スキーが上達したければ、できないことは練習しない? 227

あなたが雪上で練習している目的は
出来ないことを
出来るようにする為ではないですか?
 
それ以外に何があるんだ?
 
 
と思われるはずです。
 
タイトルにある
 
 
 
『できないことは練習しない』
 
 
なんて聞くと、
それでは一生上手くなれない・・・
と思われるはずです。
 
 
では逆に、できないことを練習していって
出来るようになりましたか?
 
 
もしできないことを練習していって
どんどんできるようになっているのであれば
きっとスキー上達に悩むスキーヤーの方は
いないはずです。
 
 
できないことがあって毎シーズン練習しても
結局できなくてまた同じことを言われ続けている。
 
そんな状態から抜け出せずにいる方は
今回スキー上達のポイントを3つ紹介しますので、
これを参考に練習方針を考えてみてください。
 
 
 

①実はもともとできている?

雪上で練習をしていてスキーが上達すると、
できないことができるようになった!
と誰もが思うはずです。
 
これはスキーに限らず
どのスポーツでも練習を重ねることにより
できないことができるようになったと
捉えられています。
 
しかしそれらはすべて根本をたどれば
 
 
 
 
 
『もともとできること』
 
 
 
だという事に
気づけていません。
 
 
 
もともとできることとは
どういう意味でしょうか?
 
 
 
例えばプルークの人がパラレルで
滑れるようになった場合で考えてみましょう。
 
 
 
単純に考えれば
パラレルという出来ないことが
練習をしてできるようになったと
感じるはずです。
 
 
 
ではパラレルが出来るようになる要素は
なんでしょう?
代表的なもでいえば
 
・両スキーを平行にするために
 股関節を回旋させる能力
・板が平行にするためのポジショニング
 
 
です。
 
 
 
 
スキーを平行にするための
股関節の回旋能力
なんて難しく書きましたが
実際その場で立って板を平行に出来ない人は
まずいません。
 
 
板を平行にするためのポジションニング
というのも、普段から歩いているということは
自分の重心を前後左右に動かしている
ということなので
これも根本的にできない人はいません。
 
 
むしろ私はここから1㎝たりとも動かせない!
 
 
という人はもはや人形状態ですね。
 
 
 
さて勘のいい人は
そろそろ気づいてきたかもしれません。
 
 
要はこのパラレルが出来るようになった人は
練習を重ねることにより、
『もともとできる動作』を滑りながら
同時に組み合わせて、
さらに目的に合ったタイミングで
出来るようになった!
 
 
ということです。
 
 
 
実はスポーツで出来ないことが出来るようになる
というのは、
複数のできる動作の組み合わせが
出来るようになった!
 
 
ということです。
 
 
 

 ②上達するというのは1+1=1にする作業

これまでに
『できない動作が出来るようになる』
ということは
『できる動作をの組み合わせができるようになる』
ということだと説明してきました。
 
 
 
人間はだいたい意識して同時にできることは
2つくらいなものです。
 
 
股関節を折り曲げて、
外肩を下げて、
板の進行に合わせて身体を回旋させていって、
重心をフォールラインに落としていって、
・・・・
・・・・
・・・・
 
 
なんてすべて意識して滑れますか?
 
 
 
滑れないですよね。
 
 
 
でもスキーが上手な人は、
それをすべて同時に行えてますよね?
 
 
なぜできるのでしょうか?
 
 
 
その理由は
 
 
 
 
 
 
 
たくさんの複合的な動きが
一つの動きとして体に染み込んでいるからです!
 
 
 
例えば
『股関節を折り曲げる』+『外肩を落とす』
という2つの運動を
『くの字姿勢をつくる』
という一つの動作と認識して
行っているかもしれません。
 
 
 
『板の進行に合わせて体を回旋する』

『重心をフォールライン方向に落とす』
という2つの意識は
『板に乗りこんでいく』
という一つの動作として
行っているかもしれません。
 
 
 
あくまでもこれは例なので
これらの意識が正しい!
というわけではありません。
 
 
 
ただ、できる動作とできる動作を
組み合わせること
新たな一つの動作が生まれるという考え方に
まずは気付いてください。
 
 
 
もちろん動作以外にもタイミングや強弱など
様々な要素がありますが、
出来ないことが出来るようになるというのは
言い換えれば
 
 
・複数の動作が同時にできるようになる
・タイミングよく動作が出来るようになる
・余計な力を使わないで動作が出来るようになる
 
 
 
といったものです。
 
『もとをたどればもともとできること』
 
とお伝えしたのはこういう理由からだと
ご理解いただけたでしょうか?
 
 
 

③ いくらやってもできないのはピースが足りない

 

 

スキー上達の基本はできる動作の組み合わ
ということが分かったところで
いよいよ本題です。
 
できる動作がベースとなるした場合
どうしてもできずに悩んでいる動作がある場合、
それはその動作ができるようになるために必要な
根本となる
 
 
『出来ておかなければならない動作』
 
 
を持っていない場合がほとんどです。
例えるならピースの足りないパズルを
一生懸命完成させようとして
 
 
出来ない---!!!
 
 
と長年悩んでいるようなものです。
 
 
できなくて当たり前ですよね。
 
 
この根本的なピースは
その人の目的やレベルによって変わってきます。
 
 
より高みを目指そうとすればするほど
細かいピースが必要になります。
 
 
でもそのピースのほとんどは
似たようなカテゴリーに属しています。
 
 
なんだかお判りでしょうか?
 
 
 
ピースをさ探すには、
できない問題、克服したい問題を
逆算して考えていけば分かります。
 
 
例えば、もっと外脚にしっかり乗りたい
ということを目的とした場合、
その目的を達成するために必要なピースを
考えていきます。
どんどん逆算していくと
たどり着くのが、
 
 
『フィジカル要素の問題』
 
 
に突き当たるのではないでしょうか?
 
 
出来ないことの基本は
根本的に身体がその目的に必要な動きが出来ない
という部分にあります。
 
 
そのピースを持たないで
雪上で一生懸命練習しているのは
まさにピースが足らずに
パズルをやっている状態です。
 
 
コブに入ると腰が回ってしまう人は
根本的に脚を左右にねじると
腰が回ってしまう方ばかりです。
 
 
外脚に乗れない人は
根本的に股関節が使えず
外脚のるための基本条件を
満たしていない人ばかりです。
 
 
 
何度も言って言いますが、
そのピースを持っている人は
どんどん滑って下さい。
どんどん上手くなりますので!
 
 
スキーを始めたころを思い出して下さい。
求めている目標がそれほど高くないので
みんなそれを達成するピースを
持っています。
 
 
ですから滑る度に上手くなっていたはずです。
 
 
因みにショックなことをお伝えしますと
大人になると、何もしなければ
 
 
このピースはどんどん失われていきます。
 
 
 
検定を受け続けていて、
点数が上がらないどころが
下がってきてしまった。。。
 
 
なんて話をよく聞きますが、
まさにピースが失われて行っているいい例です。
 
 
『ピースを持っている』
つまり目的を達成するために必要な
『出来ること』をまずは増やして
雪上ではできることの組合わせや
タイミング、強弱などをトレーニングして
上達していきましょう。
 
 
出来ないことを練習していても
いつまでも出来ませんので・・・。