には
シーズン中一回もエッジを研いでいない方も
珍しくありません。
スキーは道具がパフォーマンスに
大きく関わってくるスポーツです。
あなたの道具はスキー上達の妨げになっていませんか?
シーズン前のこの時期に一度確認してみて下さい。
【指導の問題】
あなたには特定の指導者はいますか?
毎回同じ指導者の下で
練習を続けている方も
色々なキャンプやスクールに
参加している方も
いるかと思います。
残念なことに指導者の言葉一つで
あなたのスキー上達は
プラスにもマイナスにもなります。
一番怖いのは、それがあなたにとって
スキー上達につながらないにも拘らず、
何も疑うこともなく、
ずっと信じてその指導通りに
練習していることです。
その指導そのものが
あっている間違っている
という問題もありますが、
理論的にはあっている指導でも
あなたの解釈が間違っていれば
それは間違っている指導という事に
なってしまいます。
よくサポートメンバーの方が
『なるほどあの指導者はこういう事を言っていたのね!』
という発言をします。
これは内容はあっているけども
間違って伝わっているいい例です。
いつもお伝えしていますが
情報は受け手によって決まります。
あなたがどうとらえるかで
その情報の価値がきますのです。
そうはいってもなかなか自分で
自分の判断が間違っているかどうか
なんていることは分かりません。
ですからあなたにとって
もっとも理解しやすく
スキー上達につながる指導を
選択すべきです。
その判断は
スキーが上手くなっているかどうか?
という簡単な判断で分かります。
ずっと同じレベルで止まっているのであれば
指導者を変えてみるのも一つの手です。
今回は簡単にですが
【道具の問題】
【指導の問題】
についてご紹介しました。
さてこの記事のはじめに
本当は紹介しようかどうしようか
迷ったと書いたのを覚えているでしょうか?
なんとなく理由はわかったかもしれません。
今まで紹介してきた
【練習量の問題】
【筋力の問題】
【柔軟性の問題】
【感覚の問題】
【タイミングの問題】
【イメージのずれの問題】
は、自分の中に原因を探す考え方です。
今回紹介した
【道具の問題】
【指導の問題】
は自分の外に原因を探す考え方です。
勿論自分で道具を選び、
指導を受ける環境を選ぶという観点からは
自分の中の問題とも言えますが、
前半の6つにくらべて
外部的な要因が関わってくるので
ある意味逃げにつながる場合もあります。
道具がわるい、指導者がわるい、
といったように。
その道具を選んだのも
その指導を受けると決めたのも
自分だという事を忘れないでください。
そしてそれは
自分の行動でしか変えられないという事も
覚えてくおかなければなりません。