それって本当!?スキー指導やスキー検定でよく言われる外腰を前に出す事の真実 379

今回の内容はスキー指導の定番となっている

 

『外腰、外足を前に出していく』

 

について解説していきます!

 

なぜこのテーマをお伝えしようと思ったのか?

それは、私が聞く滑りの悩みでかなりの割合で多いのがこの

 

「外腰、外脚が出てこないと
 よく注意されます…」

 

という悩みです。

 

因みにあなたが

 

「外腰、外脚を前に出せなんて
 指導で言われたことないですけど?」

「滑りでは外腰、外脚は
 引くように意識しています」

 

という場合は、今回の話はあまり参考にならないかもしれません。

 

ただスキー界の常識といいますか、一般的な指導は

 

「外腰、外脚を前に出していく!」

 

なんですよね。

 

もちろんいつもながらそれでイメージ通り滑れていれば問題ないのですが、
そこができないと悩んでいるスキーヤーが多いので、
今回は映像、画像を通して考えていきたいと思います。

 

トップ選手の外腰(外足)はどうなっている?

因みに今回もスキーグラフィックや、
昔のスキージャーナルの記事を参照にさせていただきますが、
いつもながら取り扱っている選手たちの事や内容を
否定するつもりは全くありません。
(メルマガを読んでくださっていれば分かりますよね!)

 

滑りはとてもカッコいいですし、言っているイメージも分かります!

そしてその逆の意見を言っている人の感覚も分かります。

 

いつもお伝えしておりますが本質が分かれば、
整合性がとれない両極端に感じる意見も共通点が見えてきますので!

 

さて前置きが長くなりましたが本題です。

 

スキーグラフィック2020年10月号で
スキー技術選の春原選手の特集がありました。

 

その中の技術要素の1つに、まさに今回のテーマである
【外腰を前に出す】がありました。

 

そしてそれを行う為にプルークで内脚を引いて
外腰(外脚)を出す練習も紹介されています。

ではスキーグラフィックのYoutubeチャンネルで
春原選手の滑りを横から撮っている貴重なシーンがあります。

こちらの動画の1:21辺りからなんですが、
ぜひ歯車マーク(設定ボタン)で0.25倍速(スローモーション)にして
見てみてください。

ちょうど左足ターン前半が1:22~1:23辺りですが
あなたは左外腰(外脚)が前に出てきているように見えますか?
それとも後ろに引けているように見えますか?

1:28~1:29もちょうど切り替えてターン前半に入っていくところです!
板の前後差を見ていただいても分かりやすいですね!

外脚内脚どちらが前に出ていくでしょうか?

以前メルマガの中で

【1】外腰(外脚)が前に出ている(出している)ように見える

【2】内腰(内脚)が前に出ている(出している)ように見える

どちらに見えるかアンケートを取ったのですが、面白い結果が出ました!

 

【1】外腰(外脚)が前に出ている(出している)ように見える

53%

 

【2】内腰(内脚)が前に出ている(出している)ように見える

47%

なんと意見が真っ二つに分かれたんです!

同じ動画や画像を見ても真逆に見えるというケース本当によくあります。

 

人間の目の面白いところですね!

 

いつもお伝えしておりますが、このように意見が分かれる内容こそが
スキー上達のカギとなる部分であり、裏を返せば上達の妨げになる部分でもあります。

 

ここから一つ一つ深堀をしていきますが、
自分がどの段階で引っかかる部分があるのか
ぜひ整理しながら読み進めてください。

 

スキーでは外腰(外足)と内腰(内足)どちらが前に出るのか?

 

さてあなたは先ほどのアンケート結果をみて
どう感じたでしょうか?

 

自分とは真逆の意見に対して

「そう見える気持ちも分かる!」

といった感じなのか
それとも

「えっ、なんでそう見えるの!?」

とびっくりするなど、いろいろあると思います。

 

ちなみにいつもお伝えしているように
どのように見えていても、その方がイメージ通り滑れていればOKですし、
逆に毎シーズン滑りに悩んでいたら、これまでの考えを変える必要性があります。

 

まず外脚(外腰)、内脚(内腰)どちらが前に出るかを判断するために
前提を整理しておかなければいけません。

 

それが

 

 

状態か?

動作か?

 

です。

これは

 

事実ベースなのか?
意識や感覚なのか?

 

と言い換えてもいいですね。

 

 

まずこれだけは断言できるのは、
誰が何を言おうと

 

【事実ベースの身体の状態】は
内脚が前に出ていき
外脚が引けて行っています。

 

画像を見ていただけると分かりますが
切り替えの時は両脚(両腰)が同じ位置にあり
ターン前半に入っていくに連れてどんどん両脚(板を見ると分かりやすい)、
両腰ともに前後差が出ていきます。

もう一つ分かりやすいように
技術戦のトップ選手
丸山貴雄選手の上空から撮った画像です。

 

ターン前半から後半にかけて
だんだんと外脚が引けて内脚が前に出ている
よくわかるかと思います。

 

因みにスキーをほとんど知らないが
身体を見る専門であるトレーナーの仲間に
今回と同じ質問をしたとこと

100:0で内側の脚や腰が前に出ている
と言いました。

「これがどうして外脚が前にでて
 内脚が後ろに引けているように
 見えるのか意味が分からない(笑)」

とまで言っていました(笑)

それは当然のことで、彼らはスキーの感覚や技術論というフィルターがなく、
シンプルに人体がどのようになっているかを見ているだけなので。

 

ということは、外腰が前に出ているように見えたと
回答した人は間違えということですか?

と思ったかもしれませんが、
まだそうは言ってないので落ち着いついてくださいね!

 

まず確認しておきたいのは

 

起きている現象、
事実だけに目を向けると
スキーヤーはターン前半に
だんだんと内脚(内腰)が前に出て
外脚が引けている

ということです。

 

上記で紹介した画像を見て、動作や意識は置いといて
起きている現象だけを見た事実ベースでも
外脚が前に出て内脚が引けているように見える人は、ほぼいないかと思います。

(確実に前後差が出ているので)

 

ここを確認出来たら次のステップに進んでいきましょう!

 

 

スキーヤーが陥る感覚指導の落とし穴

ここまでで、スキーヤーの状態という
事実ベースだけで言うなら

 

スキーヤーはターン前半に
だんだんと内脚(内腰)が前に出て
外脚が引けている

 

という内容をお伝えしてきました。

 

因みに『外脚が前に出て内脚が引けて見えた』という人にとっては、
色々と反論したい事があるのは、十分わかっています(笑)

まだ事実ベースの話しかしていないので、もう少しお待ちくださいね!

 

さてこのことからも分かるように
事実だけ見るとスキー界では常識となりつつある

【外腰、外脚が前!】

とは真逆の状態で、滑っている事になります。

 

しかし意外と多くの方が、本当に事実ベースとして
外脚(外腰)を前に出て内脚が後ろに下がる
【状態】にならなければいけないと、思い込んでいます。

いただいたメールでも、
この部分に驚かれている人が多かったです。

一部紹介しますと

_______________

映像を見て本当に驚きました。

私はレッスンでも外腰が遅れている、
もっと前に出してきてください、
といわれてここ数シーズンひたすら意識してきました。

しかしなかなかできずに悩んでいたのですが、
動画の滑りを見たら選手も外腰が後ろになり内腰が前に出て
前後差が出ていました。

なぜこのような真逆の指導が一般化されているのか
不思議でなりません。

_______________

_______________

画像で紹介されている外脚を前に出していくという練習は、
よく低速のボーゲンで行っていました。

しかし実際は外脚が後ろに下がり、
内脚が前に出ていくのが見て分かりました。

なぜあのような練習をひたすらやらされたのでしょうか?

_______________

_______________

外脚を前に出して内脚を引いていくという事を
ずっと言われてきたのですが、
実際の滑りでは真逆の事が起きており、正直ショックでした。

_______________

…といった感じですね。

 

 

因みに春原選手の動画だけですと、たまたまそうなのでは?
という事もありえますが、
丸山貴雄選手の滑りをドローンで空撮した
スキーグラフィックの画像も、同じ現象が起きています。

(というよりはトップスキーヤーはみな同じ現象です)

 

さて事実ベースを確認したところでお待たせしました!

きっと外脚が前に出て内脚が引けていると
見えた方たちの反論の時間です!(笑)

きっと今回の記事を読んでいて
このような意見が出てくるかと思います。

 

「いやいや渡辺さん、
 現象として内脚が前に行き
 外脚が後ろに下がる、
 “だからこそ”
 内脚を引いて外脚を前に出す
 意識や動作が必要なんですよ!」

といった感じですね!

 

では、感覚や動作としての部分を
次回の記事で深堀していきますね!