スキー上達に本当の必要な体幹トレーニングの4段階!実践で必要なのはブレージング!? 368
前回の記事で
体幹トレーニングで
よく行われる
『ドローイング』
の本当の目的について
お伝えしました!
ドローインはリハビリなどで
腰痛対策のエクササイズとして
腹横筋の再学習の手段
であって、
動作の時に常に意識して
行うものではない!
という事ですね!
大誤解!!その体幹トレーニングメニューではスキーは上達しない!?367
スキーオフトレの定番と言えば 下半身の筋力を鍛える スクワットなどですが、 近年それに迫る勢いで 常識化されてきたのが 体幹トレ…
詳しくは前回の記事をしっかりと
読んで今回の記事に進んでください。
では実際にスキーで滑る時に
行いたい動作は何か?
それが
ブレージング
です!
今回はこのブレージングについて
解説していきます!
目次
体幹トレーニングで聞き慣れないブレージングとは?
ブレイシングというワードを
あなたは聞いたことがあるでしょうか?
これを聞いたことがあるなら
かなりマニアックに
情報を集めていますね(笑)
ブレイシングとは
ドローイングによる
腹横筋に加えて、
外腹斜筋、内腹斜筋を意識的に収縮させ、
腹筋群全体を収縮させる
エクササイズです。
やり方もドローイングとは
異なります。
ドローイングは
腹式呼吸がベースですので
大きく吸って
お腹を膨らませたあと
息をゆっくり吐いて
潰しますよね?
しかしブレイシングは
お腹を大きく膨らませたら
そのまま膨らんだ状態で
お腹をギュッと締めます!
簡単言ってしまえば
パンパンの風船の空気を
抜いていくのが
ドローイングに対し、
パンパンの風船のまま
グッと周りから押しつぶすのが
ブレイシングですね!
ちょっと汚い例えになってしまいますが、
排便する時に
お腹の動きを確認して下さい。
ドローイングのように
凹ませるのではなく
逆にちょっと膨らんだまま
グッとお腹に力が入りますよね?
逆にドローイングしながら
排便しようとすると
とってもやりづらいです(笑)
たぶんドローイングをしながらの動作って
なんとなくぎこちないというか、
動きづらくないですか?
ドローイングをキープしたままの動作は
あくまでもエクササイズであって
本来の自然の動きではないからです。
そもそも腹横筋はとても薄く
出るパワーも小さい為
それだけでは体幹部は安定できないのでは?
という仮説から、
生まれたエクササイズが
ブレイシングです。
イメージしてもらえば
分かるかと思いますが、
体幹部で折れ曲がってしまう
骨格標本(ガイコツ)を支えるのに
薄い風船で囲うより、
パンパンに空気の入った風船で囲った方が
安定しますよね?
筋トレでパワーベルトという
腰に巻くベルトをして
トレーニングを行った経験がある場合や
腰痛ベルトをしたことがある場合は
分かるかもしれませんが
基本的には力を入れるときには
ベルトを押す様にお腹は膨らみます。
もし経験がなくても、
今その場でタオルを腹巻のように
きつく巻いて
スクワットをすると
よく分かります。
それなのにドローイングを意識して
動作を行っている方が多いのが
今の体幹トレーニングの
問題点という事です。
実際スキーをする時はドローイングではなくブレージングだけど…
ここまでの話を聞いて
「なるほど!
ドローイングじゃなくて
本当にやるべきはブレイシングなのね!」
ともしあなたが感じたのであれば
ちょっと待ってください!!
私が最も恐れているのは
今回の情報が一般化された時に
上記の様ななニュアンスで
広まってしまう事です。
これまでにも
スキー上達には
『技術の全体像と順序が大事』
とお伝えしてきました。
それと同じように当然体幹トレーニングにも
全体像と順序が大事になってきます。
ブレイシングが正しくて
ドローイングが間違い
という誤解だけは気を付けて下さいね!
そもそもこの2つには
繋がりがあります。
これまでにもお伝えしてきましたが
腹横筋は他の筋より一足先に収縮を起こし
(上肢運動の0.03秒前、
下肢運動の0.11秒前)
脊柱の安定性を高める事で、
人は四肢を動かす事が可能と
言われています。
この一足先に動く機能を
フィードフォワード機能と呼んだりします。
(フィードバックはよく聞きますよね!)
腰痛の人や腰痛だった人は
この腹横筋のフィードフォワード機能が
低下している為、脊柱が安定せず
その結果腰痛になったり
それに伴う代償動作が表れます。
ですからドローインは
リハビリで腰痛対策のエクササイズとして
(腹横筋を使えるようになる手段)として
よく用いられています。
しかし、幾つかの研究によって
腰椎を安定させる目的においては、
ドローインだけでは不十分で
ブレイシングの方が効果的であると
分かってきました。
つまり、
①ドローインは
腹横筋が使えない場合や
ブレイシングの導入段階ですべき
エクササイズ
↓
②ブレイシングはドローインによる
腹横筋の収縮が意識的に正しく行える上で、
さらに強度の高くなる実践動作の
土台として使用する為のエクササイズ
といった感じです。
ドローイングとブレイシングの
つながりがわかりましたか?
体幹トレーニングにはさらに続きがある?スタビリティとは?
これまでの内容を
以前メールマガジンでも
配信したのですが、
「これまで、トレーナーに言われて
ドローイングを行ってきました。
そのイメージで筋トレや
ウォーキングを行っていたのですが
根本的な部分が違っていたんですね」
「ドローイングは以前雑誌で
特集されていたため
スキーをする時や
スクワットの時など
意識していたんですが
どうもしっくりきませんでした。
でもそれは、
自分が体幹を使えていないせいだと
思い込んでいましたが
やっと今回理由が分かり
安心しました。
たしかに踏ん張る時は
お腹膨らみますよね!」
といった感想をいただきました。
もちろんドローイングを
意識してきた事は
これから先プラスになるので
無駄だったとは思わないでくださいね!
実は偉そうなことを言っておりますが
学生時代私も
ドローイングが重要で
スクワットの時も意識しろ!と
学校で言われており、
アルバイト先でも
そのように指導していました。
確かにそうすると
お腹の意識は高まるのですが、
自分で行っていても
いまいち動きづらいんです。
なんだかモヤっとした状態に
霧が晴れたのが
当時定期購読していた
【スポーツメディスン】
というスポーツ医学実践者のための
スポーツ医学専門誌を
読んだ時でした!
これは本当によく覚えているのですが
その当時、読んだ瞬間に
「やっぱりそうじゃん!」
とほんとに1人で声上げましたから(笑)
スポーツメディスンに書いてあった内容は
まさにこれまでお伝えした
腹横筋のフィードフォワード機能、
つまり動くちょっと前に
自動的に使われるという内容でした。
そこからは
使う為の手段であって
実際の動作とは別物と認識できたのですが
それから10年もたっていますが
この様な認識は未だ一般的ではありません。
(もう10年前の情報なのに…)
その理由が明確に分かるのが
ここからの内容です!
(前置長くてすいません 汗)
先ほど、まずはドローイングで
腹横筋がつかえるのが第1段階、
それをベースにブレイシングで
実際の動きに繋がる
土台を覚えるのが第2段階
とお伝えしました。
そして体幹トレーニングは
あと2段階残っています。
つまり
体幹トレーニングを
大きく分けると4段階になる
という事です。
第1段階 ドローイング
第2段階 ブレイシング
そして第3段階が
・・・
・・・
・・・
③基礎的なスタビリティトレーニング
です!
基礎的なスタビリティトレーニングとは
まさに一般スキーヤーが
多く行っている
・肘をついて身体を真っ直ぐでキープ30秒
・四つ這いで片手足を上げてキープ30秒
といったものです!
ここでもう一度
しっかり認識しておいて欲しい
部分があります!
それhが“第3段階で”
基礎的なスタビリティトレーニングです!
つまり
第1段階、第2段階が
きちんと出来ない人にとっては
体幹トレーニングが出来ていない!!
という事です。
そして残念なことに
一般スキーヤーの方は
かなりの確率で
この状態に陥っています。
一番わかりやすいのが
上記の様な一般的な
体幹トレーニングを行っても、
手足といった他の部位がきつく、
体幹を使っている感覚が無いパターンです。
もしあなたも
体幹トレーニングを行っているのであれば
きちんと段階を踏めているか
確認をしてみて下さいね!
スキーが上手くなる体幹トレーニングの最終段階
ここまでくると
第4段階も知りたいですよね?(笑)
一般スキーヤーは勿論のこと
ジュニアスキーヤー達も
一生懸命体幹トレーニング
(スタビリティトレーニング)を
行ってはいます。
しかし段階が間違っているので
出来る子にだけは効果があり、
その他にはただ辛いだけ
という残酷な結果が待っています。
やはり自分が
どの段階の内容が必要なのかを知る事は
スキー上達も含め、
すべての事に重要です!
これまでに
・第1段階 ドローイング
・第2段階 ブレイシング
・第3段階 基礎的スタビリティトレーニング
をお伝えしてきました。
そして第4段階は何か?
それは
④【高強度 スタビリティトレーニング】
です!
まぁシンプルに強度を上げるのですが、
強度の上げ方は様々です。
例えば体幹トレーニングの定番
プランク姿勢でも
(身体を真っすぐにして
肘とつま先の4点で支える姿勢)
肘の下やつま先の下に
バランスボール、バランスディスクといった
不安定な足場にする事で
強度は上がります。
さらに手足を動かすといった
動作を加えるなども
定番ですね!
あとはシンプルに重さを加える
といったところでしょうか。
因みに私がトレーナーの専門学生時代は
骨盤の上に人が乗って
耐えていました!
周りはみんな筋肉マン達なので
本当に重いんです(笑)
でもやっぱり人体って不思議なんですが
60㎏ぐらいの私が乗っても
直ぐへばる90㎏のキン肉マンもいれば
90㎏に乗られてもなんとか耐えられる
私のような60㎏のヒョロヒョロ君(笑)もいるなど
身体の使い方でパフォーマンスは変わります。
話を戻して、
この様に
第1段階 ドローイング
第2段階 ブレイシング
第3段階 基礎的なスタビリティ
第4段階 高強度のスタビリティ
と段階を踏んでいく事が
理想であり、
どかの段階でエラーがあれば
上の段階の事を行っても
効果がないどころか
マイナスになるケースが大半です。
そしてここをベースに
(えっ、まだベース!?)
・コアストレングストレーニング
・コアパワートレーニング
・インテグレーティッドコアトレーニング
と続き、
さらに競技特性に沿った
コアトレーニングと・・・
(もうやめて・・・)
となりますよね(笑)
そこまでは説明しないので
大丈夫です!
この内容をよんで
あなたはどのように感じたでしょうか?
面白い!と感じた場合もあれば
「トレーニングって
専門的にやろうと思ったら
ここまで突き詰めるのか…」
とうんざりしたかもしれません(笑)
そしてこのような発信をすると
「SKIER`sLABでは
どれだけ緻密なトレーニングを
行っているんだ…」
思われるケースもよくあります。
サポートメンバーの方は
もう分かってらっしゃると思いますが、
上記で書いたような
専門的な
コアストレングストレーニング
コアパワートレーニング
インテグレーティッドコアトレーニング
・・・
・・・
・・・
なんてものは
やってません!!(笑)
はっきり言うと
むしろそんなことやってるから
上手くならないんです!!
はい、混乱されているかもしれませんが
事実です!
とりあえず今回は体幹トレーニングの話なので
一旦ここで終わらせていただき
その理由は次回の記事でお伝えします!
まずは今回の記事で
スキーのオフトレで良く行われる
体幹トレーニングについて
整理が出来ていると嬉しいです!