多くの一般スキーヤーが悩むスキーX脚は、解剖学的には直す事は不可能? #396
最近小難しい話が続いたので、誰にでも共通していて
尚且つスキーにおいてとっても重要な内容をお伝えします!
それが
X脚
です!
あなたはX脚のシルエットで悩んでいる、
もしくは悩んだ経験はありますか?
結構な割合のスキーヤーにあらわれる
このX脚シルエットですが、
タイトルにも書いたように、
X脚を直すのは不可能です!!
「えっ!?どういうこと?」
と思ったかもしれませんが、
その理由を詳しく解説します!
目次
なぜスキーのX脚を直すのは不可能なのか?
その理由はシンプルで
人間は基本的に
X脚の構造となっているから
です!
あなたは『Qアングル』というワードを
聞いたことがありますか?
骨盤の一番外側と膝の真ん中を結んだ角度を
『Qアングル』と言います。
このQアングルは個人差もありますし、
男女差が非常に大きいです!
男性は10°~12°
女性は15°~16°
といった感じですが
数字を聞いていまいちピンとこないと思うので
画像をご覧になってこんな感じで
男女差があるんだなと思っておいてください(笑)
つまり立位でまっすぐたてば誰しもX脚なので
この基本構造に基づくX脚は問題ではありません!
どの人体図を見てもかならずX脚で描かれています。
また男性より女性の方が、Qアングルが大きいので
女性の方がX脚シルエットが多いのも当然という事です!
それなのに脚は垂直上に真っ直ぐでなければ
ダメなんだと思い込み
不可能な事を行っているケースも少なくありません。
ここまでを聞いて
「なぁんだ!じゃあ滑っていて
X脚シルエットになっていても問題ないんだ!」
と思われたでしょうか?
実はそれも間違いです!
なぜなら上手な選手ほど
両足がきれいに平行の状態で
滑っている様に見えますよね?
明らかにX脚だと分かるような
シルエットで滑っているトップ選手はほぼいません。
またトレーニングでも
スクワットの時は両スネをまっすぐに!
といった指導も入ります!
(SKIER`sLABでも基本的にはそう伝えてます!)
つまりややこしい事に、
人間の構造上基本的にはみんなX脚にもかかわらず
滑りのシルエットがX脚に見える人と見えない人がいる。
また、トレーニングなどでも
脚をまっすぐにする事を求められるという事です。
さて謎が深まるX脚ですが
どのように考えるのが正解なのでしょうか?
まずはスキーのX脚シルエットを3種類を分けよう!
X脚を考えるうえで、まず重要になるのが
X脚の種類を分けるという事です。
もし、あなたがX脚に悩んでいるとしたら
今回お伝えする種類のどれに分類するか
考えてみてください!
X脚の種類は大きく3つに分けられます。
①構造上問題ないX脚
1つ目は①構造上問題ないX脚です!
特に女性は構造上仕方のないX脚でも
男性の指導者などから「X脚になっている!」
といった指摘を受けてしまうケースが多いです。
本来、構造上問題ないX脚を
無理にガニ股などして真っ直ぐにしても
パフォーマンスは上がりませんので
気を付けてください。
②構造上問題ない範囲を超えたX脚
次に2つ目ですが②構造上問題ない範囲を超えたX脚です!
これもイメージしやすいかと思いますが
いくら構造上X脚だからと言って、
全てのX脚が問題なわけではありません。
先ほどお伝えした様に
男女の平均的なQアングルがあるので
そこから大きく外れていないか
一度計ってみるのも良いかもしれません!
さてこの①、②に関しては
なんとなくイメージできるかもしれませんが
正直個人差もありますし、
平均値に入っていないからと言って
絶対に悪いというわけではありません。
ただこの後お伝えする3つ目のX脚は
明らかにパフォーマンスが落ちるので、気を付けたいものです。
③動作によるX脚
それが③動作によるX脚です!
立位状態では構造上問題ないX脚なのに
動作をするとNGのX脚に
なってしまうケースが非常に多いです!
まさにスキーはその動作によるX脚が
山の様に溢れているスポーツですね!
ただ動作によるX脚と言っても
それが構造上なのか、動作によるものなのか
判断するのが難しいかと思います。
そこが最も分かりやすいのが
つま先と膝の向き
です!
これもよく言われるワードですよね!
つま先と膝の向きが違っている状態でのX脚シルエットは
パフォーマンスがあがらないどころか、
ケガのリスクが非常に高いので
絶対NGと言っても過言ではないです。
逆に多少X脚に見えても
つま先と膝の向きが同じであれば
それほど問題ないケースもあります。
今回の内容をまとめると
X脚シルエットの判断方法が見えてきます!
①まずはつま先を正面に向けて
真っ直ぐ立った時のX脚は
構造上問題ない範囲なのかの確認
→ここで問題ありの場合は
改善策をとる
(改善方法は人によって様々です)
②構造上問題が無ければ
次に動作でX脚になってないか確認
(つま先と膝の向きがそろっているか?)
→①がOKで②がNGなら
動作の改善ですね!
因みに動作と言っても何をすればいいのか?
という部分に関しては
角付け動作と回旋動作
です!
まずはこの動画の内容が
②のチェック方法で分かりやすいので
ぜひ確認をしてください!
結構なスキーヤーの方が準備運動などで
NG動作で角付けをしているケースが多いです!
当然ですが、その状態でいくら滑っても上達しないばかりか
靭帯を切るなど膝を痛めるケースが多いので
気を付けてくださいね!
さてさて、もしあなたがX脚に悩んでいるとしたら
そのX脚はどの分類に当てはまるものだったでしょうか?
もし確認手順でNGが出てしまっている場合は
改善していって欲しいのですが、
どのようなアプローチで改善するのか
分からないかもしれません。
もちろん先ほどもお伝えした通り、人によって原因が違うので
これさえやっておけば絶対大丈夫!というものはないのですが、
1つ全員に共通する大事な内容があります!
それは
X脚は膝を直しても意味がない!
というものです!
この意味が分かるでしょうか?
スキーのX脚を直すには膝関節の修正ではない?
なぜX脚は膝を直しても意味が無いとお伝えしたのか?
結論から言ってしまうと
膝は結果であって
原因ではないからです!
SKIER`sLABでは度々お伝えしていますが、
膝自体は前後にしか動かない関節です!
膝の関節が前後だけでなく、左右に曲がる場合は
靭帯が切れている異常事態なので、すぐに病院ですね!
では膝の向きを決めているのはどの関節か?
それが
足首と股関節です!
膝の関節自体は左右に動かなくとも
足首と股関節が動く事により、
膝の位置が左右に動きます!
この動きを関節運動か位置の移動かに
きちんと分ける事は非常に重要であり、
本来指導者側は受講生側に誤解がないように
徹底すべき部分でもあります。
しかし未だにスキー界では
膝を左右に動かす
というワードが常識的ですので
本当に危険だなと思っているのですが、
(正しくは膝の位置が左右に移動するですね!)
長くなるので今回は一旦置いておきます!
ここまでの話から分かるように
X脚シルエットは、膝が原因ではなく
足首と股関節の使い方が原因だという事です。
それなのに膝に意識を向けて
動きを矯正するスキーヤーの方が
非常に多いのが現状ですよね!
言い方を変えれば
他の人が仕事をさぼっているのに
膝さんだけが表立って怒られ、
他の人仕事をしなければいけないのに、
膝さんに仕事が振り分けられる
…
…
…
ここで終わりではありません!
さらに膝さんは、本来やるべき仕事以外も引き受けたせいで
病気になってしまうのですが(痛みが出てしまう)
上司から言われた一言は何か?
「お前は弱いから鍛え直せ!!」
…
…
…
こうしてオフシーズンに、
膝周りの筋力強化が始まります。
いかがでしょうか?
かなり理不尽でかわいそうですよね(泣)
実際に関節を動かしてもらえば分かると思いますが、
股関節と足首の方が、
明らかに自由度が高く色々な方向に動きます。
それを繋げているのが膝に関節です。
ですから本来X脚シルエットが出たら
まず意識すべきは、股関節と足首なのですが
やはり見た目上最も目立つ膝に
注意がいってしまうわけです。
「X脚シルエットを直す為に
股関節or足首を見直そう!」
と聞いたことはあまりないですよね。
この様に、表面上エラーとしてあらわれている結果の部分と
そのエラーを引き起こす原因の部分は
違っている事が多いので気を付けたいところです。
スキーで膝に負担のかかるX脚シルエットになる典型的な足首と股関節のエラー
では最後に股関節と足首のエラーと言ってきましたが
その中でも代表的なエラーをお伝えして
終わりにしたいと思います。
股関節はもうイメージがついていると思いますが
骨盤が外向になるような股関節での角付け動作が
出来ていないエラーです。
また片方側だけは動くのに、反対はハマらないといった
股関節の切りかえが出来てないケースもかなり多いですね!
足首のエラーは土踏まずが潰れてしまう
外反足(回内足)ですね!
この2つは陸上で角付け動作を行ってもらえれば
一発でエラーが分かります!
因みにこの2つにも優先順位があるのですが
長くなるので今回は割愛します!
とにかく、もしあなたの滑りで膝にエラーや痛みがあるのなら、
膝に注目するのではなく、
別の原因を考えていって下さいね!
※もし具体的なスキー上達のポイントや、
オフトレーニングの方法など
もっと知りたいという場合は、
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