スキー上達のコツ 上手くなっても滑りが戻る落とし穴とは? 252
前回までの記事をとおして
スキーが上達する為の
効率的な練習法を
簡単なレッスンの流れをもとに
解説していますが、
イメージはつかめているでしょうか?
まずは自分で滑ってきて
その感覚やイメージを脳内でフィードバック。
↓
そして実際の映像を元に
イメージと現実のすり合わせ。
↓
【スキーを効率よく上達するには、滑走後に●●をしよう! 250】
イメージ通り出来てないのであれば
【1】エラー動作の『具体的な』原因の確認
【2】修正するための『具体的な』
身体の使い方の確認
【3】その場でまずその動作が出来るかの確認
3つの流れで確認をして修正。
↓
【スキー上達に繋がる、滑りを改善する時の3つのコツ 251】
というところまでお伝えしました。
今回は次の段階である
認知の修正についてです。
認知を変えなければ出来るものもできない
まずはもう一度レッスンの流れを
確認して下さい。
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私『まずその場で滑走ポジションを
取ってみましょう』
受講者『はい!こうですか?』
私『OKです!
ではビデオ撮りますんで
ずっとそのイメージで
滑ってみてください!』
受『わかりました!』
~滑る~
私『OKです!
どうでしたか?』
受『かなり意識してやってきたつもりです。』
私『では映像見てみましょう』
~映像確認~
私『どうですか?』
受『あれ!?ぜんぜん出来てないですね。』
私『いま○○さんは、●●関節を
このような形で使っているので
結果的にビデオで見た
この形になってしまいます。
本当は●●関節はこうで
さらに△△関節もこの状態にないと
この形できないんですよ。』
受『ほんとだ、確かにそうしてる!』
※今回はここから先の部分です。
私『ではもう1本撮りますんで、
次はやりすぎぐらいやってきて下さい。』
受『こんな感じですね!』
私『いえいえ、もっとやっていいですよ』
受『えっ、こんなに!?』
私『はい、それでどう映るか
ビデオで確認してみましょう!
変になっちゃってもいいですので』
~滑る~
私『どうでしたか?』
受『いやぁ、かなり意識してやったので
気持ち悪いです(笑)』
私『ではビデオ見てみましょう!』
受『・・・これで全然普通ですね(笑)
イメージしてたものと
全く違っていました。。
こんなに感覚や身体の使い方が違うんじゃ
いくら練習しても
上手くならないわけです!』
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はいこれは本当にあるあるです。
修正しようと思っても
自分のイメージする範囲内でしか
行わないのが一般的です。
ですからあえて
やりすぎ、違和感を覚えるぐらい
行ってもらいます。
ご自身だけで行う場合は
そのイメージを持ってください。
そして指導する場合重要なのが
それが正解だとその場で
押し付けない事です。
以前のメルマガでもお伝えしましたが、
人から100回言われるより
1回自分の映像を見た方が
理解は早いです。
ですから違和感たっぷりで滑ってきてもらって
すぐに映像で確認してもらいます。
すると自分の認知と現実の差に
驚くことが大半です。
この様に認知の部分が間違っていると、
理想とする身体の動きは出来るのに
実際の滑りが変わらない
という非常に勿体ないことになるので
とても重要な要素になってきます。
また、認知の修正が出来れば
後はコツコツ一人で練習してもいいのですが、
余程意識しないと
結局自分の認知の範囲内で滑ってしまい
元の状態に戻ってしまうという
状況に陥りやすいです。
それほどまでに
今までの脳内イメージは強いので
意識して認知の修正を行っていきましょう!
さてこの段階で
現実的に滑りが変わり、
どれぐらいの意識で行えば
イメージした滑りになる
という感覚も体験したことになります。
これでスキーが上達!!
と上手くいかないのが
スキーの難しいところです。
なぜなら最後の最後に
落とし穴が待っているからです。
最後の落とし穴!人間の学習段階とは?
これまでの流れで
滑りが変わったのですが
そこで終了ではありません。
「えっ、滑りがかわったのになんで?」
と思われたかもしれませんが、
あなたもこのような経験はありませんか?
『この間良くなったのにまた戻ってるなぁ・・・』
これもあるあるですね。
せっかく滑りが変わったと思ったら
またもとに戻ってしまうのはなぜなのか?
理由は人によって違いますし
沢山あるのですが、
その一つに
『学習段階を途中で終わらせてしまう』
というものがあります。
人間が何か新しい事を
学習するときには4段階あります。
分かりやすく
スキーを例にしてお伝えしますね。
【1.無意識的無能(知らないしできない)】
...あることに関して何も知らず、
知らないということさえも知らない状態
例:どうすればスキーが上達するのか分からない
または、こうすれば上達するだろうと
間違った思い込みをしているが
間違っていることにすら気づかない
【2.意識的無能(知っていてもできない)】
...あることに関して知識を得たが、
それを実践することはできない状態。
例:股関節からくの字をする事が
スキー上達に繋がることは分かったけど、
実際やろうと思っても出来ない。
【3.意識的有能(考えるとできる)】
...あることに関して
ある程度できるようになってきましたが
まだ習慣化されておらず、
それを行うためには
ある程度の集中力が必要な状態。
例:意識すれば股関節を使えるんだけど
意識しないとすぐ上半身を使ってしまう
【4.無意識的有能(考えなくてもできる)】
...意識しなくても自動的に
あることを実践することができている状態
例:特に意識しなくても股関節を使えるに
股関節を使うことが当たり前
といった感じです。
今回お伝えしているレッスンの流れですと
【3.意識的有能(考えるとできる)】
まではいけたことになります。
しかし多くの場合そこが出来たという
ゴールだと思い込んでしまい、
そこから
【4.無意識的有能(考えなくてもできる)】
に移行するまで意識して練習できません。
その原因は
・さらにもっとよくしようと
他の事を意識してしまう、
・指導者や他の仲間から、
それが出来たら次は・・・
新たな問題に移されてしまう
など様々です。
出来なかった事が出来るようになっても
まだまだ
【3.意識的有能(考えるとできる)】
の段階だから、
【4.無意識的有能(考えなくてもできる)】
になるまでは焦らずそのことだけを意識しよう
と心がけてください。
滑っている時に意識できることは
せいぜい一つか二つなので。
ただ正直いって
【3.意識的有能(考えるとできる)】
の段階まで進めたことは
滑りが元に戻ってしまっても
早いタイミングで
外部から気づかせてもらえれば
時間がかからず戻ります。
上達に悩むスキーヤーの多くは
【1.無意識的無能(知らないしできない)】
で止まっています。
どうすればスキーが上達するのか
具体的に分からない。
こうすれば上達すると考えていることが
間違っていると気づけない。
といった感じです。
まとめ
全4回の記事に分けて
スキーが効率よく上達する為の練習法を
お伝えしてきました。
全ての記事を読むのは
大変だったと思います。
しかしあなたが上達に悩んでいるのであれば
自分がいまどの段階にいるのか
一度考えてみることが重要です。
そういえばこの部分出来ていないかも・・・
というところが
スキー上達の妨げに
なっている可能性が高いです。
正しい練習法で効率よく上達し、
充実したスキーライフを送ってくださいね。