本当にいい姿勢とは?スキー上達につながる 229
あなたにとって『良い姿勢』とは
何でしょうか?
姿勢はスキーが上達するうえでも
非常に重要なポイントです。
この姿勢の捉え方ひとつで
身体のパフォーマンスは
大きく変わってきます。
一般的に姿勢が良いとは、
背筋が伸びて身体が真っ直ぐになった状態
いわゆる『気をつけ』の
イメージではないでしょうか?
一方スポーツに関してのいい姿勢とは
そのフォームのきれいさを指しますが、
根本的には背筋が伸びているような
イメージは同じ方が大半です。
背筋が伸びるというよりは
『軸』や『体幹』がしっかりしている
なんて言い方の方が
しっくりくるかもしれません。
スキーでも当然滑っている時に
姿勢を意識している方が多くいます。
あなたも
・背中が丸まらないように
・軸を意識して
・手の位置はここ
・・・
といった感じで色々な角度から
姿勢を意識していませんか?
しかしその様に姿勢を意識すると
大抵の場合動きが固まってしまいます!
なぜでしょうか?
逆にきれいな姿勢で滑っている
スキーヤーの方は本当に
良い姿勢をとろうと
意識しているでしょうか?
良い姿勢が取れない方や
意識すると固まってしまう方は
そもそもの姿勢の考え方に
間違いがあるように思えます。
そもそも良い姿勢をとる理由は?
このような質問をすると
当然良い姿勢をとることで
スキーのパフォーマンスを上げたい!
という答えが返ってきます。
当然腰が丸まっていたり
手の位置が低かったり
膝が内側に入っていては
板にしっかり力が伝わらなかったり、
ポジションが悪くなってしまいます。
しかし本当に良い姿勢をとれば
その目的が達成されるか?
と考えると
そうでもないのがスポーツの難しいところ。
そのようなジレンマに悩まされている方は
良い姿勢をとる
↓
スキーのパフォーマンスが上がる
という流れで考えています。
実はここに大きな落とし穴があるんです。
スキーのパフォーマンスが下がる姿勢の意識とは?
その場で動かずにポージングをして
その綺麗さを目指すのであれば
先ほどお伝えしたような意識でも
良いかもしれません。
しかしスポーツとは刻々と
動き続けながら、
目的とする動作を行います。
つまり
良い姿勢とはこう!
といったような
『静止画』的な捉え方では
パフォーマンスは上がりません!!
では本当の意味での良い姿勢とは
どのように意識すれば作れるのか?
まず根本的な考え方を変えてみて下さい。
良い姿勢をとるから
パフォーマンスが良くなる
という流れではなく、
目的のパフォーマンスを達成するために
より効率的な動きを目指した結果
良い姿勢になる!!
という流れです。
何が違う分かりましたか?
一見同じことの様で
中身はかなり違います。
前者は
パフォーマンス向上という目的の為に
姿を意識するという部分に
ゴールを定めます。
つまり目指すべきところが姿なのです。
一方後者は
パフォーマンス向上という目的の為に
どのように身体を使ったらいいのか、
どうすれば効率的に
その目的を達成できるのか?
という結果の部分に意識を持って行きます。
その結果として
良い姿勢が出来上がっている
という結果が生まれるといった感じです。
意識:良い姿勢 ⇒ 結果:良い動き
ではなく
意識:良い動き ⇒ 結果:良い姿勢
ですね!
このような意識を持つと
トップ選手たちの言葉に
隠されている秘密も
分かってきます。
トップ選手たちがつかう言葉の秘密
トップ選手たちも滑りの解説や
指導をする時に、
・手の位置
・肩のライン
・腰の向き
・脚の状態
といったような静止画的な
『姿勢』に着目することが
良くあります。
しかし最後に一言
このような言葉を付け加えているシーンを
見たことはないでしょうか?
『結果としてその形になる』
という言葉です。
分かりやすい例が
基礎スキーのターン前半によく見られる
飛行機のように
両手を大きく広げて傾いてくる
あのシルエットです。
トップ選手たちがみなあのように
大きく腕を大きく広げて
ターン前半入ってくるので
基礎スキーヤーの多くは
同じようなシルエットを真似ます。
しかし多くの基礎スキーヤーは
トップ選手とは違い、
内倒したり、
外脚に乗れなかったりするわけです。
一方トップスキーヤーたちは
ターン前半に深く傾く際に
バランスをとるために両手が自然と広がる
というニュアンスをいう方が多いです。
つまり
〇一般スキーヤー
意識:トップ選手のように両腕を広げる
↓
結果:ターン前半の深い傾きをする
〇トップ選手
意識:深い内傾角に合わせてバランスをとる
↓
結果:バランスを取るために両腕が広がる
という流れの違いが生まれます。
この違いが滑りのパフォーマンスに
様々なところで影響を及ぼします。
くの字をするから外脚に乗れるわけではなく
外脚により強く乗ろうとした結果
くの字姿勢が生まれるわけです。
この根本的な考え方を変えていくだけでも
スキーの上達は大きく変わります。
このように聞くと
一見簡単な事のように思えますが、
なかなかそうはいかないのが現実です。
その理由は単純で
スキーを習う時に指摘されることの多くが
形(フォーム)だからです。
頭がこうなっている
腕がこうなっている
肩がこうなっている
腰がこうなっている
足がこうなっている
・・・
このような指摘が続けば
当然先ほど述べたような
意識:姿勢 → 結果:パフォーマンス向上
という考え方になってもしかたないですね。
あなたがもし姿勢(形、フォーム)を
意識していても、
なかなかスキーが上達しない
というのであれば、
フォームや形だけでなく
目的とする動きを達成するためには
どう動けばいいのか?
という動きの部分にも
意識を持って行ってみて下さい。
そもそもなぜ『姿』『勢』なのか?
最後は少し言葉遊びの要素が強いので
あくまでも正解はありません。
あまり深く考えすぎにお読み下さい。
日本の漢字や慣用句は
動作の本質を表しているものが多く
上手に身体が使えてくると、
『なるほど!だから漢字でこう書くのね!』
『だからこんな風に例えるのね!』
というものばかりです。
一般的な良い姿勢のイメージは
その場で気をつけをした直立姿勢、
もしくは上半身の背筋が伸びている
といった感じですが、
これらの共通点としては
その場で静止しているイメージですね。
しかし、姿勢という言葉の中には
『姿』という言葉に加えて
『勢』という言葉が入っています。
『勢』という感じを見て
静止しているイメージが浮かぶ人は
まずいないはずです。
つまり姿勢の中には
動的な要素も含まれているという事です!
一方『姿』は静的な意味が入っていると
捉える方もいるはずです。
そうなると
姿勢とは
『静』と『動』
どちらの要素も含んでいるものだと
考えることができます。
他にも姿勢とは
勢いのある姿のことだ!
勢いが出せる姿のことだ!
という捉える方もいるでしょう。
勿論その考えも間違いではありませんが
私の考え方は少し違います。
勢いのある姿、
勢いが出せる姿(出しやすい姿)
という様にとらえると
あくまでも最終的な意識は
姿なので『静的』な意識が強いです。
そのようにとらえるなら
言葉の並びとしては
『姿勢』ではなく『勢姿』
という表現の方がしっくりきます。
でもなぜ
『勢姿』(勢いのある姿)
ではなくあえて順番が逆の『姿勢』なのか?
それはその姿が勢いよく動いている
という『動的』なイメージの方が
強いからではないかと感じます。
つまり動的なイメージが
最終的な姿勢の意識です。
因みに私は言葉の専門家ではないので
この内容はあくまでも個人的な感覚です。
こんなこと言ったら元も子もないのですが、
『あなたのスキー上達』
につながればどっちでもいい問題です(笑)
ただ『姿勢』ではなく
『勢姿』といったながれで
静的な姿の方に着目した結果、
『勢姿』が姿を変えて
『静止』になってしまっている
スキーヤーが非常に多いように感じます。
まさに
動きがない、とまる、かたい
という状態ですね。
ものはいい様ですが、
意外とこういったイメージが
重要だったりします。
あなたも自分のスキー上達につながる
正しい姿勢の感覚を探してみて下さい。