あなたのスキー上達に必要な指導は【コーチング】?【ティーチング】? 281
前回の記事で
コーチングとティーチングとは何か?
またそれぞれのメリット、デメリットを
ご紹介しました。
まだ読んでいない方はこちらから
↓
スキー上達を左右する!スキー教師とスキーコーチ、あなたはどちらに教わる? 280
簡単にまとめると
【ティーチング】
〇メリット
・集団指導ができる
・やり方を統一化できる
・正解を素早く伝えられる
●デメリット
・指導者の知識や経験に正解が委ねられる
・相手の個性は活かされない
・個人に合わないと成長ができない
・自主性がはぐくまれない
【コーチング】
〇メリット
・相手の個性に合わせられる
・自ら考える能力や理解力が上がる
・その後の応用性が効く
●デメリット
・集団指導が難しい
・ある程度時間がかかる
・受講者側にもある程度知識や経験が必要
といったところです。
読んでいただいた通り
コーチングとティーチングでは
指導内容が大きく異なります。
では、あなたがスキー上達する為に
必要なのは
コーチングとティーチング
どちらでしょうか?
そう言われても
どちらにもメリット、デメリットがある為
迷ってしまいますよね。
そこで今回は
いま自分に必要なのが
コーチングかティーチングか
分かるようになる
判断基準をお伝えします。
どちらが必要か見極める2つのポイント
滑りの悩みを改善するには
コーチングとティーチング
どちらが今必要なのか?
それを考えるために重要なポイントが
2つあります。
それが
【1】課題の難易度
【2】課題に対する受講者のレベル
です。
【1】課題の難易度は
説明しなくても分かるかと思いますが
取り組む課題がどれぐらい難しいか?
という事です。
ボーゲンからパラレルになるのと
ズラシからキレのあるカービングターンが
出来るようになるのとでは
課題の難易度は違いますよね?
もちろん初めてスキーをした人にとっては
ボーゲンすら難しいので、
ボーゲンからパラレルなんて
恐ろしく難しい課題となります。
この様に
指導者からみて受講者に対してどうか?
あなたがにとってどうか?
によって、
難易度の定義はある程度変わるのが
難しいところです。
【2】課題に対する受講者のレベルは
簡単にいってしまえば、
受講者のスキーの上手さや知識、経験です。
ここでポイントとなるのが
先ほど同様に絶対的な基準というよりは
『課題に対する』という部分です。
おなじスキー検定1級の人でも
課題が
・急斜面をとりあえず小回りで滑る
・急斜面をズレとキレを使った、
ターン孤がきれいな小回りで滑る
のでは、
受講者レベルの判断が変わります。
急斜面をとりあえず小回りで
滑る事が課題なら
その課題に対しての
スキー検定1級の受講者レベルは
高いとなります。
しかし技術選の様な
急斜面をズレとキレと駆使した
ターン孤を描く小回りが課題ですと
受講者レベルは低いとなるわけです。
さて
【1】課題の難易度
【2】課題に対する受講者のレベル
を高、低に分けると
コーチングとティーチング
どちらが必要が見えてきます。
<1>難易度 高 受講者レベル 高
→コーチング
<2>難易度 高 受講者レベル 低
→ティーチング
<3>難易度 低 受講者レベル 高
→自力で解決
<4>難易度 低 受講者レベル 低
→コーチングとティーチングのミックス
といったイメージです。
指導者側と受講者側、どちらの目線で考えるか?
これまでにお伝えした通り
【1】課題の難易度
【2】課題に対する受講者のレベル
の組み合わせによって
コーチングとティーチング
どちらが必要なのかが見えてきます。
ただ、
【1】課題の難易度
【2】課題に対する受講者のレベル
の定義は
『指導者、受講者、
どちらからの目線なのか?』
また
『指導者と受講者が
どのように感じているのか?』
によって変わります。
たとえば
パラレルで滑れるようになった
レベルの人に対して
【パラレルで小回りをする】
という課題を例に考えていきましょう。
指導者側目線
まずは指導者側目線で考えていきます。
指導者が、
パラレルをキープしながら
そこからターン孤を短くしていくことは
パラレルで滑れるように
なったばかりの人にとっては難しいな。
(難易度:高)
でもきっとパラレルで
あれだけ滑れる様になってきているのだから
出来るだろう!
(受講者レベル:高)
と感じた場合は
<1>難易度 高 受講者レベル 高
→コーチング
となります。
次に
パラレルをキープしながら
そこからターン孤を短くしていくことは
パラレルで滑れるように
なったばかりの人にとっては難しいな。
(難易度:高)
きっとパラレルでやっと
滑れるくらいのレベルなんだから
細かく伝えないと難しそうだな。
(受講者レベル:低)
と感じれば
<2>難易度 高 受講者レベル 低
→ティーチング
という選択になります。
次に
パラレルができれば
あとはターン孤を
調整してくればいいだけだから
小回りしてくるのは
問題ないだろう
(難易度:低)
しかも
どんな時でもきちんと
パラレルで滑れているし!
(受講者レベル:高)
と感じると
<3>難易度 低 受講者レベル 高
→自力で解決してもらう
となります。
最後に
パラレルができれば
あとはターン孤を
調整してくればいいだけだから
簡単だな
(難易度:低)
でも
パラレルで滑りだした
ばかりだから、
自分で滑っているだけでは
すぐに出来るようにならないだろう
(受講者レベル:低)
となると
<4>難易度 低 受講者レベル 低
→コーチングとティーチングのミックス
となるわけです。
この様に本来は
ティーチングとコーチングの使い分けは
指導者側が行う事なので
基本は指導者目線で
受講者にとって
最も良いものを選択するのが普通です。
しかし、
まわりにそのような使い分けを
考えてくれる指導者がいない、
またはそういった指導を
受けられる環境にない
というのであれば
受講者側の方で
自分に必要な事を行ってくれる人を選択
していかなければなりません。
受講者側目線
先ほどと同様に
パラレルで滑れるようになった
レベルの人に対して
【パラレルで小回りをする】
という課題を例に考えていきましょう。
受講者(あなた)が
パラレルをキープしながら
そこからターン孤を細かくしていくのは
難しそうだな
(難易度:高)
でもきっとパラレルで
滑れる様になってきたから
少し練習すれば出来るだろう!
(受講者レベル:高)
と感じた場合は
<1>難易度 高 受講者レベル 高
→コーチングしてもらう
となります。
この場合はある程度、
目標を達成する手段が見えてきているので
(合っているかどうかは別として)
自分で考えていることが
正しい方向に導かれるような指導、
コーチングが必要です。
ここでティーチングが入り、
それが自分に合っていない時には
上達の妨げになります。
次に
パラレルをキープしながら
そこからターン孤を細かくしていくのは
難しそうだな
(難易度:高)
きっとパラレルでやっと
滑れるくらいのレベルなんだから
まだまだ自分には無理そうだ・・・
(受講者レベル:低)
と感じれば
<2>難易度 高 受講者レベル 低
→ティーチングしてもらう
という選択になります。
ここでコーチングの様に
自ら答えを導く様なアドバイスがはいっても、
「いやいや何をやっていいのか
さっぱりです・・・」
「ちゃんと教えてもらっていいですか?」
となるわけです。
次に
パラレルができたんだから
あとはターン孤を
調整してくれば
小回りできるだろう
(難易度:低)
しかも
どんな時でもパラレルで
滑れるようになってきたからな!
(受講者レベル:高)
と感じると
<3>難易度 低 受講者レベル 高
→自力で解決する
となります。
最後に、
パラレルができたんだから
あとはターン孤を
調整してくれば
小回りもきっとできるだろう
(難易度:低)
でも
いまはまだ
パラレルで滑りだしたばかりだから、
自分で滑っているだけでは
すぐに出来るようにならないかも
(受講者レベル:低)
となると
<4>難易度 低 受講者レベル 低
→コーチングとティーチングのミックス
が必要となります。
ある程度方法を教えてもらいつつも
わかってきたら
コーチングに切りかえてもらうイメージです。
さてあなたの
今最も克服したい課題にとって
必要なものはどれでしたでしょうか?
この4つのカテゴリーは
あくまでも基準であり、
本来はもっと細かく入り混じってきます。
また主観的な要素も強いため
正確に把握するのは
難しいかもしれません。
ただティーチングとコーチングの
違いを知る事で
いまおかれている環境がわかります。
そしてその環境でも
なかなか滑りが変わらないのならば
あなたに必要な指導は
別の方式にあるという事です。
そして滑りが変わらないスキーヤーの多くは
その状態に陥っています。
ですからあなたのスキー上達にとって
最も必要な指導が受けられているか?
これを機会に考えてみてくださいね!
渡辺