スキー上達に超重要なのになぜ?技術要素から見るとおかしい日本スキー界 360

 

前回の記事で

 

 

ターン前半からの外向傾が土台で

ターン前半の長い軸は発展系

 

 

という考え方を

 

・身体構造

・ターンスピード

 

という要素から

見ていきました。

 

 

スキーのターン前半が失敗する理由は『長い軸』と『外向傾』を選択するから?359

  目次1 2つのターン前半を理解したら…2 ターン前半を『使い分ける』という事の勘違い3 ターン前半の『長い軸』と『外向傾』に対する1番の誤解4 ターン前半の土台は…

 

 

ターンスピードに関しては

 

 

『外力が弱くても出来るのは?』

 

 

といった考え方でも

いいかもしれません。

(こっちの方が分かりやすいかな?)

 

 

さて今回は

特に重要な

技術要素の点から

考えていきましょう!

 

 

 

 

技術要素から見るとおかしい日本スキー界の常識

 

技術要素、つまり技術論の話になると

それこそ意見が分かれるので

難しいところですが

ぜひあなたの考えと

照らし合わせてみて下さいね!

 

 

 

もしかしたら

今回のブログ記事の内容や

こちらのYoutubeの動画を見て

 

 

 

「よし、試しにターン前半からの外向傾も

 練習してみよう!」

 

 

と思われたかもしれません。

 

(実際そういったメールが多かったです)

 

 

しかし実を言うと

 

 

スキーヤーの方はほぼ100%

ターン前半からの外向傾を

練習したことがあります!

 

 

これはターン前半の外向傾を

否定している指導者やスキーヤーの方でも

当てはまります!

 

 

 

そうは言っても

 

 

「いやいや渡辺さん、

 これまでそんな練習

 してきたことないですよ!」

 

 

と思ったかもしれません。

 

 

 

ではちょっと考えてみて下さい。

 

 

もしあなたがが

スキー初心者が滑りだす時に

まず初めに教える事はなんですか?

 

 

またご自身が

行ってきた内容を

振りかえってみてもいいです。

 

 

 

滑り出す時なので

板の履き方や、

カニ歩きなどはとばしてください!

 

 

多分

 

【プルークボーゲン】

 

ですよね?

 

 

 

野球の初心者は

キャッチボールや素振り、

 

サッカーの初心者は

パス(ボールを蹴る)からトラップ

 

水泳の初心者は

蹴伸び(腕を真っ直ぐして伸びる)

 

 

といった様に、

スキーのはじめの一歩は

プルークボーゲンです。

 

 

これは以前から

お伝えしている事ですが、

プルークボーゲンとは

言い方を変えると、

両足とも外向傾の状態、

つまりダブル外向傾です。

 

 

さてそのダブル外向傾のまま

ターンをしているという事は

外脚に関してだけですが、

ターン前半からの外向傾をとって

滑っていますよね?

 

 

つまり誰しもが

最初はターン前半からの外向傾で

スキーをスタートしているんです。

 

 

その次にシュテムターン、

開いているプルークスタンスを

閉じる練習に入ると思います。

 

 

因みに念のため説明しておくと

シュテムターンとは

 

 

ターン前半ハの字

 

 

後半脚閉じてパラレル

 

 

 

の繰り返しです。

 

 

 

もちろんシュテムターンになると

正しく出来ていない場合

ターン前半からの外向傾が

出来ないケースもあります。

 

 

スキー検定2級で

シュテムターンの点数が

出ない場合はこのケースに

当てはまりますね。

 

 

イメージが湧かない方は

こちらから

 

 

【スキー検定2級 シュテムターンの注意点!】

 

 

動画の動作を見ても分かるように

これもターン前半はプルークスタンス

つまり外脚外向傾で

その後、足を揃えて

パラレルの外向傾というスタイルです。

 

 

ここまでで分かる通り

プルークボーゲンから

シュテムターンまでは

ターン前半からの外向傾で

滑っているんです。

 

 

 

さてここからが最大のポイントです。

 

 

プルーク、シュテムまでは

ターン前半からの外向傾で練習して

次のパラレルターンではどうでしょうか?

 

 

パラレルでのターン前半からの外向傾は

以前紹介した海外のアルペン動画の

0:15辺りからの滑りや、

 

 

以前からご紹介している

スキーグラフィックで特集された

オーストリアデモの滑りでも

プルークで行っている

ターン前半からの外向傾を

パラレルになっても

行っているのが分かるはずです。

 

引用:スキーグラフィック

 

 

この動画にはシュテムは無いですが

その観点から動画を見ると

分かりやすいかと思います

引用:スキーグラフィック YouTubeチャンネル

 

 

さてここまでで

 

 

プルーク

シュテム

パラレル

 

 

の流れを簡単に説明してきましたが

タイトルにもある

抜けている重要ポイントは

もうお分かりいただけたでしょうか?

 

 

そうそれは

 

 

 

パラレルターンでの

ターン前半からの外向傾

 

 

です。

 

 

 

 

なぜか日本スキー界では

全てがそうだという訳ではありませんが、

パラレルになった途端に

ターン前半からの外向傾ではなく

ターン前半の長い軸と

外向傾より正対が基本

となっています。

 

 

 

あなたは

プルーク→シュテムまでは

行っているのに

なぜパラレルになった途端に

ターン前半からの外向傾は

とばされると思いますか?

 

 

 

ターン前半の外向傾は難しい?

 

なぜパラレルになった途端に

ターン前半からの外向傾を

練習しないのか?

 

 

以前この問いを

メールマガジンの読者の方に

下のですが

回答で多かったのが、

 

 

・ターン前半からの外向傾は

 身体に負担がかかる

 

 

・パラレルになると

 動作自体が難しい

 

 

・腰が外れて内倒する危険性がある

 

 

・楽に滑るには長い軸で

 正対の方が良いから

 

 

 

といった内容でした。

 

 

要は

 

 

パラレルでの

ターン前半からの外向傾は

難易度が高く、

身体にも負担がかかる為

 

 

といったイメージですよね

 

 

では

 

 

ターン前半の外向傾は

難易度が高いのか?

 

 

という部分を

考えていきましょう!

 

 

 

確かにターン前半からの外向傾は

意識してもなかなか出来ないスキーヤーが

多くいます。

 

 

また出来たと思っても

腰が外れる、内倒するといった

エラーが出るケースがほとんどです。

 

 

一方長い軸は

傾けば良いだけなので簡単だ!

 

 

といった考えですよね!

 

 

確かにこの考えは正しくて

ターン前半からの外向傾よりも

ただ棒立ちのまま傾くだけの方が

簡単です。

 

 

 

ですからゲレンデを滑る

多くのスキーヤーは

ターン前半からの外向傾より

長い軸で内側に傾くように

滑ってきます。

 

 

あれ?でも少し前の記事を

思い出してみて下さい。

 

 

滑走スピードから見た時に

長い軸はスピードが無ければ出来ないけど

外向傾はその場(滑走スピードが0)で

できる事から

 

 

【滑走スピードの要素】から見ると

外向傾の方が長い軸より

難易度が低い

 

 

という話でしたよね?

 

 

これでは話が矛盾してしまうのが

分かるでしょうか?

 

 

この様な話をすると

 

 

「いやいや滑走スピードが多少あって

 外力(遠心力など)を利用できる方が

 難易度が低いのでは?」

 

 

といった意見が出てきます。

 

 

ではさらに急斜面で

滑走スピードが上がった場合

どうでしょうか?

 

 

もちろんイメージ通り滑れていれば

問題ありませんが、

多くの場合は、

 

 

・ターン前半に外脚に乗る感覚がなくなる

・内倒してしまう

・ターン後半ズレ落ちる

・暴走してしまう

 

 

といったエラーが出る

スキーヤーがほとんどです。

 

 

つまりこれまでの話をまとめると、

長い軸の難易度は

 

 

・滑走スピード0(停止状態)

 またそれに近い低速だと

 長い軸の難易度は高い

 

 

・しかし滑走スピードが程よい中速だと

 外力が助けてくれるため

 ただ傾けば良いだけで

 長い軸の難易度は低い

 

 

・しかしさらにそこから

 滑走スピードが高速になると

 長い軸をとってもズレ落ちたり

 暴走してしまったりと

 トップ選手のように

 エラーなく長い軸をとるのは

 難易度が非常に高い

 

 

といった流れになります。

 

 

 

速度を斜度に置き換えても

分かりやすいです。

(低速→緩斜面 高速→急斜面)

 

 

この流れの意味する事が

何だか分かるでしょうか?

 

 

簡単にいってしまえば

速度(斜度)と難易度が比例していない

という事です。

 

 

 

因みに上記の流れに当てはまる

スキーヤーは、

他の技術要素も当てはまります。

 

 

 

低速(緩斜面)小回り→苦手、止まってしまう

(難易度 高)

 

 

中速(中斜面)小回り→まぁ何とかなります

(難易度 低)

 

 

高速(急斜面)小回り→暴走、板回せない

(難易度 高)

 

 

この速度と難易度が

比例していないという事は

ずばり言ってしまいますが、

 

 

 

繋がりのない技術

 

 

 

という事です!

 

 

 

 

ではターン前半からの外向傾は

どうでしょうか?

 

 

 

意識して取り組まれたことがない場合も

あると思うので、

プルークボーゲンかシュテムターンで

考えてみて下さい。

 

 

 

低速(緩斜面)は

当然ながら簡単ですよね!

 

 

 

そこから高速(斜度が上がる)にしたがって、

どんどん外力が強くなるので

外脚がつらくなってきます。

 

 

急斜面高速で

プルークボーゲンは

脚がパンパンになりますよね(苦笑)

 

 

この事から分かるように

 

プルークやシュテムターンといった

ターン前半からの

外向傾は速度が上がるほど

難易度が上がるという

比例関係にあります。

 

 

ここまでの話を聞くと

 

 

 

「なるほど!

 

 ターン前半の外向傾は

 速度(斜度)に対して

 難易度が比例しているけど

 ターン前半の長い軸は

 比例してないから

 ターン前半からの外向傾が

 正しい基本だという事ですね!」

 

 

と思われたでしょうか?

 

 

実はそうではありません!

 

 

長い軸もきちんと

比例しているんです!

 

 

正しくは

 

 

反比例

 

 

ですね。

 

 

 

「?」マークが

浮かんでいると思いますので

説明します。

 

 

 

 

滑走スピードが上がるほどターン前半の長い軸は作りやすい?

 

よく雑誌などの表紙で

長い軸で深い傾きを作っている

写真があると思います。

 

 

あれとってもカッコいいですよね!

 

 

何を隠そう私も

これだけターン前半の外向傾やら、

股関節やら言っておきながら

プロフィール写真では

長い軸で深い傾きの写真を

使っています。

(かっこつけているわけです(笑))

 

 

ではこのような長い軸で

深い傾きを作ろうと思ったら

滑走スピードを

上げると思いますか?

下げると思いますか?

 

 

当然ですがうんと助走をつけて

スピードをあげて入っていきます!

 

 

そうでないと

長い軸で雪面スレスレに

傾いていくことは出来ないからです。

 

 

つまりは

 

 

滑走スピードが上がるほど

長い軸をとって滑っていく難易度は

低くなる

 

 

わけです。

 

 

しかしあくまでも

低速で行う状況との比較あって

長い軸で深く傾く技術自体は

基本的に難しいです。

 

 

選手達の滑りで

ターン前半に長い軸で滑っている映像も

急斜面でスピードが

出ているシーンですよね?

 

 

つまり長い軸で滑ることは

滑走スピード(斜度)と難易度が

反比例になっています。

 

 

さらにさらに

この話のスタートを

思い出してください。

 

 

そもそもパラレルで

ターン前半の外向傾に

取り組まれない理由は

 

『難易度が高いから』

 

というイメージが多い

という話でしたよね?

 

 

あれ?

でも先ほどのプルークや

シュテムターンの話からすると

低速であるほど難易度は低い、

つまり簡単なはずです。

 

 

 

パラレルになった途端に

難易度が変わるんですというのは

少しおかしいですよね?

 

※ここものすごく重要です!

 

 

 

つまりターン前半からの外向傾でも

比例関係が生まれていない現象が

多くのスキーヤーに起きているんです。

 

 

 

トップ選手達はみな、

ターン前半の外向傾と

ターン前半の長い軸

どちらも比例(反比例)関係が働いている

 

 

一方多くの一般スキーヤーは

ターン前半の外向傾と

ターン前半の長い軸

どちらも比例関係が生まれていない。

 

 

これぞまさに

 

 

 

“登っている山【技術体系】

 が違っています”

 

 

 

という事です。

 

 

因みにこの登っている山については

次回の記事で詳しく解説しますね!

 

 

 

因みに先ほどは例に出しませんでしたが、

アルペンスキーにおいても

SL(回転)→DH(滑降)に

したがって外向傾のシーンが減り

長い軸の割合が増えていきます。

 

 

 

 

 

 

 

もちろんSLでも超ハイスピードですし、

ターン弧も関係してきてはいますが。

 

 

 

その一方で、

一般的なスキーヤーには

そんなにスピードを出さずに

楽に滑るのであれば

棒立ちで長い軸のまま傾いてタラ~と

いった真逆の理論

広がっているというわけです。

 

 

この様に根本的に

登っている山(技術体系)が違う事が

そもそもの問題点なのですが、

この登っている山と言われても

いまいちピンと来ないかもしれませんので

次回詳しく解説しますね!