足を鍛えるとスキーは上手くなるのか? 106
前回は足の指は鍛えた方がいいけれど
握らないほうがよいという内容を書きました。
よくよく考えると不思議ですよね。
せっかく足指の握る力を鍛えたのに
握る意識が強すぎると
動きがちぐはぐになってしまうなんて。
そもそもなぜ足の指を鍛える必要があるのでしょうか?
あなたは足の指を鍛えるとどのような効果が得られると思いますか?
きっとバランスが良くなったり
足裏の感覚が良くなったりするイメージではないでしょうか?
ある意味正解なのですが
もう少し具体的に知っておくと
スキーに非常に役立ちます。
まず足の裏は人間が地面に接している土台であり
初めにバランスをとる部分でもあります。
片足立ちで実験してみて下さい。
足の裏でバランスをとる
膝を使ってバランスをとる
股間節を使ってバランスをとる
お腹や腕など上半身を使ってバランスをとる
頭を使ってバランスをとる
さてどれが一番安定するでしょうか?
多分身体の上部に向かうにつれて
不安定になると思います。
つまり地面に一番近い足裏でバランスをとることは
動きの安定性につながるのです。
その土台となる足が自由に動かず
カチカチになっているとどうなるでしょうか?
当然他の関節でバランスをとらなければならなくなり
余計な動作が生まれてしまうのです。
足は手と同じように自由自在に動かせるように
しておくことが重要なのです。
ただここで落とし穴があります。
前回もお伝えしましたが
柔らかくしてバランスをとれるようにしておくのと
ギュッと力を入れるのとでは全く機能が異なります。
バランスをとるために
足の指にギュッと力を入れてしまっていませんか?
実は足の裏を自在に動かせるようにしておけば、
自動的にバランスをとるようにぐにょぐにょと動いてくれます。
それを変に意識をして握ってしまうから
かえって動きがおかしくなるのです。
普段普通に歩いているのに
入場行進で意識するあまり
手と足が一緒に出てしまうのと同じです。
そして足の指をつかまない理由のもう一つが
重心がつま先にかかりやすくなってしまうからです。
スキーは板に自分の重さを乗せることが非常に重要です。
板に効率よく力を伝えるためには
重心つまり身体の重さを足の裏のどこにのせればいいのでしょうか?
つま先や母指球ではありません。
漢字を見てみれば分かります。
足で重さが加わる場所。
つまり踵です!
空き缶をつぶすときに
あなたはどのようにつぶしますか?
つま先や母指球でつぶすでしょうか?
コーチが滑りの説明をする際に
足の指を浮かす理由が分かったでしょうか。
ただこの踵の意識は
認識を間違えると
重心が後ろにさがり後傾になってしまいます。
重心は前に行くのに
踵に乗る方法が実はあります。
この感覚を身に着けておくことが
スキー板をたわませるうえで非常に重要です。